頸動脈のプラークを改善するには?食事・運動・お酒の注意点と控えめにしたい食品

動脈硬化の原因となるプラーク(頚動脈内に限局的に突出した病変のこと)。

このプラークが突然破れると血栓をつくる原因になったり、この血栓が剥がれてしまうことで血管を詰まらせます。

悪玉コレステロールの数値が高い方や糖尿病、高血圧症などの方はこのプラークの進行度合いが早いと言われています。

そのため危険因子を取り除いていき、動脈硬化を食い止め改善していく必要があります。

それでは、頸動脈のプラークを改善する方法はあるのでしょうか?

そこで今回は、

  • 頸動脈のプラークを改善するには?食事療法
  • アルコールは?
  • LDL(悪玉)コレステロールと動脈硬化の関係は?

以上について説明して行きます。

頚動脈プラークの進行を抑えるための食事・運動・お酒・治療のポイントをまとめました。

先に結論

  • 頸動脈のプラークは、生活習慣の見直しと、必要に応じた薬(スタチンなど)で、進行を抑えたり、一部が小さくなったりすることがあります(Artom 2014)。個人差があり、なくなるとは限りません。
  • 食事は、肉の脂身やバター、洋菓子などに多い飽和脂肪酸を減らすことが基本です。飽和脂肪酸を減らすと心血管イベントが減る可能性が示されています(Hooper 2020)。
  • 運動は、ウォーキングなどの無理のない有酸素運動を続けましょう。持病がある方は医師に相談してから始めます。
  • お酒は「適量なら動脈硬化によい」とは言えません。大規模な遺伝学的研究では、飲酒量が増えるほど脳卒中のリスクが上がると報告されています(Millwood 2019)。
  • LDLコレステロールの目標値は、危険因子の数や病歴で人により異なります。主治医の指示に従ってください。

頸動脈のプラークを改善するには?

頸動脈のプラークを改善することは出来るのでしょうか?
プラークは、進行を抑えたり、小さくなったりすることがありますので、あきらめる必要はありません(個人差があります)。

プラークがあり、血管が狭くなっていると診断された方でも、医師の指導にきちんと従うことで、プラークの改善がみられる方もいます。

プラークがあると言われても、悲観的になる必要はありません。生活習慣の見直しと治療で、進行を抑えられる可能性があります。

プラークがあり、血管の幅が狭くなっている方には、食事療法や生活指導が行われますが、それと平行して、薬剤での治療も行われることが多いです。

食事療法では、特に飽和脂肪酸(肉の脂身・バター・洋菓子など)のとり過ぎと、糖質のとり過ぎに注意します。

それでは、食事療法において、特に控えめにしたい食品を以下に紹介します。具体的な量は、体格や持病で異なりますので、主治医や管理栄養士の指示に従ってください。

 

食事療法、控えめにしたい食品

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揚げ物やフライ、脂身類、油
  • 天ぷら
  • コロッケ
  • から揚げ

などの衣は控えめにし、揚げ物の2度揚げはしないようにしましょう。

外食などで揚げ物がある場合は、衣を除いて食べる方法もあります。
油は種類を問わず、とり過ぎないことが大切です。バターやラード、ココナッツオイルなどは飽和脂肪酸が多いため、特に量に気をつけましょう。

 肉類 

動物性蛋白は脂が少ない鶏肉(皮なし)や豚肉(赤身:特にヒレ肉)、卵白などから摂取するようにしましょう。ベーコンなどの加工肉や脂身の多い肉は控えめにします。

例えば、豚のバラ肉などは脂身を調理前に取り除けば、料理に使っても問題ありません。

魚介類、海藻類

青魚や白身、赤身に関係なく、脂肪分の少ない魚を選んでください。

魚の煮付けの場合は、みりんや醤油、日本酒などを使い、うま味で甘さを得る工夫が必要です。

魚介類(貝類、エビ類、イカ、タコなど)は、調理する際に油を使わないことが大切です。

なお、イカ・エビ・魚卵などはコレステロールを多く含むため、食べ過ぎないよう主治医や管理栄養士の指示に従ってください。

果物、菓子類 

果物は糖度が低く、脂質が少ない、やや小さめの果物を選ぶようにして下さい。

飽和脂肪酸の少ないお菓子として和菓子が洋菓子よりは良いですが、油を使用していないことが前提ですし、あくまでも少量に抑えることが大切です。お煎餅は植物油脂や植物油の添加品に注意が必要です。

