健康診断の血液検査で「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と書かれていると、腎臓が悪いのではないかと心配になる人は多い。

結論からいうと、eGFRは腎臓がどれだけ血液をろ過できているかを示す目安で、60未満の状態が3か月以上続くと慢性腎臓病(CKD)とされる。45未満の場合や、尿たんぱくも陽性の場合は、医療機関で詳しく調べてほしい。ただし、筋肉量や脱水などの影響で数値がずれることもあるため、1回の結果だけで判断しないことも大切である。

この記事では、クレアチニンとeGFRの意味、基準値、数値がずれる場合、受診の目安、腎臓を守るためにできることを整理する。

健診でeGFRが58でした。腎臓病なんでしょうか?

eGFRは年齢とともに少しずつ下がりますし、検査の日の体調でも変わります。60を下回る状態が3か月以上続くかどうかが大切なので、まずは再検査で確かめましょう。尿たんぱくも出ている場合は、早めに相談してくださいね。
この記事のポイント

  • クレアチニンは筋肉から出る老廃物で、腎臓の働きが落ちると血液中で高くなる。
  • eGFRは、クレアチニン・年齢・性別から計算する「腎臓のろ過の力」の目安である。
  • eGFR60未満が3か月以上続くと慢性腎臓病(CKD)。45未満は受診がすすめられる。
  • 筋肉が多い人や脱水のときは、数値が実際とずれることがある。

クレアチニンとeGFRとは

eGFRでわかる腎臓の働きの段階(CKDのG区分:G1〜G5)

クレアチニンは、筋肉を動かすときにできる老廃物である。ふつうは腎臓でろ過されて尿に出ていくが、腎臓の働きが落ちると血液中にたまり、数値が高くなる。

eGFR(推算糸球体ろ過量)は、血液中のクレアチニンの値に、年齢と性別を加えて計算した数値である。腎臓が1分間にどれだけの血液をろ過できるかを表し、数字が小さいほど腎臓の働きが落ちていることを示す。

基準値と腎臓の働きの区分

クレアチニンの基準値は、施設によって多少異なるが、おおむね男性で1.0mg/dL前後、女性で0.8mg/dL前後までとされることが多い。女性や小柄な人は筋肉量が少ないため、もともと低めに出る。

eGFRは、次のような区分で腎臓の働きを評価する。
eGFRで見る腎臓の働き(慢性腎臓病の区分G1〜G5)
慢性腎臓病は、eGFRの区分に加えて、尿たんぱくの量もあわせて重症度を判断する。同じeGFRでも、尿たんぱくが多いほど腎臓の病気が進みやすいとされる。

数値が実際とずれることがある

クレアチニンは筋肉から出るため、次のような場合は腎臓の働きと数値がずれることがある。

  • 筋肉量が多い人(スポーツ選手など):クレアチニンが高めに出て、eGFRが低く出やすい
  • 筋肉量が少ない人(高齢の人、やせている人):クレアチニンが低めに出て、eGFRが高く出やすい
  • 脱水のとき、前日に激しい運動をしたとき、肉をたくさん食べたあと:一時的に高くなることがある

筋肉量の影響を受けにくいシスタチンCという血液検査で、腎臓の働きを確認することもある。

筋トレをしていて、クレアチニンが高めに出ます。

筋肉が多い人はクレアチニンが高めに出やすいです。気になる場合は、筋肉の影響を受けにくいシスタチンCという検査もあるので、医師に相談してみてください。

受診の目安

次のような場合は、内科(かかりつけ医)や腎臓内科を受診してほしい。

  • eGFRが45未満
  • eGFRが60未満で、尿たんぱくも陽性
  • 尿たんぱくが(2+)以上、または尿たんぱくと尿潜血の両方が陽性
  • 前年と比べて、eGFRが大きく下がっている
  • むくみ、だるさ、尿の量の変化などの症状がある

腎臓の働きは、一度大きく落ちると元に戻りにくい。早めに原因を調べ、進行を防ぐことが大切である。

腎臓を守るためにできること

  • 塩分を控えて血圧を管理する
  • 糖尿病がある人は血糖を管理する
  • 禁煙する
  • 痛み止め(一部の解熱鎮痛薬)を自己判断で長く飲み続けない
  • 脱水を避け、必要な水分をとる(心臓や腎臓の病気で水分を制限されている人は主治医の指示に従う)

まとめ

  • クレアチニンは筋肉から出る老廃物で、腎臓の働きが落ちると高くなる
  • eGFRは腎臓のろ過の力の目安で、60未満が3か月以上続くと慢性腎臓病とされる
  • 45未満、または尿たんぱくも陽性の場合は医療機関を受診する
  • 筋肉量や脱水で数値がずれることがあるため、再検査やシスタチンCで確認することもある
尿たんぱくを指摘された人は、健康診断で尿蛋白が陽性と言われたら?(±)(+)の意味・原因・再検査と受診の目安もあわせて読んでほしい。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。検査結果の解釈や治療については、必ず医師に相談してください。