何か症状があり、病院へ行って、CTを撮りましょうと言われたら、
「そんな精密検査受けたら、一体料金いくらかかるんだろう?」と不安になりますよね。
さらには、
「胸部のCTスキャンだけでなく、腹部のCTスキャンも合わせて撮影した場合、値段が倍になるのだろうか?」
「初診の場合は初診料も取られるのだろうか?」
「造影剤を使ったら費用は高くなるのだろうか?」
いろいろ疑問が出てきます。
3割負担であっても医療費は高額です。
そこで今回は外来でCT検査を受けた場合にかかる費用についてまとめました。
外来でCT検査を受けたら費用はいくらかかる?
もしCT検査を受けることになった場合にかかる費用を見ていきましょう。
ここでは、まずCTスキャン検査にかかる料金をザックリとチェックして、その後でその明細を細かく見ていきます。
さらに2つの実際よくあるケース(例)に分けて実際いくらかかるのかを見ていきましょう。
CT検査の費用をザックリ見てみる!
まずCT検査は、
- 造影剤を用いない単純CT検査
- 造影剤を用いる造影CT検査
に分けられます。
単純CTの場合
単純CT検査の場合、診療総額は約20,000円です。
ですので3割負担の場合は、約6,000円程度の料金がかかります。
同じCTでも脳CT検査、胸部CT検査、腹部CT検査などと部位がありますが、費用はどこでも一律料金です。
単純CTが撮影されるのはどんな時?
通常、造影剤を用いない単純CTを撮影することが多いです。
特に頭部CT、胸部CTや骨折をチェックするためのCTなどの場合、造影剤は用いずに単純CT検査が行われるのが一般です。
ただし、腹部CTは場合によります。
造影剤を用いたほうが、コントラストが明瞭になるため、造影剤を用いることもありますが、撮影する施設や診察する医師にもよります。
造影CTの場合
造影CT検査の場合、診療総額は約35,000円です。
ですので3割負担の場合は、約10,500円程度の料金がかかります。
造影剤って結構高額だとわかりますね。
造影CTが撮影されるのはどんな時?
造影CTは、上に述べた腹部CTで行われることがあります。
特に、肝臓、膵臓、腎臓などに腫瘍が疑われる場合は、ダイナミックCTと言って、造影剤を投与してから2-3相に分けて撮影されて腫瘍の血流状態をチェックすることで診断に役立てる場合があります。
その他、胸部や腹部で血管を見たい場合、例えば大動脈解離が疑われる場合や、動脈瘤の状態を見たい場合、さらには肺動脈血栓の有無をチェックしたい場合、あるいは腸管の虚血が疑われる場合などは造影CTが施行されます。
また、造影CTは腎機能の悪い人は受けられないことがあります。詳しくはこちら→造影CTは腎機能低下の人には要注意!予防策は?
冠動脈CTの場合
同じCTの中でも、心臓を栄養する血管(冠動脈)の検査の場合は料金が異なります。
この場合、造影剤を用いた検査となり、診療総額は42,000円程度です。
ですので3割負担の場合、約13,000円程度の料金がかかります。
CT検査を費用の内訳を細かく見てみる!
