月経がいつもと違う・・・というのは女性なら気になることですね。毎月全く同じ、というのもなかなか難しいことですが明らかにいつもと量が違う、それどころか来ない、なんて何かの病気じゃないか?って思うのも無理ありません。
そこで今回は月経が来ない、いわゆる無月経についてのお話しです。詳しい内容はコチラです。
- 無月経の原因は?
- 無月経の検査方法は?
- 無月経の治療方法は?
以上です。それでは始めます!
無月経の原因には何がある?
無月経には生理的無月経と病的無月経があります。
- 生理的無月経・・・妊娠や産褥期、閉経など、自然現象として起こる無月経
- 病的無月経・・・病的な理由で起こる無月経
今回は病的無月経についてお話しします。
原発性無月経
原発性無月経とは18歳になっても初経が来ないことです。この場合次のような原因が考えられます。部位別にみると視床下部性、下垂体性、卵巣性、子宮性、膣性などに分類されます。
- カルマン症候群(Kallmann syndrome)
- フレーリッヒ症候群(frohlich syndrome)
- ローレンス・ムーン・ビードル症候群(Laurence-Moon-Biedl syndrome)
- 先天性ゴナドトロピン欠損症
- ターナー症候群(Turner syndrome)
- 先天性子宮欠損症
- 子宮奇形
- 処女膜欠損症
- 膣欠損症
- 膣閉鎖症
- 膣中隔
カルマン症候群は視床下部の異常によっておこる疾患で、ターナー症候群は染色体の異常によって起こります。
続発性無月経
続発性無月経とは月経が3か月以上停止した状態のことを言います。原発性よりも続発性のほうが発生頻度は高めです。原因は原発性よりもたくさんあります。
- ストレス
- 過度なダイエット
- 偏食
- 肥満
- 抗がん剤、放射線治療
- 卵巣不全
- 子宮内膜炎
- 手術による卵巣摘出
- クッシング病(Cushing’s syndrome)
- キアリフロンメル症候群(Chiari-Frommel syndrome )
- アルゴンツデルカスティロ症候群(Argonz-del Castillo syndrome )
- 神経性食欲不振症
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)
続発性無月経の場合は過度なダイエットによる摂食障害や思春期の月経が不安定な時期にもよく起こります。またピルを服用している場合にも起こりやすい症状です。
神経性食欲不振症
これは過度なダイエットが原因で起こる疾患で、拒食、または大食、排出行為があり、思春期の女性に多く見られる症状です。これが原因で無月経も起こります。
キアリフロンメル症候群
出産後、授乳をやめた後も高プロラクチン血症となり、排卵や月経の異常が起こる状態です。
アルゴンツデルカスティロ症候群
妊娠や出産・授乳などをしていないのに高プロラクチン血症となり、排卵や月経の異常が起こる状態です。
シーハン症候群
分娩時の大量出血などが原因で下垂体の壊死などが起こり、下垂体前葉機能低下を起こしている状態です。
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無月経の検査方法は?
問診
まずは問診から始まります。以下のことを一通り確認します。
- 妊娠の有無
- 初経の有無
- 初経の年齢
- 月経の状態
- 無月経の期間
- 既往症
- 合併症
- 治療歴
- 内服歴
- 妊娠分娩歴
- 体重
- 食生活
の確認が行われます。
診察
子宮、卵巣、性器の状態を調べます。また乳房の状態や陰毛の状態なども診察します。
画像診断
超音波やMRIによる画像診断が行われます。子宮由来、卵巣由来、膣由来の疾患なら画像診断から判断できます。
内分泌検査
無月経の原因が子宮、卵巣、膣以外に原因があった場合には画像診断だけでは判断ができませんので内分泌検査が行われます。これでホルモンの状態を調べるのです。
ゲズターゲン試験によって無月経の重症後を調べる
ゲスターゲン試験と呼ばれる方法で無月経の重症度を調べることが出来ます。無月経は第1度無月経、第2度無月経に分かれます。第2度無月経の方が重症度が高いです。
治療法は?
無月経の治療は患者の希望や目的によっても変わります。
- 排卵目的(妊娠希望)・・・排卵誘発
- エストロゲンの補充(骨粗しょう症の予防)・・・ホルモン療法
- 子宮体癌の予防・・・ホルモン療法
- 男性ホルモン過剰症状の治療・・・ホルモン療法
排卵誘発法
妊娠を希望する場合は排卵を促すためにクロフェミン療法やゴナドトロピン療法がおこなわれます。
ホルモン療法
特に妊娠を希望していない場合はホルモン療法がおこなわれます。投与するホルモンは無月経の重症度によっても変化しますがゲスターゲンやエストロゲンを投与する方法とられます。
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まとめ
- 無月経には原発性と続発性がある
- 続発性の方が発生頻度が高い
- 無月経の検査は段階を追って行われる
- 無月経の治療は妊娠を希望するか否かで変わる
今回のお話しは無月経についてでした。ちょっとしたことで変化する月経。月経状態は女性の体の状態を知る良い手がかりです。もし月経が来なくても過度に心配せず、まずは検査をしてみてくださいね。