筋ジストロフィーには、

  • デュシェンヌ型
  • ベッカー型
  • 肢体型(2A・2B)
  • 三好型遠位型
  • エメリ ドレフュス型
  • 顔面肩甲上腕型
  • 眼咽頭遠位型
  • 福山先天性型
  • ウルリッヒ型先天性

などの分類があります。

筋ジストロフィーといっても、そんなに分類があるんですね!

この数ある筋ジストロフィーの中で、男子のみに発症するのが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーです。

男子だけ?

それは、どんな原因で、症状はどのようなものなのでしょう?

 

今回はそのデュシェンヌ型(Duchenne型)筋ジストロフィーについて

  • 原因
  • 症状
  • 診断
  • 治療法

をまとめました。

参考にされてください。

デュシェンヌ型(Duchenne筋ジストロフィーとは?原因は?

ジストロフィンという筋細胞膜の維持に重要な役割をしているタンパク質が、先天的に欠損しているために、筋細胞膜の保持や強化、情報伝達に異常が現れる疾患です。

遺伝性疾患であり、XL(X染色体連鎖性)連鎖劣性遺伝として出生したことが原因で、ジストロフィン(タンパク質)を作ることができないことによるもので、日本人の3,000~3,500人に1人の割合で発症します1)

デュシェンヌ型(Duchenne筋ジストロフィーの症状とは?

Duchenne型筋ジストロフィーは、遺伝性の疾患であるため、生まれてから少しずつ症状が現れてきます。

まず、疾患のない子に比べ、歩行開始時期に遅れの出ることがあります。

そして、3歳くらいで発症し歩行異常が現れはじめます。

それは下肢近位付近の筋力低下から始まり、徐々に上肢近位筋にも影響が出て、10歳くらいには近位筋の萎縮に留まらず、体幹部の筋萎縮が見られるようになります。

2歳まで

X線鎖劣性遺伝として生まれ、歩行開始の遅れが見られます。

3歳~

発症するのが3歳位。

  • 転倒しやすい
  • 仮性肥大
  • Gowers徴候
  • 動揺性歩行
  • 階段昇降困難

10歳前後~

  • 歩行困難
  • 尖足
  • 脊柱変形
  • 構音障害
  • 嚥下障害
  • 心不全
  • 呼吸障害
医師
特徴的な症状として、以下のようなものもあります。

下肢帯(腰・大腿部を中心とした下肢近位筋)の筋力低下により、立ち上がる際に手で体をおさえながらゆっくり体を起こしてゆく動作をするようになりますが、この動作をGowers徴候(登攀性起立「とうはんせいきりつ」)と呼びます。

また、骨盤を水平に保つことができないため、これを補うように立っている方の足に体幹を倒すような歩き方をするため、この歩行を動揺性歩行・腰椎前弯・尖足歩行などを呼びます。

 

進行が早く、身長が伸びる際に脊柱側彎症を呈しやすく、14歳までに歩行が不可能となります(自然経過の場合)2)

手先の運動は車椅子のハンドルを動かす操作程度が可能なものの、この上肢機能も徐々に低下してきます。

筋強直性ジストロフィーについてはこちら。→筋強直性ジストロフィーとは遺伝する?症状や診断について

デュシェンヌ型(Duchenne筋ジストロフィーの診断は?

血液検査でDNA診断できなければ、筋生検で免疫組織科学染色を行い診断します。

その他MRI検査や針筋電図も有効です。

MRIで確認すると、高輝度に描出される脂肪化した筋が認められます。

針筋電図では、筋原性変化を示し神経伝達速度は正常です。

また、わずかな随意収縮でも多数の運動単位電位が同時に放電するため、干渉波が見られやすいのが特徴です。

デュシェンヌ型(Duchenne)筋ジストロフィーの治療法は?

確立された治療法はありません

ですが、症例によって副賢皮質ステロイドが有効な場合もあり用いられます。

ただ、その効果も半年~2年と根本的な治療とはいたっていません。

副作用もあるため、開始時期や使う期間の考慮が必要です。

 

平成28年3月、Duchenne型筋ジストロフィー治療剤「NS-065」の 米国での前期第Ⅱ相臨床試験開始されました3)

医師
今後の医療の進化に期待したいですね。

参考文献:
病気がみえる vol.7:脳・神経 P304〜307 1)304
全部見える 脳・神経疾患―スーパービジュアル 徹底図解でまるごとわかる! P327〜332 2)329
3)参考サイト:日本新薬

最後に

デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて、ポイントをまとめます。

  • 染色体遺伝が原因で男の子のみに現れる
  • 歩行開始の遅れ→下肢近位付近の筋力低下→上肢近位付近の筋力低下→体幹部の萎縮→死亡
  • 進行が早い
  • DNA検査・筋生検・針筋電図・MRI検査が有効
  • 根本的治療法がない
  • ステロイドが症例によって有効な場合もある

 

近年行う人が増えつつある、妊娠時の着床前診断。

これによって、デュシェンヌ型筋ジストロフィーも発見されるようになりました。

産むか産まないかの判断は個人の問題ではありますが、この決断も難しいところです。

 

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