ALT(GPT)は、健康診断や人間ドックで肝臓病の有無を調べるときに行なわれる血液検査です。
GPTの名称は近年、ALT(アラニン・アミノトランスフェラーゼ)という名称に変更されてきています。
肝臓に障害があり、細胞が破壊されるとALT(GPT)が著しく増えるため、肝障害を調べる際にGPTのスクリーニング検査が行われます。
それでは、ALT(GPT)の正常値(基準値)は?
また、異常ならどのような病気が考えられるのでしょうか?
今回は、ALT(GPT)についてまとめました。
ALT(GPT)の正常値(基準値)と異常値は?
ALT(GPT)の正常値(基準値)
検査の結果、5~45IU/Lであれば正常値となり、肝機能は異常ナシと判断されます。
数値が低い場合もこれといって心配する事はありません。
いつもお酒を飲んでいる人は10%前後高くなります。
ALT(GPT)の異常値
検査の結果、
- 50~150IU/Lでは慢性肝炎や肝硬変が、
- 300~1000IU/Lでは急性肝炎
などがそれぞれが疑われ、いずれも異常ありと判断されます。
また、どちらの場合でも肝機能障害が懸念され、さらに詳しい検査が必要となります。
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ALT(GPT)異常のときに考えらえる病気は?
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変
- ウイルス性肝炎
- 血清肝炎
- 中毒性肝炎
- 肝臓癌
- 胆石
- 胆嚢炎
- 膵臓癌
- 乳癌
- 胃癌
- 劇症肝炎
- アルコール性肝障害
- 薬物性肝障害
- 脂肪肝
- 心筋梗塞
- 急性膵炎
- 筋ジストロフィー
- 多発性筋炎
などが考えられます。
そもそもALT(GPT)とは?どうして検査するの?
正式には、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ検査、略してGPT検査と呼ばれ、肝臓機能検査を主な目的としておこなわれるものです。
GPTはGOTと 同様、生体内でアミノ酸代謝に関与している酵素で、逸脱酵素と呼ばれ、組織になんらかの障害があると組織中のGPTが細胞外にで、血液に流れ出すために高値となります。
ALT(GPT)は肝臓と腎臓に多く含まれ、特に肝臓が障害を受けると高値となります。
また、ALT(GPT)は単独で検査することはなく、AST(GOT)と一緒に検査されるのが一般的です。
検査方法
- 血液を採取
- 遠心分離器にかけて血清と血球に分ける
- 血清部分を分析
という流れで検出されます。
ALT(GPT)の検査で注意すべき点は?
ALT(GPT)の数値は運動によって上昇しますので、検査当日や前日に激しい運動は行わないことが大切です。
また、飲酒による影響もでるため、検査前日は禁酒が必要となります。
参考書籍:検査結果なんでも早わかり事典P102・103
参考書籍:検査と数値を知る事典P121
参考書籍:きょうの健康 検査でわかることP46〜51
参考文献:今日の臨床検査 2011ー2012 P187
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最後に
ALT(GPT)が異常値である場合、肝臓への大きな負担が考えられます。
正常値に戻すには、飲酒量や喫煙量を意識的に減らし、バランスの取れた食事と適度な運動をすることが大切です。
また、ストレスや睡眠も肝機能に深く関わっていますので、趣味など好きなことに取り組める時間を見つけ、気分をリフレッシュさせる事も心掛けて下さいね。
しかし、すでに肝臓の病気を発症している場合は、これらの生活習慣の改善だけで自然治癒することは難しいですので、投薬や入院が必要となります。