尿検査で細菌が見つかることがあります。

尿検査で最も一般的な検査は試験紙法と呼ばれる検査です。

この試験紙法で尿路感染を疑う結果が出た場合や、腎・泌尿器疾患が疑われる場合、尿沈渣という検査が行われます。

尿沈渣とは尿を遠心分離させ顕微鏡で観察する検査です。

今回はこの尿沈渣で細菌が陽性となった場合について

  • 尿沈渣での細菌の基準値は?
  • 尿沈渣で陽性になった場合はどうなるのか
  • 尿沈渣で細菌が出る原因や疾患は?

これらについてわかりやすくまとめてみました。

Sponsored Link

尿沈渣での細菌の基準値は?

尿沈渣で細菌が2+と出ました。

正常値はどれくらいなんでしょうか。

医師
まずは尿沈渣での細菌の基準値をみていきましょう。

saikin

 

細菌の基準値は

  • 1+以上(つまり、1+,2+,3+ならば細菌尿ということになります)

検査結果は3+だから細菌が3個あるというわけではありません。

判定基準について表にしてみました。

検査結果 判定基準
0個(なし)
± 数視野に存在する
1+ 各視野にみられる
2+ 多数あるいは塊になって散在
3+ 無数にある

尿沈渣の検査は尿を遠心分離にかけて、400倍に拡大した顕微鏡で見た時に、見える細菌の数を見ます。

赤血球や白血球の場合は検査結果を個数であらわしますが、細菌の場合は少し違います。

その400倍の視野の中に5個以上の細菌が見つかった場合、有意の細菌尿ということになります。

この細菌が5個以上の視野がいくつあるかで判断します。

いくつもの視野をみて5個以上の細菌が見つかった視野の数を総合的に判断した結果で数値が決まります。

Sponsored Link

では次に尿沈渣で細菌が陽性だった場合、どうなるのか、また、再検査になった時に正しい結果を出すためのポイントについてお話ししますね。

細菌が陽性だった場合どうなるの?

検査で細菌が出た場合、どうなるんですか?
医師
再検査になります。

bariumu doc3

細菌が陽性でも、特に女性の場合は正常でも細菌が陽性と出ることがあるため、再検査をします。

では、再検査で正しい結果が出るためのポイントを紹介しますね。

  • 膣周りは清潔に保つ
  • 検査の時は中間の尿を取る
  • 利尿作用のある飲み物を飲む

特に女性の場合、膣内には常在菌がいますのでこの菌が尿中に混入して反応が出ることはよくあります。

正しい結果を出すために、まずは尿道周辺を衛生的に保つことです。

ナプキンやおりものシートはこまめに変え、雑菌が繁殖しないように清潔にしましょう

また今度の尿検査の時は出始めの尿には、尿道周辺の常在菌や雑菌が入ってしまいがちです。

中間の尿を取ることで雑菌の混入が防げます。

また、細菌が出ているということは膀胱炎や尿道炎になりかかっている可能性もあるので利尿作用のある飲み物をしっかり摂って尿をたくさん出すとよいですよ。

医師
水分をしっかりと摂り、尿道周辺を清潔に保ちましょう。

尿沈渣の1回目の検査で400倍の視野の中に5個以上の細菌が見つかった場合(1+以上)、80%の確率で有意の細菌尿ということになります。

さらに再検査でも同様ならば、95%の確率で、有意の細菌尿ということになります。

ですので、再検査でも陽性ならば、ほぼ細菌尿であると診断されます。

ではこの場合、どんな疾患の可能性があるのか見ていきましょう。

尿沈渣で細菌が陽性になる原因や疾患は?

なぜ尿の中に細菌が出てくるのでしょうか。

細菌が陽性になるというのは尿の中に細菌が増えているということです。

その原因や疾患は以下です。

  • 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、腎結核など)
  • 糸球体腎炎
  • 膀胱腫瘍
  • カンジダ症
  • 真菌
  • 膣トリコモナス
  • クラミジア
  • 淋病
  • 寄生虫

特に、腎盂腎炎や膀胱炎など尿路感染症が原因としては最多です。

尿路感染症を起こす原因菌としては、大部分がグラム陰性桿菌と呼ばれる細菌で、特に大腸菌が最も多いです。

そのほか、プロテウス菌、緑膿菌、クレブシエラ菌、ブドウ球菌、腸球菌などが原因となります。

尿路感染の診断には白血球も重要

saikin2

尿路感染の診断には、細菌尿であることを判定することのほかに、同時に白血球(中でも好中球)や上皮細胞を確認することが重要です。

関連記事)尿沈渣で白血球が多い!基準値や考えられる病気は?

細菌のほかに白血球や上皮細胞を確認することでより尿路感染の確率が上がります。

ただし、まれに細菌は多数いるにもかかわらず、白血球(好中球)を認めないこともあります。

この場合は、外部から混入した菌の可能性が高いです。

また、無症候性細菌尿と言って、尿路感染症などの症状がないのに細菌だけが陽性になる場合があります。

特に女性に多く高齢になる程、頻度が増えます。

このことからも細菌が出たからと言って、必ずしも何かの病気であるというわけではありませんので注意が必要です。

参考書籍

  • 尿沈渣ガイドブック 東海大学出版会 p166,118-119
  • 最新 尿検査 その知識と病態の考え方 第2版
  • JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症―

 

そのほかの尿沈渣に関する記事はこちら

まとめ

医師
今回のお話しをまとめます。
  • 尿沈渣の細菌の基準値は1+以上
  • 特に女性の場合は正常でも陽性になりやすい
  • 尿沈渣で細菌が陽性でも必要以上に不安になる必要はない
  • 尿沈渣で細菌が陽性の場合は、再検査になる
  • 細菌の増加が認められたら、尿道口を清潔にし、免疫力を上げるようにする
  • 尿検査の時には必ず中間の尿を取るようにする
  • 菌の増加だけではなく、白血球の増加もあるなら注意が必要
  • 細菌が陽性の場合は、尿路感染症や膀胱炎、腎盂腎炎などの疾患の可能性がある

いかがでしたか?

尿の成分を調べることでいろいろなことがわかりますね。

だから健康診断では尿の検査が必ず行われるわけです。

尿検査や尿沈渣は特に雑菌などが入りやすく再検査になりやすい検査です。

正しい判断をするためには、雑菌などが混入しないように中間尿を取ることがポイントになります。

尿についてもし気になることがあるようでしたら泌尿器科を受診しましょう。

Sponsored Link

 

関連記事はこちら