
バリウム検査の当日の朝は、「水は飲んでよいのか」「いつもの薬は飲むのか」「たばこやガムは」と、迷うことが多い。案内の紙を読んでも、施設によって書き方が違うため、余計に不安になる人もいる。
結論からいうと、当日の朝は食事をとらないのが共通で、水・薬・たばこ・ガムの扱いは施設ごとに違うため、受診票に同封された案内の指示を優先する、というのが基本である。国立がん研究センターのリーフレットも、検査当日は朝食が食べられないこと、常用薬やアレルギーがある場合は相談することを案内している。
この記事では、確認できた自治体の案内をもとに、水・薬・歯みがき・たばこ・ガムの考え方と、迷ったときの動き方を整理する。
- 検査当日の朝食は食べない。前日の夕食の時間も、案内で決まっている。
- 水は、検査の2〜3時間前まで少量なら可とする案内がある一方、一切とらないとする案内もある。
- 血圧・心臓の薬は水で飲むよう案内する例があり、糖尿病の薬は飲まないよう案内する例がある。
- たばこは当日の起床時から、ガムは検査終了まで控えるよう案内する例がある。
当日の朝は何がだめなのか
バリウム検査(胃部X線検査)は、前日の夕食から決められた時間は、食事をとらないよう指示される。当日の朝食も食べられない。
案内の例を見ると、西東京市は「原則12時間の絶食」とし、12時間以上の絶食が難しいときは、検査の8時間前までに消化のよいものを食べることを認めている。恵那市は、「夜9時以降は検査終了まで食事(朝食を含む)や飲酒はしない」としている。文京区は、前日の夕食は検診医の指示に従うよう案内している。
このように、時間の決め方は自治体や施設で異なる。自分の案内に書かれた時間を守ることが、検査を中止にしないための近道である。

水・薬・たばこ・ガムの扱い

上の表は、確認できた案内を項目ごとにまとめたものである。同じ項目でも、施設によって答えが違うことがわかる。
水を飲んでよいか
恵那市の案内では、夜間に水を飲んでもよく、起床後から検査の2時間前までは、200ml以内の水を飲んでよいとされている。水以外(お茶やスポーツドリンクなど)は避けるよう書かれている。
西東京市の案内は、当日は何も食べたり飲んだりしないことを原則にしつつ、水分を控えることで健康に支障が出るおそれがある場合は、検査の3時間前まで、コップ1〜2杯の水を飲んでよいとしている。
つまり、「水は飲んでよい」という案内もあれば、「原則飲まない」という案内もある。腎臓病などで水分制限を受けている人は、国立がん研究センターのリーフレットでも、検査前に医療スタッフへ相談するよう案内されている。胃カメラ当日の水については胃カメラ当日の朝に水は飲める?コーヒー・お茶・薬の注意点を解説で解説しているが、バリウム検査とは別の検査なので、案内を取り違えないようにしてほしい。
当日の朝の薬
薬の扱いは、薬の種類によって変わる。
- 糖尿病の薬・インスリン:恵那市は「検査受診前は薬の内服やインスリン注射はしないでください」(低血糖のおそれ)、西東京市は「糖尿病の薬は飲まないでください」と案内している
- 心臓病・高血圧の薬:恵那市は、検査開始の3時間前までに、200ml以内の水で内服するよう案内している。西東京市も、心臓・血圧の薬は検査開始3時間前までに飲むよう案内している
- その他の薬:恵那市は、かかりつけ医に相談するよう案内している
複数の薬を飲んでいて、薬の名前がわからない場合は、主治医に相談するよう西東京市が案内している。当日の薬と人間ドックの関係は、人間ドック当日の薬は飲んでいい?朝の服用の基本と、注意が必要な薬の種類でも解説している。
薬の量や飲み方は、自分で決めずに、処方した医師の指示に従ってほしい。
たばこ・ガム・歯みがき
たばこについては、文京区が「検診日の起床時から吸わないでください」と案内している。恵那市は「検査終了後まではガムやたばこも控えてください」とし、西東京市は朝食、薬、牛乳、コーヒー、たばこなどを口にしないよう案内している。
