ピロリ菌の正式な名称は、ヘリコバクター・ピロリ菌(英語表記で「Helicobacter pylori bacteria」)
胃の粘膜に住みついて悪さをする菌で、60歳以上の約70%の人が持っていると言われていいます。
名前は知っていても、どんなものなのか知らない方も多いと思います。
そこで今回はそんなピロリ菌について
- 症状
- 感染経路
- ピロリ菌が原因で起こる疾患
など気になることを調べましたので、気になる症状がある場合はこれを期にぜひチェックしてみて下さい。
ピロリ菌感染の症状は?
症状が出てくるのは、ピロリ菌が原因となって何らかの病気を発症した場合であって、ピロリ菌がいるだけなら自覚症状が出ることはないからです。
何らかの病気を発症するのは、ピロリ菌に感染している約3割と言われています。
残り7割の人は、何も症状が出ない状態で、検査をしない限り感染していることにすら気づかないことがほとんどです。
- 胃もたれが続く
- 胸焼けや吐き気がする
- 下痢が続く
- なんとなく食欲がない
- おならが頻繁に出る
- 口臭が気になる
- 貧血がある
- 空腹時や食後の胃の痛み
中にはピロリ菌が原因となり、腸内バランスが崩れると、ガスが溜まりやすい状態となり頻繁におならが出ることもあります。
胃の不調が続く場合は、ピロリ菌感染者である可能性もありますが、同時に何らかの消化器疾患をともなってることもあります。
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なぜピロリ菌に感染する?感染経路は?
感染経路についてはまだはっきりとわかっているわけではありませんが、次のような可能性があると言われています。
- 口から口での感染
- 糞から口での感染
- 飲料水からの感染
現在は昔にくらべて衛生面でも改善され、ピロリ菌の感染率も減少傾向にあると言われています。
しかし、60歳以上の70%が感染しているというところから考えると、井戸水や親から子供への食べ物の口移しなどで感染している可能性もあります。
またピロリ菌は5歳以下の幼児の時期に感染すると言われています。
つまり、大人になって感染するのではなく、現在ピロリ菌感染している人は、幼児期に感染していたことになります。
自覚症状がなくても、現在小さいお子さんを持つお母さんお父さんも実は保菌者であるということも考えられますので、家庭内感染には注意したいですね。
またゴキブリやネズミがピロリ菌を運んでくる、などの報告もありますので、家の中にいる場合はできるだけ駆除したいものです。
どんな胃の病気の原因になる?
これらはピロリ菌が原因として起こる疾患とも言われ、ピロリ除菌が強く勧められる疾患でもあります。
他にもピロリ菌が関連が推測される疾患はありますが、特に問題となるのが、胃癌です。
これらからわかるようにピロリ菌の感染は胃がんのリスクであることがわかります。
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一旦除菌したらもう大丈夫?
中には、1回で除菌できないこともあり、再度除菌を要することもあります。
ただ、注意点として、ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクはあるということです。
除菌すれば胃がんにならない、安心だというわけではないということです。
なぜならば、ピロリ菌に感染することによりCAG-A遺伝子という遺伝子に変異が起こりこれによりがん化することがあるからです。
ですので、ピロリ菌を除菌したあとも、定期的な胃内視鏡によるフォローが重要です。
(参考書籍:これでわかる ピロリ除菌療法と保険適用・病気がみえるVol.1消化器 第5版・新 病態生理できった内科学8消化器疾患)
最後に
- 症状が出てくるのは、ピロリ菌が原因となって何らかの病気を発症した場合
- 胃の不調・胸焼け・吐き気・おならが頻繁に出るなど、慢性的な胃の不調はピロリ菌が原因で起こる消化器疾患の可能性も
- 幼少期(5歳まで)に飲み水や使い箸から感染している可能性
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなど様々な消化器疾患の原因となる
- ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクはある
胃の病気を引き起こすのはピロリ菌がすべての原因ではありませんが、引き起こす要因になっていることは研究によってあきらかになっています。
- 胃の不調が長く続いている
- バリウム検査で胃炎が見つかった
- 親がピロリ菌に感染していた
- 親が胃がんだった
などがあれば、一度検査をおすすめします。