健康診断の尿検査で「尿蛋白(+)」「たんぱく尿」と書かれていると、腎臓が悪いのではないかと心配になる人は多い。
結論からいうと、尿蛋白は運動や発熱などで一時的に陽性になることも多く、1回の結果だけで腎臓病とは決まらない。ただし、再検査でも陽性が続く場合や、尿潜血も陽性の場合、むくみがある場合は、腎臓の病気が隠れていることがあるため医療機関で調べてほしい。
この記事では、尿蛋白とは何か、(±)(+)の意味、陽性になる原因、再検査のポイント、受診の目安を整理する。
- 尿蛋白は、本来ほとんど尿に出ないたんぱく質が出ているかを調べる検査である。
- 運動・発熱・長く立っていたあとなどで、一時的に陽性になることがある。
- 再検査でも陽性が続くなら、腎臓の病気がないか調べる必要がある。
- (2+)以上、尿潜血も陽性、むくみや腎機能低下がある場合は早めに受診する。
尿蛋白とは何か
腎臓には、血液をろ過して尿をつくる「糸球体(しきゅうたい)」というフィルターがある。たんぱく質は大きいため、ふつうはこのフィルターをほとんど通らず、尿にはごくわずかしか出ない。
腎臓のフィルターが傷つくと、たんぱく質がもれ出て尿に出てくる。これを「たんぱく尿」とよび、腎臓の病気の大切なサインになる。
(−)(±)(+)の読み方

健康診断の尿蛋白は、試験紙の色の変化で判定する。(−)が正常で、(±)は微量、(1+)、(2+)、(3+)と数字が大きいほど、尿に出ているたんぱく質が多いことを示す。
試験紙の結果は、尿の濃さにも左右される。水分をあまりとらずに濃い尿になっていると陽性に出やすく、逆に薄い尿では出にくい。

尿蛋白が陽性になる原因


尿に出る特殊な蛋白については、ベンス・ジョーンズ蛋白とは?検査方法や考えられる疾患を解説で解説しています。
一時的なもの(生理的たんぱく尿)
- 激しい運動のあと
- 発熱、かぜなどの体調不良
- 強いストレスや寝不足
- 長く立っていたあと(起立性たんぱく尿。若い人に多い)
これらは、原因がなくなれば再検査で陰性になることが多い。
病気によるもの
- 腎臓の病気:慢性腎炎(IgA腎症など)、ネフローゼ症候群など
- 糖尿病や高血圧による腎臓のダメージ:糖尿病性腎症、腎硬化症
- そのほか:膀胱炎などの尿路の炎症、一部の血液の病気など
受診の目安
次のような場合は、内科(かかりつけ医)や腎臓内科を受診してほしい。
- 再検査でも尿蛋白が陽性
- 尿蛋白が(2+)以上
- 尿蛋白と尿潜血の両方が陽性
- 血液検査でクレアチニンが高い、eGFRが低いと言われた
- 足や顔のむくみ、尿の泡がなかなか消えない
- 糖尿病や高血圧で治療中
腎臓の病気は、かなり進むまで症状が出にくい。症状がなくても、続けて陽性が出る場合はそのままにしないことが大切である。
尿潜血も陽性だった場合の考え方は、【図解】尿潜血の原因は?陽性ならどんな病気の可能性がある?で解説しています。
腎臓を守るためにできること
- 血圧の管理:高血圧は腎臓に負担をかける。塩分を控えめにする
- 血糖の管理:糖尿病がある人は、血糖のコントロールが腎臓を守ることにつながる
- 禁煙
- 痛み止めなどの薬の使いすぎに注意:一部の痛み止めは腎臓に負担をかけることがある
腎臓の働きを示す尿素窒素の基準値は、尿素窒素(BUN)の基準値は8~20mg/dL|高い・低い原因と受診の目安で解説しています。
まとめ
- 尿蛋白は、腎臓のフィルターからたんぱく質がもれていないかを見る検査である
- 運動や発熱などで一時的に陽性になることもあり、1回の結果だけでは判断しない
- 再検査は、前日の激しい運動を避け、早朝の尿で受けるとよい
- 陽性が続く、(2+)以上、尿潜血も陽性、むくみや腎機能低下がある場合は受診する
ほかの検査項目の見方 → 健康診断の結果の見方まとめ(A〜E判定の意味と検査項目の一覧)