歯みがきについては、今回確認できた案内に、はっきりした記載が見つからなかった。のみ込まないよう気をつけて行うなど、一般的な注意は考えられるが、根拠となる原本を確認できなかったため、ここでは扱わない。気になる人は、予約先に確認してほしい。
ガムについて確認できたのは恵那市の記載のみで、飴の扱いは確認できた案内に書かれていなかった。書かれていないことは、そのままにせず、受付で聞いておく。
検査当日の準備と、バリウムの飲み方
検査の朝は、バリウムを飲みやすくするためにも、体調を整えておきたい。文京区は、数日前から便通を整え、検診日の朝はできるだけ排便をすませるよう案内している。また、肌着はボタンや金属のないものを着用し、衣類は簡単に脱げるものにする。
バリウムの味や飲み方が不安な人は、バリウムの味はまずい?種類・飲みやすい味・吐き気を防ぐコツを解説とバリウムの飲み方のコツ|発泡剤・ゲップ我慢・吐き気対策を解説が参考になる。
バリウム検査そのものの内容は、胃バリウム検査とは?わかる病気・検査の流れ・検査後の注意点をやさしく解説で解説している。
受けられないことがある人と、相談の目安
次のような場合は、受診前に相談が必要になる。
- 妊娠中・妊娠の可能性がある:確認できた自治体の案内では、受診できないとされている
- 水分制限を受けている(透析など):検査を受ける前に、医療スタッフに相談する
- 過去にこの検査で問題があった:国立がん研究センターのリーフレットは、検査を受ける前に医療スタッフへ相談するよう案内している
- 前日までに水や食事の指示を守れなかった:当日の受付で正直に伝え、検査を受けられるかを確認する
自分でできること
- 案内の紙を、前日の朝までに読み、前日の夕食の時間と、当日の水・薬の時間をメモする
- 常用薬は、名前と飲む時間を書き出し、主治医やかかりつけの薬局に確認しておく
- 糖尿病の薬やインスリンを使っている人は、事前に主治医に確認する
- たばこ、ガム、飴は、案内の指示がなければ、受付で聞くまで控える
- 検査後は、バリウムを出すために水分をとり、下剤を指示どおりに使う(恵那市の案内)
よくある疑問
Q. うっかり水を飲んでしまった。検査は受けられない?
A. 水の量と時間で扱いが違う。恵那市のように「起床後から検査の2時間前まで200ml以内は可」とする案内もあれば、原則飲まない案内もある。隠さずに受付で、飲んだ量と時間を伝えて判断を受ける。
Q. 朝食をとってしまった場合は?
A. 当日の朝食は食べられないと案内されている。受診できるかどうかは、施設が判断する。その場で正直に伝え、日程の変更を相談してほしい。
Q. 検査後に気をつけることは?
A. 国立がん研究センターのリーフレットは、検査後にバリウムで便秘になったり、腸内で詰まって腸閉塞を起こしたりすることがあると案内している。検査後に白い便が出ることは心配ないが、排便がない、腹痛が続くなどのときは、医療機関に相談してほしい。
気になる症状や結果があれば、医療機関に相談してほしい。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診をこれから受ける方、受けた方へ」(2023年12月) https://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/leaflet/pdf/scr_stomach.pdf
- 西東京市 胃がん検診を受診される方へ【注意事項】 https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kenko_hukusi/seizinhoken/kensin/igankenshin.files/stomachattention.pdf
- 恵那市 胃がん検診について(令和8年度) https://www.city.ena.lg.jp/material/files/group/14/igannkennshinnnituiteR803.pdf
- 文京区 胃がん検診(2026年7月1日更新) https://www.city.bunkyo.lg.jp/b027/p002703.html





