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「尿沈渣の結果を見てもよくわからない。」

基準値やHPFという単位とは?」

「異常があった場合はどんな病気が考えられるの?」

という方は多いと思います。

そんな方のために、今回は尿沈渣について徹底的にまとめてみましたよ。

尿沈渣とは、主に腎臓や膀胱に異常がないかどうかをみる検査の一つで、試験紙法とも呼ばれるいわゆる尿検査の結果が陽性だった場合などに受ける必要があります。

試験紙法は採尿した尿を試験紙にそのままつけるだけの簡易なものです。

それに対し、尿沈渣は尿を遠心分離器にかけ、沈殿してくる赤血球や白血球、細胞、結晶成分などの固形成分の数や増加を顕微鏡で医師が見ます。

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主に泌尿器にみられる異常の診断、またその病状の経過観察を行なうための検査になります。

今回は、

  • 尿沈渣の基準値・HPFなどの単位について
  • 異常の時に考えられる病気
  • 尿沈渣検査で注意したい点

これらについてまとめてみました。

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尿沈渣の基準値は?HPFって何?

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尿沈渣の結果を見ても、何が何だかわからないという方は多いと思います。

また、その単位についてもチンプンカンプンですよね。

それぞれについてまとめてみました。

では、基準値からみていきましょう。

尿沈渣の基準値

尿沈渣の基準値(正常値)は以下になります。

尿沈渣成分 基準値(正常範囲)
赤血球 1-4個未満/HPF
白血球 1-4個未満/HPF
上皮細胞
  • 1個未満(男性)
  • 1-4個未満(女性)

(扁平上皮細胞を除く)

異型細胞 1個未満
円柱 1個未満

(硝子円柱を除く)

結晶
  • 通常結晶:1+以下
  • 異常結晶:−
細菌
  • ±
真菌
  • ±
原虫
寄生虫

扁平上皮と硝子円柱は健常な人にも少数認められることが多いため、これらが出ても少数であれば問題はありません。

では異常値はどうなのでしょうか。

以下にまとめてみました。

尿沈渣の異常値は?

尿沈渣の異常な場合の値を教えてください。

尿沈渣の異常値について、表にまとめてみました。

以下の場合に、陽性となります。

尿沈渣成分 陽性基準
赤血球 5 個以上/HPF
白血球
  • 1個以上/HPF(男性)
  • 5個以上/HPF(女性)
上皮細胞
  • 1個以上/HPF(男性)
  • 5個以上/HPF(女性)
異型細胞 1個以上/WF
円柱 1個以上/WF
結晶
  • 通常結晶:2+以上
  • 異常結晶:1個以上/WF
細菌・真菌 1+以上
原虫 1+以上
寄生虫 1+以上

例えば、白血球の場合、女性であれば、検査結果が「1-4であれば正常値であると判断します。

女性の場合は特に、尿道口付近の雑菌や付着物(おりものや血液)が混入しやすいため、赤血球・白血球・細菌・上皮細胞では陽性が出やすくなっています。

ですので、女性の場合は、陽性と診断されても異常がない場合もよくあります。

また、粘液糸が+という結果が出たという場合もあると思いますが、粘液糸とは細長い糸状のもので、病的意義はほとんどありません。

では、次で尿沈渣の単位について見て見ましょう。

尿沈渣の単位について

尿沈渣の単位には

  • HPF
  • WF
  • LPF

これら3つがあります。

それぞれについて説明しますね。

HPFとは?

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HPF(Hi power field)というのは、顕微鏡を400倍にした視野のことです。

赤血球や白血球・真菌・細菌・原虫・結晶などを見る時に使われる単位です。

5-9個/HPFという結果であれば、顕微鏡の400倍視野で見た時に見える細胞や細菌の数が5個から9個であるということになります。

WFとは?

WF(Whole field)というのは、全体での個数です。

LPFとは?

LPF(Low power field)というのは、顕微鏡を100倍にした視野のことです。

円柱の数を見る際に使われる単位です。

では、尿沈渣で異常の時に考えられる疾患について見ていきましょう。

尿沈渣で異常のとき考えらえる疾患は?

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異常値が出た場合、尿沈渣の項目によって考えられる疾患が違ってきます。

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ではそれぞれの項目について見ていきましょう。

赤血球が多い場合

尿沈渣で赤血球が多い場合に考えられる病気は

  • 腎・尿路結石
  • 尿道炎
  • 膀胱炎
  • 前立腺炎
  • 前立腺肥大症
  • 腎炎
  • 腎盂腎炎

などです。

尿沈渣での赤血球について、詳しくはこちらをどうぞ→尿沈渣で赤血球が多い!考えられる病気は?

白血球が多い場合

尿沈渣で白血球が多い場合に考えられる病気は

  • 尿道炎
  • 膀胱炎
  • 前立腺炎
  • 前立腺肥大症
  • 精嚢炎
  • 腎・尿路結石
  • 膀胱腫瘍
  • 腎盂腎炎
  • 水腎症
  • 糸球体腎炎
  • ネフローゼ症候群

などです。

尿沈渣での白血球について、詳しくはこちらをどうぞ→尿沈渣で白血球が多い!基準値や考えられる病気は?

