男性の方で、「トイレへ行く回数が多くなった」、「排尿後すっきりしない」などの症状を感じている場合、前立腺が大きくなっているのかもしれません。

そういった方は前立腺の検査を受けるのがベストですが、前立腺の正常値はどれくらいなのでしょうか?また、何科に行けばよいのでしょうか?

そこで今回は、

  • 腹部エコーで前立腺の大きさの検査、正常値は?
  • 腹部エコーで前立腺肥大の検査
  • 腹部エコーで前立腺がん検査

などについて説明して行きます。

医師
これを読めば前立腺についての疑問が解消出来ます!

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腹部エコーで前立腺の大きさを検査!正常値は?

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腹部エコーで前立腺の大きさを検査するのですが、正常値はどれくらいですか?
医師
正常値は以下の通りです。

前立腺の大きさの正常値

  • 50 歳以下で25ml 以下
  • 60 歳以上で30ml 以下

上記の値から前立腺肥大症の進行度を予測します。

また、正常な前立腺の大きさはクルミぐらいとされますが、肥大していくと鶏卵ぐらいの大きさになると言われています。

前立腺は尿道を取り囲んでいる内腺とその周囲の外線から構成されており、肥大するのは内線部分からとなります。

年齢が増すと共に前立腺が肥大し、50 歳代で約40~50%、80 歳以上では80%以上に方に症状を認めます。

この肥大した前立腺が尿道を圧迫することで、尿道か正常に弛緩しなくなり相対的に狭くなるために排尿障害が現れます。

何科に行けばいいの?

何科に行けばいいのでしょうか?
医師
前立腺の専門的診察は泌尿器科で行なわれます。

泌尿器科は、尿の産生から排泄までに関する身体のしくみや、泌尿器の疾患や異常を扱いますので、何らかの排尿障害に関して最適な診療科です。

それに加えて、男性生殖器も診療範囲となり、生殖器のひとつであり、排尿障害の原因ともなる前立腺に関しては、特に精通しています。

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腹部エコーで前立腺肥大の検査

病院

 

先に説明したように前立腺の専門的診察は泌尿器科で行なわれますが、その際に行う検査項目は以下の通りです。

検査項目

  • 自覚症状の評価
  • 直腸内指診
  • 尿検査
  • 尿流測定
  • 残尿測定
  • 血清PSA(前立腺特異抗原)測定
  • 腹部エコー検査
医師
今回は、この中の腹部エコー検査について詳しく説明して行きます。

腹部エコーで前立腺肥大を検査

腹部エコー検査は、前立腺を描出し、その大きさを計測します。

前立腺の大きさを調べる検査には、エコーを発信する装置を下腹部から当てる方法肛門から挿入する方法で行われます。

直腸内指診では正確な前立腺サイズの測定は不可能ですが、エコー検査を行なうことで正確に前立腺サイズを評価することが可能となります。

検査ではその他に膀胱を観察して、膀胱がんや膀胱憩室などをチェックします。また前立腺肥大が進行すると残尿が出現しますので残尿測定が行なわれる場合もあります。

腹部エコー検査の際は尿が溜まった状態の方が、膀胱や前立腺などの形や大きさが見やすくなるため検査前に排尿しないようにして下さい。

前立腺肥大症の検査として、前立腺の形状と大きさを測定することは、治療の進め方を決めるうえでも重要となります。

医師
それでは、主な検査法となる腹部エコー検査と直腸内指診を以下に説明します。
腹部エコー検査

この検査では、超音波診断装置を使って「前立腺」の大きさを計測します。

前立腺の計測は下腹部の恥骨付近から行い、前立腺が大きくなっていると前立腺肥大症が疑われ、進行具合を判断することができます。

この検査において痛みは全くなく、数分以内に検査は終わります。

直腸内指診

この検査は、肛門から指を挿入し、前立腺の大きさや硬さなどの状態を確認します。

前立腺は直腸からすぐに触知できる位置にあるので指の感覚でその状態を調べることが可能です。

前立腺に炎症があると強い痛みがあり、また前立腺がんがあると硬い腫瘤を触れることがありますので、前立腺肥大症以外の疾患をチェックするのに重要な検査です。

指を挿入する際には、滑りをよくするためにジェルを塗るので痛みを感じることは少ないです。

関連記事)腹部エコー前は絶食なの?検査する部位で違いがあるの?

そもそも前立腺肥大症とは?

