お腹の中の胎児の様子が分かる腹部エコー検査。まだ見ぬ赤ちゃんの様子が分かり妊婦さんにとっては嬉しい検査ですが、赤ちゃんの発育に問題がないかなどをチェックするとても大事な検査でもあります。
この検査を心待ちにされている妊婦さんも多いと思いますが、妊娠何週目から行なわれるのでしょうか?また、それ以前に行なわれる経膣エコーとの違いは?など腹部エコーに関する疑問は多いものです。
そこで今回は、
- 妊娠したら腹部エコーはいつから?
- 腹部エコー検査のやり方は?
- 腹部エコー検査、便秘だとどうなるの?
などについて説明して行きます。
妊娠したら腹部エコーはいつから?
例を挙げると、1人目のお子さんの時は12週以降、しかし、2人目は早くて8週の時に既に腹部エコーとなった方もいますので、繰り返しますが、ご利用になる医療機関で違いが出てきます。
しかし、多くの病院では妊娠中期以降とされており、だいたい妊娠16週からとなります。
何週目から性別は分かるの?
胎児の性別が分かる時期には個人差があります。
性別が分からないからといって胎児の発育に問題があるわけではなく、胎児の姿勢や向きにより判別が困難になる場合もあるだけです。
妊娠16週頃でわかる方もいますが、一般的に判別しやすいとされる時期は妊娠24週前後です。
腹部エコーと経膣エコーの違い
腹部エコー
お腹にプローブを当ててモニターに映し出された映像 で子宮内の様子を観察していきます。
子宮内を広範囲のエコー画像で見ることができ、妊娠中期から出産直前まで検査が行われます。
非常に細かな部分までチェックでき、性別や四肢の状態はもちろん、頭部や腹部の大きさ、心臓や肺などの重要な臓器に異常がないかも確認できます。
しかし、エコー検査では染色体を確認することは不可能ですので、ダウン症に代表される染色体由来の異常を発見することは出来ませんが、妊娠20週あたりから胎児の大きさや形状などの表面的な特徴から染色体由来の病気を疑うことは可能です。
経膣エコー
妊娠初期では、妊娠5~6週頃と妊娠9~11週頃に行われることが多い検査です。
妊娠初期の段階だと赤ちゃんが小さすぎて腹部エコーでは正確な判断が不可能なため、機械を直接膣に挿入することで子宮の近くからの撮影が可能となり、 赤ちゃんの心音も確認でき、子宮外妊娠の有無もわかります。
また、子宮口のサイズもわかるので切迫早産や流産の危険性も判断できます。
機械を膣に挿入するので少し痛みを感じる場合があります。
腹部エコー検査の出産までの回数
エコー検査の回数は医療機関によって異なりますが、最低でも出産までに5回 は実施されることが決まっています。
- 妊娠初期(妊娠を確かめたい時期)の初めての診察時
- 妊娠9週目~11週目までの間に1回ずつ計2回
- 体の各臓器が完成しつつある妊娠20週目前後
- 赤ちゃんの体重の増加が著しく妊娠高血圧症候群など母体トラブルが起こりやすい妊娠28週目前後
- そして最後に完成する肺が成熟し、外の世界でも赤ちゃんが生きられるように成長しつつある妊娠34週目前後
医療機関によっては、毎検診ごと、検診2回に1回などもっと多くのエコー検査を行うところもあります。
また、母体や胎児に問題が起きている場合は、異常の有無を確認する必要があるのでもっと頻繁に検査を行う場合もあります。
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腹部エコー検査のやり方は?
検査方法は、診察台の上に仰向けになってお腹を出し、プローブをお腹の上に当てていきます。この際、滑りをよくするためのジェル(少しひんやりします)をお腹に塗りますが、器具をお腹に当てるだけなので違和感や痛みの心配はほとんどありません。
痛い場合もあるの?
腹部エコーの際は画像の鮮明度合いを高めるために少し強く押さえて診察します。
その際、お腹が張っていれば痛みが出たり、便秘ではなくてもガスが溜まっていると腸を圧迫して痛みを感じる場合もあります。
しかし、お腹の胎児は羊水や骨盤で守られていますし、脳も頭蓋骨があるので大丈夫ですので安心してください。
検査の際の服装は?
また、スカートとズボンならさっとめくれますのでスカートがおすすめです。
上の服は毎回血圧などの測定もありますので、腕をさっと出せるものが良いです。
しかし、ワンピースであっても看護士さんがタオルをかけてくれたり、何らかのサポートをしてくれる事が多いのでそれほど心配しなくても大丈夫です。
関連記事)腹部エコー検査の費用はどれくらい?目安を知っておくと安心!
腹部エコー検査、便秘だとどうなるの?
腹部エコーはお腹の中を見る検査ですので、その時のお腹の中の状態によって見え方が変わってきます。
特に便秘の方はお腹の中の状態がが見えにくいことが多く、これはお腹の中にガスが溜まっているためです。
便秘ですと腸の中の便が腐敗していき、有害なガスを発生させることになります。その影響でエコーが不鮮明になり、胎児が見えにくくなってしまったり、場合によっては全く見えないということになりかねません。
さらに、腸の中に便が溜まってしまうと、それが超音波を阻害してしまいきちんとした結果を出せなくなります。
また、尿が溜まっている状態でもエコーが見えにくくなるので、検査前にはトイレを済ませておくようにして下さい。
腹部エコーがきちんと見えないと、胎児の発育状態を知ることもできませんので、妊娠したら早めに便秘解消を心掛けましょう!
関連記事)妊娠と薬、どんな影響があるの?授乳中ではどうなの?
まとめ
- 妊婦の腹部エコー検査の多くは妊娠中期以降とされており、だいたい妊娠16週から行なわれる。
- 胎児の性別が一般的に判別しやすいとされる時期は妊娠24週前後である。
- 腹部エコーは、子宮内を広範囲のエコー画像で見ることができ、妊娠中期から出産直前まで検査が行われる。
- 経膣エコーは、妊娠5~6週頃と妊娠9~11週頃に行われることが多い検査である。
- エコー検査の回数は医療機関によって異なるが、最低でも出産までに5回 は実施されることが決まっている。
- 便秘の場合はお腹の中の状態がが見えにくいことが多くなる。
妊娠すると様々な検査が行なわれますが、腹部エコー検査はお腹の中の胎児の様子を自分の目で確かめられる将来のママにとっては特別な検査ではないでしょうか。
その腹部エコー検査を心待ちに出来るためにも、検査の始まる時期を知り、便秘の方はその解消を早めに心掛けて万全の体勢で臨んでください。