また、砂糖を控える事も大切です。ちなみに黒砂糖も砂糖ですし、蜂蜜も砂糖の一種と考える様にして下さい。

卵

卵はコレステロールを含むため食べ過ぎないようにし、1日にどれくらい食べてよいかは主治医や管理栄養士に相談しましょう。卵焼きにする場合は、油を控えめに調理してください。

乳製品

乳製品は飽和脂肪酸を含むものが多いため、低脂肪・無脂肪のものを選び、とり過ぎないようにしましょう。

チーズやバターは少量にとどめます。ヨーグルトも、砂糖入りのものは控えめにしましょう。

豆乳ヨーグルトはおすすめですが、可能な限り糖分(果汁成分など)を入れていない製品を選ぶようにして下さい。

 お米やパン

お米の種類は白米や雑穀米、 玄米、それらのミックスでも大丈夫です。

パンを食べる際は、

  • バター
  • マーガリン
  • ハチミツ
  • 砂糖
  • ジャム
  • チーズ
  • 牛乳製ヨーグルト

などを付け過ぎないようにしましょう。

めん類

麺類なら蕎麦やうどんはいいですが、天カスや天ぷら系の具は避けるようにして下さい。

豚骨ラーメンや、チャンポンの汁は、飲み干さないようにしましょう。

また、インスタント麺食品はなるべく控えめにし、パスタなら脂質の少ない具材で作った和風スパゲッティなどがよいでしょう。

食事療法、おすすめしたい食品

おすすめしたい食品は以下の通りです。

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海藻類
  • 海藻サラダ
  • トコロテン
  • もずく
  • メカブ
  • トロロこんぶ

などは、食物繊維が豊富で、低脂肪の食材として取り入れやすい食品です。

魚介類は、焼く、煮るなど油をあまり使わない調理法がおすすめです。
野菜

葉物や根菜、芋類など全て大丈夫ですが、バランス良く摂取することが大切です。

調理する際は、天ぷらや油炒めは避けましょう。

果物
  • さくらんぼ
  • いちご
  • イチジク
  • びわ

など少量で満足感が得られる果物がおすすめです。ただし、果物にも糖質が含まれるため、食べ過ぎには注意しましょう。

豆製品など
  • 豆腐や納豆、味噌
  • 豆乳・豆乳ヨーグルト
  • 蕎麦や雑穀
  • 青汁
  • 小魚丸ごと

などはいいでしょう。

運動

無理のない有酸素運動は、脂質の改善や血圧の低下などに役立ちます。ウォーキングなどを、できるだけ毎日続けることが望ましいとされます。運動の量や強さは、体の状態によって異なりますので、医師に相談して決めましょう。

過激な運動は避ける様にして下さい。

運動が苦手な方でも、階段の上り下りやストレッチなど、気軽にできる運動もあります。

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ただし、心筋梗塞や狭心症・脳卒中を起こした事のある方やお年寄り、脂質異常症やメタボリックシンドロームのハイリスクの人は、医師のチェックが必要です。

また、急性心筋梗塞、、心筋炎、心膜炎、重症不整脈、心不全などをおこした人は、運動は避けてください。

食品の選び方のポイントの表

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高血圧の食事で気をつけたいカリウムについては、高血圧の食事でカリウムを摂る効果は?1日の目安・多い食品・腎臓病の注意で解説しています。

アルコールはどうなの?

