
大きな病気と決まったわけではありませんよ。
超音波検査を受けたら影が見つかった!なんてわかったら誰だって不安になってしまいます。
もちろん精密検査をやらないとわからないこともありますが超音波検査からわかることだってたくさんありますしね。
実際影が見つかったらどんな病気が考えられるのか、考え出したら夜も眠れませんね。
そこでそんなあなたの為に
- 肝臓に影!どんな病気の可能性があるの?
- 肝臓がんを疑う場合の数値の判断基準は?
- 肝臓がんの特徴は?
についてまとめました。
- 腹部エコーの「影」は、肝嚢胞・肝血管腫など心配の少ないものから、肝膿瘍・肝がんまで幅があります。エコーだけでは決められません。
- 影の種類は、エコーでの見え方に加え、血液検査(AST・ALT、腫瘍マーカーなど)やCT・MRIで調べます。
- 肝炎ウイルスの感染、脂肪肝、肝硬変などの肝臓の持病がある人は、肝細胞がんを念頭に精密検査が勧められます。
- 「要精査」「要再検査」と書かれたら、放置せず、早めに消化器内科・肝臓内科などで精密検査を受けてください。
腹部エコーで肝臓に影!どんな病気の可能性がある?


限局性肝疾患
限局性肝疾患とはこのようなものです。
肝嚢胞とは良性の水たまりです。
肝膿瘍とは肝臓に膿がたまる疾患で、高熱と腹痛が出ることが多い疾患です。
肝血管腫とは良性の腫瘍で、多くは経過をみるだけで済みます。大きさが変わらないか、エコーなどで確認していくことがあります。
もともと肝臓に持病があり、その上で影が見つかった場合は肝細胞癌を念頭に精密検査を行います。
| エコーで見つかる影 | 心配度の目安 | 主な次の検査・対応 |
|---|---|---|
| 肝嚢胞 | 低い(良性) | 症状がなければ経過観察が中心 |
| 肝血管腫 | 低い(良性) | 典型的なら経過観察。迷うときはCT・MRI |
| 肝膿瘍 | 高い(感染症) | 発熱・腹痛があれば早めに受診。血液検査・CT |
| 肝細胞癌・転移性肝がん | 高い | 血液検査(腫瘍マーカー)・造影CT・MRI |
| 脂肪肝などの広がる変化 | 生活習慣の見直しが中心 | 血液検査・生活習慣の改善、必要なら肝臓専門医 |
びまん性肝疾患
びまん性肝疾患とは肝臓全体に広がる病気という意味です。
びまん肝疾患は以下のようなものがあります。
急性肝炎
肝臓に炎症が起こっている状態です。
だるさ、食欲不振、黄疸などが出ることがあり、早期発見早期治療が大切です。
劇症肝炎
これはウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤などが原因で起こる重症の肝炎です。
肝性の昏睡状態になることがあり、早急に治療が必要です。場合によっては肝移植になります。
慢性肝炎
こちらは文字通り肝炎が慢性化している状態で、放置すると肝硬変、肝臓がんと進行してしまいます。
脂肪肝
近年とても多く見られる、生活習慣と関係する状態です。肝臓に脂肪が全体的に多くたまった状態を指します。エコーでは肝臓が白っぽく(明るく)見えます。
不均一な脂肪肝
こちらは肝臓の中で脂肪のたまり方にむらがある場合を指します。腫瘍と見分けにくいことがあるため、CTやMRIで確認することがあります。
うっ血肝
こちらは血管の血流障害で静脈に血がたまった状態のことを指します。
もともと心臓の持病がある場合に起こります。

肝嚢胞については、腹部エコーで肝のう胞・腎のう胞と言われたら?ほうっておいていいのう胞と再検査が必要なのう胞でも解説しています。
肝臓癌を疑う場合他の数値の判断基準は?
肝臓の血液検査はAST(GOT)とALT(GPT)という数値で判断する

肝臓の疾患の判断にはAST(GOT)とALT(GPT)という肝臓の酵素の数値を参考にします。
これは血液検査の時に数値を出すことが出来ます。
基準範囲は、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)の共用基準範囲(2014年版)では、AST(GOT)が13〜30 U/L、ALT(GPT)が男性10〜42 U/L・女性7〜23 U/Lとされています。施設や測定法で多少異なりますので、結果表の基準値を参考にしてください。
AST・ALTの数値だけで、肝臓がんかどうかを判断することはできません。がんがあっても正常範囲のことがありますし、ウイルス性肝炎、脂肪肝、お酒、薬などでも上がります。
肝臓がんが疑われるときは、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-IIなど)の血液検査と、造影CT・MRIなどの画像検査を組み合わせて調べます。肝細胞がんの診療ガイドライン(日本肝臓学会 2021年版)でも、危険の高い人は定期的な超音波検査と腫瘍マーカーによる経過観察が示されています(日本肝臓学会 2021、Hepatol Res 2023)。
肝臓癌の特徴は?
肝臓がんは段階を経て発症する

肝臓がんはある日突然見つかるものではあまりなく、大抵は慢性肝炎→肝硬変→肝臓がんと進行していくものです。
肝臓がんの原因はウイルス、飲酒、脂肪肝など
肝臓がん(肝細胞がん)の原因として多いのはB型・C型の肝炎ウイルスの感染です。そのほか、長年の飲酒、脂肪肝(肥満や糖尿病を背景とするもの)、肝硬変なども危険因子です。
症状は進行してから出始めることが多い
肝臓は初期の症状がほとんどなく、進行してから現れることが多い臓器です。
具体的には黄疸、体重減少、腹水、むくみ、右上腹部の痛みやしこりなどです。症状が出る前に、健診のエコーや血液検査で見つけることが大切です。

肝細胞がんの症状や治療については、肝臓がん(肝細胞がん)の症状・原因・検査・治療|CT・MRI画像つきで解説しています。
よくある疑問
Q. 「要精査」と言われました。何科に行けばいいですか?
消化器内科や肝臓内科が一般的です。健診結果と、できればエコーの画像や報告書を持参すると話が早く進みます。
Q. 影が小さい・症状がなければ、様子をみてもいいですか?
自己判断で放置せず、まず精密検査を受けてください。嚢胞や血管腫などと確認できれば、その後の経過観察の間隔を医師と決められます。
Q. エコーを受ける前に、食事の制限は必要ですか?
腹部エコーは、胆のうなどを見やすくするため、検査前に絶食を求められることが多いです。詳しくは関連記事や、受診する施設の案内を確認してください。
肝臓に気になる結果や症状があれば、医療機関へご相談ください。
ほかの検査項目の見方 → 健康診断の結果の見方まとめ(A〜E判定の意味と検査項目の一覧)
参考文献(追加分)
- 日本肝臓学会 肝癌診療ガイドライン2021年版 (英語版:Hepatol Res 2023 PubMed)
- JCCLS 共用基準範囲(2014年版):AST・ALTの値
まとめ
- 肝臓に影があった場合、限局性とびまん性の肝疾患に分かれる
- 肝臓がんが段階を経て発症する
- 肝臓がんは進行してから症状が現れることが多い
- 影の種類はエコーだけで決めず、血液検査やCT・MRIで調べる
今回のお話しは肝臓についてでした。
肝臓はよく「沈黙の臓器」と言われて進行するまで症状が出ない我慢強い臓器として有名ですね。
ですから、こまめにケアして、異常を早期に発見できるようにしておきましょう。