CT検査を受ける場合、細かく見ると以下のような料金がかかります。
- CT検査料(コンピューター断層撮影)
- コンピューター断層診断料
- 画像診断管理加算料
- 造影剤を使用した場合にかかる料金
- 初診料
- 情報診療提供料
- 電子処理加算料
一つ一つ見ていきましょう。
CT検査料(コンピューター断層撮影)
これは、検査自体にかかる料金で、保険点数はCT装置によって異なります。
- 64列以上のマルチスライス型の機器ならば、保険点数は1000点、つまり10,000円。
- 16列以上64列未満のマルチスライス型の機器ならば、保険点数は900点、つまり9,000円
- 4列以上16列未満のマルチスライス型の機器ならば、保険点数は750点、つまり7,500円
- それ以外のものならば、保険点数は560点、つまり5,600円
かかるということです。
料金が高い64列以上のものが最も良く見える(空間分解能が高い)分、料金が高くなります。
コンピューター断層診断料
月に1回、月の初回のCT又はMRIを実施する日にかかる料金で、これが450点、つまり4,500円かかります。
月に1回だけですので、同じ月に2回撮影した場合はこの料金はかかりませんが、月をまたいで2回撮影した場合はこの料金が2回かかることになります。
画像診断管理加算料
これは放射線科の常勤医がいて、一定の基準を満たしている施設である場合にかかる加算料です。
少なくとも常勤医の放射線科医がいないと取れないので、放射線科の常勤医がいない病院ではかかりません。
これも月に1回かかるもので、
- 画像診断管理加算1の施設の場合は、70点、つまり700円。
- 画像診断管理加算2の施設の場合は、180点、つまり1,800円。
かかることになります。
当然、加算2の施設の方がより厳しい条件をクリアしているということになります。
造影剤を使用した場合にかかる料金
CT検査で、静脈から造影剤を注射して撮影した場合、使用することに対して、500点、つまり5,000円がかかります。
さらに、使用した造影剤の薬の代金もかかりますが、これは、使用する造影剤の種類や量によって異なります。
ですので、一概には言えませんが、数千円〜1万円弱の料金がかかります。
初診料
これはCT検査にかかわらずかかる料金です。
もしあなたがCTを撮影した病院を初めて受診するのであれば初診料が282点つまり、2,820円かかります。
2回目以降であっても、再診料72点(あるいは73点)、つまり720円(あるいは730円)がかかります。
情報診療提供
もしあなたが、CT装置を持たない診療所から、CT装置を持つ病院へ紹介されて、CT検査を受けに来た場合、その結果をCT装置を持つ病院が返事をしなければなりません。
これを情報診療提供といい、これに250点、つまり2,500円がかかります。
電子処理加算料
以前はフィルムに焼いていましたが、最近はCTスキャンの結果をDVDに焼くことが多く、フィルムレスになっています。
フィルムレスの場合は、電子処理加算料が120点つまり、1,200円かかります。
フィルムの場合は、撮影した部位だけかかります。
3割負担でも、結構かかりそうですね。
Case1、初めて行く診療所で頭部CTを撮影した場合
- 診療所ですので、常勤の放射線科はいない。
- 造影剤は使用しない。
- 紹介状はない。
というケースでみると、64列以上のCT装置であったとして、
10000円+4500円+2820円+1200円=18520円 この3割負担ですので、5,556円の料金がかかるということです。
Case2、診療所からの紹介で、初めて行く総合病院(放射線科の常勤あり)で腹部造影CTを撮影した場合
- 管理加算2の取れる総合病院
- 造影剤を使用
- 紹介なので返事が必要
というケースとしましょう。64列以上のCT装置であったとして、
10000円+4500円+5000円+数千円〜10000円+2820円+2500円+1200円≒3万円前後。
この3割負担ですので、1万円前後の料金がかかるということです。
一度に2部位を撮影したら料金はどうなる?
CT検査では、頭部・頚部・胸部・腹部など部位を指定して撮影するのが基本です。
CT検査は被曝をしますので、必要のない部位は撮らないのが原則です。
ただ実際は、必要に応じて胸部と腹部を同時に撮影したり、場合によっては全身のCTを撮影することもあります。
原則、CT室に一度入って、一度に撮影したものについては、何部位撮影しても1回分の料金しかかかりません。
「じゃあ全身撮影したほうがお得じゃないの?」
と思われるかもしれませんが、前述したようにCT検査は被曝します。
必要のない部位にわざわざ放射線を浴びるのはNGです。
最後に
CT検査を受けたときにかかる料金についてまとめました。
- CTを受ける施設
- 造影剤を使うかどうか
によってなど状況によって料金が異なることがわかっていただけたと思います。
3割負担であっても結構な料金がかかることがわかります。
これ以外にも心臓CTを受けた場合はさらに料金が高くなったりと、例外もいくつかありますが、概ねの金額の幅はわかっていただけたと思います。