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アルコールはどうなのでしょうか?
アルコールについては意外な報告もあります。

「適量のお酒は動脈硬化を軽くする」とは言い切れません。かつては少量の飲酒が心血管病に有利とする報告もありましたが、約50万人の中国人を対象に、遺伝子の違いを使って調べた研究では、飲酒量が増えるほど脳卒中のリスクが直線的に上がり、少量の飲酒が脳卒中を防ぐように見えた結果の多くは因果関係ではないと結論づけられています。また、飲酒量が増えると血圧も上がることが示されています(Millwood 2019)。

プラークがある方は、お酒を飲まない日をつくり、量を控えめにしましょう。高血圧や脂質異常症、肝臓の病気などがある方は、飲んでよい量を主治医に確認してください。

節酒の必要がある方は、事前に医師の指導を受けるようにして下さい。

LDL(悪玉)コレステロールと動脈硬化の関係は?

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LDLコレステロールは動脈硬化の主な危険因子であることが、動脈硬化性疾患予防ガイドラインでも示されています(日本動脈硬化学会 2022)。そのため、動脈硬化に至る原因となっているリスクファクター(コレステロール、高血圧、糖尿病、喫煙など)の管理が非常に重要です。

LDLコレステロールの管理目標値は、年齢や危険因子の数、これまでに心筋梗塞や脳梗塞などを起こしたかどうかによって人ごとに異なります。たとえば、冠動脈疾患やアテローム血栓性脳梗塞の既往がある方(二次予防)では100mg/dL未満、急性冠症候群や家族性高コレステロール血症、糖尿病などを合併する場合は70mg/dL未満が目標とされています(日本動脈硬化学会 2022)。ご自身の目標値は、主治医に確認してください。

食事療法や運動療法で十分な低下が見られない場合は、スタチンなどの服薬治療が必要になることがあります。

かつては、一度できた動脈硬化は元に戻らないと考えられていました。しかし、スタチン(コレステロールを下げる薬)の治療により、頸動脈プラークの炎症や大きさが部分的に改善したとの報告があります(Artom 2014)。ただし、効果には個人差があります。

脂質異常症の症状と診断の目安は、高脂血症(脂質異常症)とは?症状・診断の目安の数値と起こる合併症で解説しています。

まとめ

今回のポイントのまとめ!
  • 食事療法では、飽和脂肪酸(肉の脂身・バター・洋菓子など)と糖質のとり過ぎに注意する。
  • 無理のない有酸素運動を、できるだけ毎日続けることが望ましい。運動量は医師に相談する。
  • 「適量のお酒は動脈硬化を軽くする」とは言い切れない。飲酒量が増えるほど脳卒中のリスクが上がると報告されており、量を控えめにする。
  • LDLコレステロールは動脈硬化の主な危険因子で、目標値は人により異なる。リスクファクターの管理が非常に重要となる。

 

食事・運動・薬による治療を組み合わせることが、プラークの進行を抑えるうえで大切です。薬を飲んでいても、生活習慣の見直しは必要です。

これまで続けてきた食習慣を変えるのは簡単な事ではありませんが、動脈硬化の予防には、食事療法に継続して取り組むことが大変重要となります。

時間は掛かりますが、続けることでプラークの進行を抑えられる可能性がありますので、ご自分の健康のために無理のない範囲で継続しましょう。

頸動脈プラークに関するよくある疑問

Q. プラークは消えますか?

プラークの大きさや性質には個人差があり、なくならないこともあります。進行を抑え、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐことが主な目標です。

Q. どんなときにすぐ受診すべきですか?

急に片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない、片方の目が一時的に見えなくなる、といった症状があれば、脳梗塞の可能性があるため、すぐに救急受診を考えましょう。

Q. 何科で相談すればよいですか?

循環器内科、脳神経内科、脳神経外科などが窓口になります。健診で指摘された場合は、まず健診の結果を持ってかかりつけ医に相談してください。気になる症状や結果があれば医療機関へご相談ください。

参考文献:
Artom N, et al. Carotid atherosclerotic plaque stenosis: the stabilizing role of statins. Eur J Clin Invest 2014(PubMed)
Millwood IY, et al. Conventional and genetic evidence on alcohol and vascular disease aetiology: a prospective study of 500 000 men and women in China. Lancet 2019(PubMed)
Hooper L, et al. Reduction in saturated fat intake for cardiovascular disease. Cochrane Database Syst Rev 2020(PubMed)
日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(Okamura T, et al. J Atheroscler Thromb 2024: PubMed)