上皮細胞がみられる場合

上皮細胞には以下のように7種類あります。

  • 扁平上皮細胞
  • 尿細管上皮細胞
  • 移行上皮細胞
  • 円柱上皮細胞
  • 封入体細胞
  • 卵円形脂肪体
  • 異型細胞

この細胞によってそれぞれ考えられる疾患が違ってきます。

これらの細胞でわかる疾患については

  • 尿道炎
  • 尿路結石
  • 腎盂腎炎
  • 糸球体腎炎
  • 前立腺炎
  • 前立腺肥大症
  • ネフローゼ症候群
  • 悪性リンパ腫
  • 腫瘍
  • 白血病

などです。

尿沈渣での上皮細胞で考えられる疾患について、詳しくはこちらをどうぞ→尿沈渣の上皮細胞の基準値は?異常の場合考えられる病気は?

円柱がみられる場合

円柱にも種類があります。

  • 硝子円柱
  • 上皮円柱
  • 顆粒円柱
  • 蝋様円柱
  • 脂肪円柱
  • 赤血球円柱
  • 白血球円柱

円柱の場合もこの円柱の種類によって疾患が分かります。

これらの円柱でわかる疾患は

などです。

円柱が出た場合に考えられる疾患について、詳しくはこちら→尿沈渣で円柱の正常値ってどれくらい?どんな病気がわかる?

結晶がみられる場合

結晶にも様々な種類があり、それによって考えられる疾患があります。

結晶が見られる場合に考えられる疾患は以下になります。

  • 尿路結石
  • 肝・胆道系疾患
  • ネフローゼ症候群
  • 腹腔内腫瘍
  • 動脈瘤
  • 腹部リンパ管の拡張(フィラリアなど)

ただし、結晶には通常結晶と病的結晶があります。

通常結晶の場合はシュウ酸を含む食べ物(トマト・ニンニク・みかん・アスパラガス・ホウレンソウなど)の摂取後に現れることが多いため、疾患の可能性は低くなります。

異常結晶の場合でも服用した薬物によって出る場合もあります。

細菌がみられる場合

尿沈渣で細菌が陽性になる場合に考えられる疾患は特に尿路感染症が最も多いです。

細菌が多い場合は以下の病気が考えられます。

  • 膀胱炎
  • 腎盂腎炎
  • 前立腺炎
  • 腎結核
  • 淋病
  • クラミジア

などです。

細菌が出た場合に考えられる疾患について詳しくはこちら→尿沈渣で細菌が・・・基準値や原因まとめ!考えられる疾患は?

真菌・原虫・寄生虫がみられる場合

真菌や原虫、寄生虫については以下になります。

真菌 カンジダ
原虫 膣トリコモナス
寄生虫
  • ミラシジウム
  • ダニ
  • 蟯虫卵

寄生虫のミラシジウムについてはアフリカや中近東に分布しており、その地域に滞在したなどでなければ寄生しないでしょう。

ダニについては偶発的な寄生か検査時の混入が考えられます。

蟯虫卵に関しては、小児(特に女児)の場合に混入することがあります。

尿沈渣検査で注意すべき点は?

尿の検査は、薬や前日に食べたものや飲み物で結果が変わったり疲れていたりすると影響することがあります。

尿沈渣検査でも同様に注意点があります。

注意点は以下です。

  • 他の病気などで薬を使用している時は、あらかじめ薬剤名を医師に伝えておく
  • 検査前日から当日は、ビタミンが入った飲み物やシュウ酸が多い食べ物は避ける
  • 出始めの尿は、尿道口付近の雑菌やオリモノなどが混入しやすいため、中間尿を採る

正確な検査結果を出すために、以上の点について気をつけておきましょう。

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関連記事

参考書籍

  • 尿沈渣ガイドブック 東海大学出版会 p.118-119 p.130-169
  • 最新 尿検査 その知識と病態の考え方 第2版 p.80-81

最後に

今回のお話をまとめます。

  • 尿沈渣は尿タンパクが陽性のときは必ず検査を受ける必要がある
  • 尿沈渣は腎臓や膀胱に異常がないかどうかをみる検査の一つ
  • 尿沈渣の異常値は沈殿物の中に多量の赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌、異常結晶などが発見された場合
  • 異常の時に考えられる病気は結石や尿路感染症・腎盂腎炎・糸球体腎炎・腎結核・膀胱腫瘍・白血病など
  • 尿沈渣は薬でも影響があるため、薬剤を使用している場合は医師に伝えましょう
  • 尿沈渣前はビタミンの多い飲み物やシュウ酸が多い食べ物は避けましょう
  • 採尿時は中間尿と採る

赤血球や白血球は使用している薬剤や体調の変化などにより一時的に多くなることがあるので、正確な診断のためには必ず再検査を行なう必要があります。

その結果、再び異常値となり、感染症が疑われれば、細菌培養検査で原因となっている菌を調べることになります。

また、その他の異常値の場合は、主に腎臓内科泌尿器科で尿中成分の定量検査、血液検査、超音波検査、腎生検、X線CT検査、腎盂造影などの詳しい検査をします。

尿沈渣により、大小不同な赤血球と共に円柱と呼ばれる円柱型のものが見えたり、その他、白血球、塩類、上皮細胞、細菌などが観察されます。

この様に、尿沈渣は健康情報の宝庫であり、腎臓病の診断や治療効果をチェックするのにも優れた大切な検査となります。

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