バリウム検査のあと、「白い便が便器にこびりついて落ちない!」と困ったことはありませんか?
この白い汚れの正体は「硫酸バリウム(BaSO4)」で、水に溶けず、乾燥するとセメントのように硬くなる性質があります出典:放射線技術(2017)。
この記事では、便器の白い汚れの原因、家庭でできる掃除方法、注意点、そして“そもそも便器を汚さない工夫”まで、放射線技師監修のもとで徹底解説します。
なぜバリウムは便器にこびりつく?
- バリウム(硫酸バリウム)は水に不溶性
- 粘度が高く、排泄物と混ざると粘着性が増す
- 陶器製の便器の細かな凹凸に入り込んで固着する
特に乾燥してしまうと硬くなり、家庭用洗剤では落ちにくくなるため、早めの対処が重要です厚生労働省:がん検診情報。
バリウムによる便器汚れを落とす方法
1. 「湿布法」で汚れを柔らかくする
- 汚れ部分にトイレットペーパーを貼り、水をかけて10〜15分放置
- 柔らかくなったらトイブラシやスポンジで軽くこする
2. 中性洗剤+スポンジ
- 中性タイプ(食器用洗剤でも可)を使用
- メラミンスポンジ(激落ちくん等)も効果あり
3. 酸性洗剤を使うときの注意
- 「サンポール」などの酸性洗剤は有効
- ただし換気+ゴム手袋必須。塩素系との併用NG
やってはいけないNG掃除法
- 金属たわし・研磨剤入りクリーナーは便器を傷つける
- お湯を使うときは40℃程度まで(熱湯は陶器を傷める)
便器を汚さないための予防策
- 排便後すぐ流す(乾燥前が勝負)
- トイレットペーパーを内側に敷く(物理バリア)
- 可能であればウォシュレットですぐ洗い流す
また、バリウム排出の遅延を防ぐには、下剤+水分補給+運動の3点が大切です。
まとめ
- バリウム汚れは水に溶けず強力に付着する
- まずは湿布法→中性洗剤→必要なら酸性洗剤で対応
- 放置せず、なるべく検査当日中に掃除する
参考文献・出典
- 放射線技術学雑誌「硫酸バリウムによるトイレ汚染に関する報告」(2017)
- 厚生労働省|がん検診の手引き(消化管造影)