芸能人や有名人が急性膵炎(きゅうせいすいえん)になったらしいよ!という話がされることもありますよね。

「あ、あの有名人、すごくお酒飲みみたいだったからなあ」

という会話もよくされると思います。その後禁酒にまで追い込まれることも有名です。

ところが、急性膵炎の原因はアルコールだけではありません。特に女性の場合は、むしろアルコールは少ないのです。

また、急性膵炎はなぜ怖いのか?については、それほど知られていません。

そこで今回は、急性膵炎について、その原因や症状、治療、なぜ急性膵炎が怖いのかについてまとめました。

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急性膵炎とは?

お腹の臓器の一つである膵臓(すいぞう)の急性の炎症のことです。

周りにはたくさんの臓器(十二指腸や胃、横行結腸、肝臓、胆嚢など)があるため、膵炎が影響を及ぼすことがあります。

pancreas

急性膵炎の原因は?

急性膵炎の原因は何ですか?
医師
実は原因は男女により異なります。

男性の場合、アルコールが最多ですが、女性の場合は特発性(原因不明)、胆石によることが多いです。

他には、以下のものが挙げられます。

  • ERCP後
  • 術後(肝臓、胆嚢、膵臓、胆嚢、胃、輸入脚閉塞)
  • 薬剤性
  • 高脂血症
  • HIV感染、HIVの治療薬
  • 感染症
  • 膠原病
  • 内分泌疾患
  • 透析 など。

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急性膵炎になりやすい人は?

男女比が1.9:1と約2倍男性に多いのが特徴です。

また男性では50歳代女性では70歳代にそれぞれピークがあります。

当然男性の場合、アルコール摂取量が多い人がリスクということになりますし、女性の場合は胆石がある人の方が起こりやすいと言えます。

ただし、若い人でも起こる病気ですので注意が必要です。アルコール摂取の場合、1日あたり60gの摂取でリスクが高いとされ、胆嚢結石がある人はない人と比べてリスクは12-35倍高いというデータもあります。

急性膵炎の症状は?

急性膵炎の症状は以下の通りです。

  • 突然の腹痛、背部痛
  • 食欲不振
  • 発熱
  • 嘔気・嘔吐

このように膵炎に特徴的な症状というのはありませんが、背部痛の場合、膵炎の可能性を考えなければなりません。

また、皮膚に着色斑が見られることがあり、Grey-Turner徴候と言われますが、その出現頻度は3%程度と稀とされます。また膵炎以外の場合もこの着色斑が見られることがありますので、注意が必要です。

関連記事)急性膵炎の症状は?原因は?

急性膵炎の検査は?

採血検査・尿検査

まずは、採血検査や尿検査で膵臓の酵素である膵酵素(アミラーゼ)が上昇していないかを確認します。

上昇していれば膵炎の可能性が高いと診断されますが、この値が高いほど重症というわけではありません。重症度とは相関しないとされています。

他には、炎症反応であるCRPは重症度と相関すると言われますが、症状が起こって48時間以内の場合は重症度を反映しないこともあるので注意が必要です。

その他急性膵炎で見られることがある異常を示す項目は以下の通りです。

  • エラスターゼ上昇
  • WBC↑、CRP↑、Plt↓
  • 血清Ca↓(重症のサイン)
  • 高血糖(インスリン↓のため)
  • 血清K↑、BUN↑、Cr↑(腎障害)
  • Ht↑(血液濃縮)
  • 重症例ではLDH↑

画像検査

造影CTによる検査が重要です。

造影CTで

  • 膵臓周囲の炎症所見の有無
  • 膵臓自体の腫大の有無
  • 膵臓の壊死の有無
  • 周囲への炎症の波及の有無

などを確認することができます。

医師
症状に加えて、これらの検査結果により膵炎と診断します。

pancreatitis CT

 

急性膵炎の治療は?

急性膵炎はどのように治療されますか?
医師
まずは重症度を分類することから始めます。

急性膵炎は、9つの項目からなる予後因子とCTでの画像の結果を踏まえて、

  • 軽症・中等症の急性膵炎
  • 重症の急性膵炎

に分けられます。

軽症・中等症の急性膵炎の治療

  • 絶食
  • 点滴
  • タンパク分解酵素阻害薬
  • 抗生物質の点滴

などを行います。

重症の急性膵炎の治療

厳密な循環呼吸管理と多臓器不全や感染症に対処するために、集中治療が必要となります。

上記の治療に加えて、

  • タンパク分解酵素阻害薬・抗生物質持続動注療法
  • 血液浄化療法
  • 場合によっては、開腹手術

が必要なことがあります。

持続動注療法というのは、カテーテルを用いて、膵臓を栄養する動脈から直接薬を流し込むというものです。

関連記事)急性膵炎の治療は?食事で気をつけることは?

急性膵炎はなぜ怖い?

重症の時に、大変そうな治療をするのはわかりましたが、なぜ急性膵炎は怖いのですか?
医師
様々な合併症や感染症が起こり命に関わるからです。

急性膵炎は、膵臓の炎症ですが、単に膵臓にとどまらず、様々な合併症を起こすので非常に怖い病気です。起こってから時期により様々な合併症が起こります。

早期の合併症(2週間以内)

  • 炎症物質による多臓器不全(肺、腎臓、肝臓、消化管、心臓)
  • 膵臓の感染
  • 膵臓以外への感染(肺炎、カテーテル感染、尿路の感染、血液の感染)

後期の合併症(2週間以降)

  • 感染による膵臓の壊死(腐ってしまうこと)
  • 膵臓や膵臓周囲への膿瘍の形成(ができてしまう)
  • 仮性嚢胞、感染性嚢胞の形成
  • 膵液漏(膵臓の消化酵素が漏れ出て、周囲の臓器を溶かす
  • 仮性動脈瘤(膵液漏により動脈瘤ができ、破裂すると即命に関わる

このように、単なる膵臓にとどまらず、全身に及び命に関わることがあり、非常に恐ろしい病気であることがわかります。

ですので、早急に診断して、重症度による治療を開始する必要があります。

医師
どんな病気でもそうですが、特に急性膵炎では早期診断・早期治療が非常に重要です。

関連記事)慢性膵炎の治療は?

まとめ

急性膵炎が単なる膵臓の炎症にとどまらない恐ろしい病気であることがお分かりいただけたと思います。

また、アルコールだけが原因ではなく、特に女性は原因不明の急性膵炎もしばしばあります。

急性膵炎に特徴的な症状はありませんが、激烈な背部痛の場合、急性膵炎の可能性があります。おかしいと思えば、病院に行くようにしましょう。

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