甲状腺の腫れの原因はどこにあるのか、気になりませんか。
あらかじめセルフチェックの方法を知っていたり、どんな症状が出てくるのか覚えておくと、気になる点があれば早めに病院へ行きやすいですよね。
でも、甲状腺の腫れを見てくれる診療科は何科なのかも把握する必要があります。
そこで今回は、甲状腺の腫れについて
- 原因
- セルフチェック
- 症状
- 受診科
に分け説明します。
甲状腺の腫れの原因は?
- パセドウ病
- 甲状腺炎
- 橋本病
- 甲状腺腫瘍
などが原因で生じます。
パセドウ病
甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる甲状腺機能亢進症の一例です。
通常よりも増加した甲状腺ホルモンの分泌によって、自分自身の甲状腺を異物と認識して自己抗体であるTRAb(抗TSH受容体抗体)ができてしまいます。
甲状腺炎
甲状腺ホルモンが何らかのきっかけで、血中に流入してしまうことで生じます。
ウイルス感染によるものが多いといわれています。
橋本病
慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
甲状腺機能に低下は見られませんが、血中に自分の甲状腺に対する自己抗体ができてしまうのです。
人によっては、甲状腺ホルモンの分泌量が不足して新陳代謝などの体内サイクル機能が低下してしまう甲状腺機能低下症を引き起こすこともあります。
甲状腺腫瘍
甲状腺に発生する腫瘍です。
腺腫という良性の腫瘍の場合は、経過観察となることが多いですね。
悪性腫瘍である場合は、早期の治療が必要になります。
甲状腺の腫れをセルフチェックする方法は?
一番わかりやすいのは、首~のど仏あたりが腫れているか否かの確認ですね。
- 心臓がドキドキしたり汗をかきやすくなったりした
- 精神的に不安定になり、落ち込んだりイライラしたりする
- 倦怠感や無気力が続いてる
- 下痢、または、便秘がちになった
- 生理不順
- 体重増加、あるいは、体重減少
- のぼせ気味、あるいは、冷え性
このようなチェックポイントに当てはまる状態が1か月以上続いている場合は、病院を受診することが大切です。
甲状腺が腫れると、どんな症状が出るの?
甲状腺の腫れによって生じる症状は、各原因となるものによって違いが出てきます。
パセドウ病の場合
- 動機や息切れ、筋力の低下が引き起こされる
- 全身の倦怠感があり、体重が減少する
- 食欲が増大し、排便回数が増加する
- 汗をかきやすく、震えが走る
- 上の血圧が高くなり下の血圧が低くなる
甲状腺炎の場合
- 初期は鼻や喉の炎症が生じる
- 甲状腺の腫れによる痛みがある
- 腫れ部分が硬くなっている
- 38度以上の高熱が出る
- 体重が減少する
橋本病の場合
- びまん性甲状腺腫大(パセドウ病の場合よりも硬く、表面がでこぼこ)ができる
- 体の冷えを感じたり、むくみが生じる
- 脈拍がゆっくりしたものになる
- 記憶力が落ちる
- 鬱のような症状が出る
甲状腺腫瘍の場合
- 結節性甲状腺腫(甲状腺がしこりのように部分的に腫れ、硬い凹凸で可動性が少ない)ができる
※ 良性か悪性かを見極めるためにも、しこりに気がついたら早めに受診して検査を受けることが大切です。
甲状腺の腫れは何科を受診すればいい?
まずは、内科を受診することです。
もちろん、
- 内分泌科
- 甲状腺科
がある病院が近場にあれば、そちらを受診するのも良いです。
内科・内分泌科・甲状腺科のいずれの科でも、たいていの場合は検査が可能ですから、気になる腫れがあるのならば受診をおすすめします。
最後に
甲状腺の腫れは、甲状腺ホルモンの過剰分泌や分泌不足によって引き起こされる疾病が原因で生じることが多いのです。
しかし、首~のど仏付近が腫れているかどうかというチェックポイント以外は、ただの体調不良ではないかと勘違いされる症状が多いため、原因となる疾病に気づきにくいのです。
ですから、動悸・息切れや倦怠感・無気力、精神的な不安定や生理不順、下痢や便秘、のぼせや冷え性等の体調不良が1か月以上続く場合には、早めに内科を受診することですね。
内科や内分泌科、甲状腺科であれば、検査を行うことができるので、早期発見・治療に繋がります。