健康診断でγ-GTPの数値が高いとされる中高年の方が増えて来ています。
原因は色々ありますが、アルコールとの関わりが深いことは良く知られています。
では、どのような病気だと異常値となるのでしょう?
そこで、今回はγ-GTPについて
- 基準値
- 高い場合の病気
- 注意点
などをご説明したいと思います。
γ-GTPとは?
γ-GTP(英語表記で「gamma-glutamyl transpeptidase」γグルタミルトランスペプチターゼ)は、タンパク質を分解する酵素です。
腎臓の場合には尿に流出しますが、肝臓や胆管の細胞が破壊されると、血液中にγ-GTPが流出する事から、肝臓や胆管の細胞の壊れた事を表す指標として使われています。
血液中にγ-GTPが流出する事が、人体に悪い影響を与えるわけではありませんが、このγ-GTPが何故増えるのかについて注目しなくてはいけません。
この数値が高いという事は、その分、肝臓が破壊された事に繋がります。
つまり、肝臓に何らかの疾患があるので数値が上昇するのです。
γ-GTPは、
- 腎臓
- 膵臓
- 肝臓
- 脾臓
- 小腸
などに含まれていますが、特に腎臓に多く含まれます。
関連記事)γ-GTPを下げる食事は?
γ-GTPの基準値は?低い・高いと問題?
基準値は、
- 男性の場合、80U/L以下
- 女性の場合、30U/L以下
とされています。
この数字より低い場合は、非飲酒者や妊娠中などのこともあり問題ありませんが、高い場合は注意が必要です。
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γ-GTPが高いと疑われる病気は?
以下に、数値別に疑われる病気を挙げました。
この数値は高くなっても自覚症状が無いことも多くあります。
その為、健康診断でこの数値が明らかになるまでは、放置された状態のまま、病気が進行してしまう事もあります。
特にアルコール摂取量が多目の方や、食生活の乱れのある方は、定期的に検査をされて、早めにご自分の数値を把握される事が大切となります。
関連記事)肝臓の検査の方法は?何科に行けばいい?
γ-GTPの注意点とは?
アルコールの影響を受けやすいため、前日に飲酒をすると高値となることもあります。
そのため、前日には飲酒を控える必要があります。
また、一度γ-GTPの数値が高くても、再検査で数日禁酒した後に測定して数値が下がれば、飲酒の影響で一時的に数値が高く出たと考えられますので、問題はありません。
しかし、それでも数値が下がらなければ、何らかの疾患の可能性が高くなりますが、一時的にでも数値が高値であった場合、アルコール作用によって影響を受けやすいということが分かりますので、今後は飲酒を控えめにというサインとして捉えると良いでしょう。
参考文献:今日の臨床結果2011 2012P193・194
参考文献:検査結果なんでも早わかり事典P108・109
参考文献:改定新版 検査と数値を知る事典P122
最後に
- γ-GTPは、タンパク質を分解する酵素で腎臓に最も多く含まれる
- 基準値は、男性の場合、80U/L以下・女性の場合、30U/L以下
- 高いと、肝臓・膵臓・胆道系の疾患の可能性がある
- アルコールに影響されやすいため、飲酒に気をつける
胎児や新生児期には肝臓の活性が高いため、非常に高値となりますが、その後成長するに連れ下がってくるので問題ありません。