胃底腺ポリープはバリウム検査でわかる?多発の画像と治療の必要性【過形成性ポリープとの違い】

人間ドックや健康診断で受けた胃のバリウム検査や胃カメラでポリープが見つかることはよくあります。

  • 「胃底腺(いていせん)ポリープがたくさんあると言われた。」
  • 「穹窿部(きゅうりゅうぶ)にポリープが多発していると言われた。」
  • 「胃体上部、胃体下部にたくさんのポリープがあると言われた」
  • 「バリウムで多発胃ポリープを指摘された。」
  • 「経過観察でいいと言われけど・・・」
  • 「経過観察も必要ないと言われたけど・・・」

もしかしたら放置しておいたらがんになる(癌化する)のではないか?

そんな心配をしておられる方もおられるでしょう。

今回は、胃のポリープについて

  • 画像
  • 種類
  • 治療の必要性

などをまとめました。

胃底腺ポリープって、バリウム検査でわかるんですか?

バリウム検査でも、胃の上のほうに小さな丸い出っ張りとして見つかることがよくあります。ただ、バリウムだけでは種類までは決めきれないので、指摘されたら胃カメラで確認するのが一般的ですね。
この記事のポイント

  • 胃底腺ポリープは、バリウム検査で小さな丸い隆起(多発することが多い)として見つかることがある
  • ポリープの種類の区別や小さな病変の確認には胃カメラが必要
  • 胃底腺ポリープはピロリ菌のいないきれいな胃にでき、がん化はほとんどなく通常は治療不要
  • ピロリ菌感染のある胃にできる過形成性ポリープは、大きさによって経過観察や切除を考える

バリウム検査でポリープが多発の画像!

まずは、実際のバリウム検査の画像を見てみましょう。

胃体部を中心に、多数のポリープを認めています。

stomach polyps2011年放射線科診断専門医試験問題46より引用。

このようにポコポコ多数の突出物を認めます。これがポリープです。
こんなにたくさんポリープがあったら心配じゃないですか?
このポリープから癌になることもあるのでは?
多くの場合、心配はいりません。

胃のポリープには2種類ある!

胃底腺ポリープと過形成性ポリープの違い(場所・大きさ・ピロリ菌・がん化・対応)

実は、胃のポリープには大きく2種類あります。
  • 胃底腺ポリープ
  • 胃過形成性ポリープ

 

の2種類です。

胃底腺ポリープとは?

anatomy-stomach

このうち胃底腺ポリープ(FGP:fundic gland polyp)は、上のイラストの胃の体部から穹窿部のいわゆる胃底腺領域と呼ばれるところに見られる立ち上がりの明瞭な5mm前後のポリープです。

胃底腺ポリープは、胃底腺の過形成(過誤腫とも考えられている)といわれています。

背景の胃の粘膜は綺麗であり、萎縮性変化や腸上皮化生を認めず、ピロリ菌感染もありません。

がん化することはまれで、通常は内視鏡などで生検して精査したり、フォローしたりする必要はないといわれています。ただし、家族性大腸腺腫症では胃底腺ポリープが多発し、まれに異形成を伴うため、若年で多発している場合や家族歴がある場合は主治医に相談してください。

この胃底腺ポリープは、女性に多く見られます。

症例 30歳代女性 健診 胃底腺ポリープ
胃X線造影検査

健診の胃X線造影検査(胃バリウム検査)で、胃底部から胃体部を中心に多数の胃底腺ポリープを指摘されました。

上部消化管内視鏡検査

内視鏡検査においても同様の所見を認めました。

典型的な胃底腺ポリープの所見であり、治療はされませんでした。

単発よりも、上のように多発していることが多く、症状はないことがほとんどです。

胃過形成性ポリープとは?

一方で、胃過形成性ポリープは、背景の胃の粘膜に、ピロリ菌感染があり、萎縮性胃炎があります。
ピロリ菌感染に伴う腺窩上皮の過形成です。

こちらはサイズが大きくなり、大きくなると、まれにがん化することがあります。

 

原則経過観察を必要とし、大きいものや形が気になるものは、医師が切除を検討します。

また、背景にあるピロリ菌を除菌する治療を行います。

つまり

  • ピロリ菌感染を示唆する萎縮性胃炎がある胃でのポリープなのか
  • ピロリ菌感染がない綺麗な粘膜の持つ胃でのポリープなのか

で方針が大きく変わるということです。

胃底腺ポリープと過形成性ポリープの違いは?

fundic-gland-polyp

臨床画像Vol29,No.2,2013 P155図13を引用改変

胃底腺ポリープと過形成性ポリープの違いはイラストのように、

  • 胃底腺ポリープ:胃底腺の過形成
  • 過形成性ポリープ:表層である、胃腺窩上皮の過形成

です。

 

胃底腺ポリープと過形成性ポリープの比較表

胃ポリープ全体の種類やがん化のリスクについては、胃ポリープとは?種類別の原因・癌化のリスク・治療と経過観察をイラストで解説で解説しています。

大事なのはピロリ菌感染の有無

がん化する胃過形成性ポリープは、ピロリ菌感染があり、結果萎縮性胃炎を起こし、そこに生じます。

ですので、ピロリ菌感染の有無を見極めることが、この両者のポリープを区別する上で重要となります。

ピロリ菌感染の有無は、複数の検査で調べることができます。

バリウム検査の画像からピロリ菌感染の有無はわかる?

バリウム検査の画像からピロリ菌感染してるかどうかってわかりますか?
バリウム検査の画像からも、ピロリ菌感染の有無を予測することもある程度できます。

ピロリ菌に感染していないバリウム検査の画像は、上にあげた画像のように、簡単にいうと

  • 胃の壁が細く、なめらかで直線的であること
  • 均一に造影剤が付着していること

 

という特徴があります。

より詳しくは、次のようになります。

hp-infection-ba

臨床画像Vol29,No.2,2013 P155より引用。

また胃がんのABC検診の中で、ピロリ菌感染がない胃と考えられるものはA群の頻度が多いので、A群であることもピロリ菌感染がないことを示唆する一つの指標になると言われています。

健診でバリウム検査を受ける準備をする女性のイラスト

ピロリ菌の検査方法や費用については、ピロリ菌検査の費用は?保険適用・検査方法・自宅キットの注意点を解説で解説しています。

最後に

ポリープがたくさんあると言われるとびっくりするかもしれませんが、ピロリ菌感染がない胃底腺ポリープでは、精査やフォローの必要さえないといわれています。

またこれらのポリープの場合、あってもわざわざポリープありと書かないこともあります。

腎臓や肝臓などにできる嚢胞などと同じように、基本的にフォローの必要もないものなのです。

バリウム検査でわかる病気や流れについては、胃バリウム検査とは?わかる病気・検査の流れ・検査後の注意点をやさしく解説で解説しています。