糖尿病で人工透析をしているって、よく聞きますよね。現在、人工透析をしてる患者さんが8万人くらいいると言われ、その中でも糖尿病の合併症から人工透析が必要になった方が30%以上と言われています。
「糖尿病ってインスリン注射して、血糖コントロールしたらいいだけじゃないの?」そう思う方も多いですよね。糖尿病の場合、本当に怖いのは糖尿病じたいじゃなく、その合併症なんですよね。
その糖尿病の合併症の1つである腎症、知り合いのおじさんが「若いころ無茶して治療とか馬鹿にしてたら、今もう週に3回透析してて大変よ」と言っていたんですが、そう・・・腎症って悪化すると怖いうえに、治療も大変なんです。
今回は糖尿病の腎症について・・・
- 症状は?
- 腎症の治療法
- 合併症にならないために
ということついてお話したいと思います。
糖尿病の腎症の症状とは?
- 尿に蛋白が出る
- 腎不全
- 下肢の浮腫
- 心不全
- 尿毒症
尿に蛋白が出ます。普通の健康な人では排出されないものなんですが、初期の頃は出たり出なかったり、食事内容や体調にもよるのかな?と見逃されることも多いです。
しかし、これが10年、15年と経過しそのまま症状を放置されたままだと、蛋白が出続ける状態になり、腎症が進行しているといえます。この蛋白が出続け、量も増えた状態のことをネフローゼ症候群というんですが、こうなると腎機能が低下し、腎不全となります。
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腎症の治療法とは?いつから透析が必要?
でも、この運動療法ですが、腎症になり蛋白が出てる状態だと運動にも制限が出されます。というのも、腎症から心不全など心臓にも合併症が出る可能性もあるからです。そうなれば、運動療法以外の、食事療法、薬物療法、そして透析も必要になります。
どうして透析をするのか?それは、そのまま放置しておくと、体内に排出されなくなった老廃物がたまってしまい、尿毒症となり、吐き気や頭痛、倦怠感や痙攣、ひどくなると昏睡状態となり命にも関わるんです。
人工透析の方法
人工透析は、血液透析と腹膜透析という2つの方法に分けられます。
血液透析
血液を体の外に一旦取り出し、体にたまった余分な水分や老廃物を器械で取り除きろ過し、また体内に戻します。約1回4時間かかります。
病院で行わなくてはならず、しかも動いてはいけないため、ベッドの上で横になっていなくちゃならないので、TVを見たり、読書程度しかできません。
腹膜透析
カテーテルを腹部に埋め込む手術を行います。そのカテーテルに浸透液を通し出し入れすることで、老廃物を取り除き、血液を浄化します。ただ、これは自宅でも出来、病院への通院は月に1~2回程度です。
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合併症にならないための対策
それは・・・糖尿病と発覚したその時、初期の段階から治療をしているかどうかです。
このように糖尿病の合併症は、発症してすぐ、いえいえ糖尿病予備軍の頃から水面下でジワジワ合併症の危険性が出てきてるんです。なので、症状が出てからでは遅いんです。何度も繰り返しますが、薬物療法、運動療法、食事療法、この3つが糖尿病の治療法です。
そして、定期的に検査を行い、自分の今の状態を確認することで、もし合併症が現れ始めていても、透析まですることなく、早期に対策、治療ができるというわけです。
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最後に
- 糖尿病の腎症、蛋白が尿から出ることを言う
- 進行すると、腎不全や浮腫、心不全や尿毒症、命に関わることも
- 基本的には、症状が悪化する前に、薬物療法、運動療法、食事療法が大切
- 人工透析には血液透析と腹膜透析とがある
- 糖尿病初期の段階から薬物療法、運動療法、食事療法に気を付ける
- 定期的に検査し、合併症を早期に発見し、早期に治療することが大切
透析をしだしたら、一生やり続けなければいけません。週に3,4回、1日4時間。仕事にも差し支えます。糖尿病の治療は症状が出てないと、面倒と感じることもあるかもしれませんが、症状が出る前に医師の指示に従いきちんと治療をすることが大切です。