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そもそも前立腺肥大症とはどのような病気ですか?
医師
それでは、以下に説明して行きます。

男性にしかない生殖器の一つである前立腺は、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役目を担っています。

男性は50代ころから排尿に問題が出てくる人が増え始めますが、その原因は前立腺による尿道の圧迫によるものです。

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、その中央を尿道が通っており、年齢の増加と共に前立腺が肥大し尿道が圧迫されると当然圧力を受けて何らかの症状が誰でも出てきます。

主な症状としては、排尿回数が増えることや尿の出が悪くなったり、勢いよく排尿が出来なくなるなどです。

前立腺が肥大する主な原因は加齢と言われています。

繰り返しますが、前立腺肥大症の発症率は、年齢と共に高くなる傾向にあり50 歳代で約40~50%80 歳以上では80%以上の方が前立腺肥大になっています。

日常生活に支障がなければ特に問題はありませんが、全体の4分の1程度の方が治療を必要とします。

前立腺肥大のその他の原因として、肥満や高血圧、高血糖および脂質異常症と前立腺肥大症の関係が指摘されており、メタボリック症候群などの成人病が大きく影響していることも分かっています。

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腹部エコーで前立腺がん検査は可能なの?

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腹部エコーで前立腺がん検査は可能なのでしょうか?
医師
前立腺がんを調べる場合、腹部エコー検査に加えて経腸エコー検査も行なわれる場合があります。

検査方法として、通常は外からブローブと呼ばれるエコー発生装置をあて前立腺の大きさや形などに加え、腎臓や胆嚢に結石ができていないかどうかといった点も観察します。

しかし、前立腺は腹部の表面からやや見えにくい位置にあり、明瞭な画像を得る事が難しいため、より一層正確な状況を知るためにはより近くからエコーを当てられる経腸エコー検査がが望ましいとされています。

この検査は、細いプロープを肛門から挿入し、直腸にエコーをあてることで前立腺の画像を得る検査です。

エコー検査では、おもに前立腺の大きさと形を確認しますが、がんの場合は、前立腺は大きくなる上、形がゆがんで左右非対称になります。

またがん細胞はエコーを反射しにくい性質があるため、がんが発生している部分は他よりも暗く映ることから前立腺がんの可能性が判断できます。

しかし、エコー検査のみでは前立腺がんの診断をつけることは困難ですので、PSA検査(血液検査)を組み合わせることが一般的です。

但しエコー検査は、針生検(エコーで中の様子を確認しながら、会陰部から針を刺し、前立腺の組織の一部を採取する検査)を目的として行われることもあり、それを顕微鏡で観察することで、がんの有無を確定することが可能となります。

関連記事)腹部エコー検査の費用はどれくらい?目安を知っておくと安心!

そもそも前立腺がんとは?

Cancer

 

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に増殖を繰り返す疾患ですが、正常細胞が何故がん化するのかは現在のところ十分に解明されていません。

前立腺がんは近くのリンパ節や骨に転移することが多く、また肺や肝臓などに転移することもあります。

前立腺がんと前立腺肥大症では初期の症状が全く同じですが、前立腺がんが尿道から離れた外腺という部位に発生するのに対し、前立腺肥大症は尿道周辺の内腺に発生する点が大きな違いになります。

より尿道に近い前立腺肥大症のほうが、比較的早くから排尿障害を生じることが一般的です。

前立腺がんは、検診などで実施されるPSA検査という血液検査で簡単に発見できるようになりましたし、早期に発見して適切に治療することで完治が可能な病気ですので、50歳以上になったら、定期的にPSA検査を受けられることをおすすめします。

関連記事)腫瘍マーカーのPSAが高い!前立腺がん?

まとめ

医師
今回のポイントのまとめ!
  • 前立腺の大きさの正常値は、50 歳以下で25ml 以下、60 歳以上で30ml 以下である。
  • 前立腺の専門的診察は泌尿器科で行なわれる。
  • 腹部エコー検査を行なうことで正確に前立腺サイズを評価することが可能となる。
  • 前立腺の大きさを調べる検査には腹部エコー検査と直腸内指診がある。
  • 前立腺が肥大するのは加齢が主な原因されている。
  • 前立腺がんを調べる場合、腹部エコー検査に加えて経腸エコー検査も行なわれる場合がある。

 

前立腺がんと前立腺肥大症の大きな違いは、肥大症は悪性腫瘍ではないということで、いくら大きくなってもそれが他の部位に転移するようなことはありません。

つまり前立腺肥大症は、命に関わる病気ではないですし、肥大症が途中からがんに変化することはありません。

しかし前立腺がんは悪性腫瘍ですから、放置していると転移して命に関る危険性があります。

前立腺肥大症の治療で手術を受けた際に、偶然に早期の前立腺がんが見つかるケースはよくありますが、全ての肥大症に治療が必要になるわけではありませんので、やはり前立腺がんの早期発見のために、定期的に検診を受けることをおすすめします。

 

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