血圧にはいわゆる上の血圧、下の血圧の2種類があります。

  • 上の血圧=収縮期血圧(最高血圧)
  • 下の血圧=拡張期血圧(最低血圧)

とも呼ばれます。

上の血圧は高くないのに、下の血圧だけが高いというケースがあります。

血圧の下が高い場合、どんな症状が出るのでしょうか。

また、血圧の下が高い場合に処方される薬はあるのか、日頃の食事について、血圧の下が高い時に摂った方がいいものも確認しておきたいものです。

そこで今回は、血圧の下が高い場合についてご説明します。


血圧の下が高い場合に生じる症状には何がある?

下の血圧が高い場合特有の症状というのはあるのでしょうか?
通常の高血圧患者にあらわれる症状とさほど変わりません。

diastolic blood pressure figure1

また、特に気になる自覚症状がないという人も少なくありません。

しかし、

  • 頭痛
  • 頭が重い
  • めまい

といった症状がある場合には、血圧が高くなっていることが考えられます。

例えば、上は正常値であったとしても、下が高くなっているかもしれないのです。

血圧の下が高い状態とは?

diastolic blood pressure figure2

下の血圧が90mmHg以上ある場合は、高血圧となります。(家庭で測る場合は85mmHg以上)

心臓から血液が血管に向けて送り出された後の状態における血管にかかる圧力が大きい状態を示しています。

つまり、本来であれば、血液が押し流された後なので血管にかかる圧力は小さくなっているはずが、そうではない状態を意味するのです。

ですから、血管がしなやかな弾力性を失い、血液が流れる血管の内側がちょっと狭くなってしまっている状況でもありますね。

いわゆる動脈硬化が進み始めている可能性があります。

尚、どうして血圧の下が高くのなるのかについては、『下の血圧(拡張期血圧)が高い場合の原因は?徹底解説しました!もご参照下さい。

いずれにせよ、現状としてはさほど気になる自覚症状がない場合でも、いずれは、心筋梗塞脳梗塞脳卒中の症状を引き起こすことがあるので注意したいですね。

ちなみに、血圧の中で一番重要視しなければならないのは、上の血圧(収縮期血圧)になります。

上の血圧が高いほど、心臓や血管などの病気にかかるリスクも高まることがわかっています。

ですが、男性が出血性脳卒中を引き起こすのにもっとも強い予測因子となっているのは、下の血圧だとされています。

血圧の下が高い場合の治療に薬は必要?

下の血圧が低い場合、薬は必要ですか?
血圧の下が高い場合、薬の服用については、上の血圧値がどのような数値を示しているのかにもよります。

なぜなら、上は正常値の範囲であれば、薬を服用することによって、低血圧になってしまうことも考えられるからです。

もちろん、血圧の上も高くなっている場合は、医師の診察を受けた上で薬が処方される可能性がありますね。

ですから、血圧の下が高いからといって、すぐさま薬の服用に至るわけではありません。

薬で治療に入る前に、まずは、自分自身の生活習慣を振り返って改善すべき点は改善することから始めるのです。

まずは生活習慣を振り返って改善すべき点は改善する

diastolic blood pressure figure3

  • 運動不足を解消するために、普段の生活の中で軽い運動を取り入れる
  • 食事のメニューは、高血圧の原因になりやすい塩分の摂取を控えめにする
  • 血圧上昇を引き起こしやすいストレスを溜めすぎないように、うまくリラックスやリフレッシュをはかる

 

このように、日々の生活スタイルを見直していくことでも、血圧が正常値に近づいていくことが期待できます。

その上で、医師が治療には薬が必要と判断した場合は、処方箋にしたがって服用するとよいですね。

 

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では次に、血圧の下が高い場合に摂った方がいい食事や補助的に使えるサプリメントについて説明します。

血圧の下が高い場合に摂った方がいい食事は?

血圧の下が高い場合は、高血圧の兆しがあって動脈硬化が表れ始めている可能性があります。

そのため、血管の弾力性血液のサラサラ性を保てるような食事メニューが大切ですね。

そこで、以下に記すような食材を利用した食事を心がけましょう。

血管の弾力性を高めてくれる食材(良質なタンパク質を含むもの)

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  • 鶏卵鶏肉
  • あじいわし
  • 牛乳
  • 牛肉のサーロイン豚肉のロース

血液のサラサラ性を高めてくれる食材

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  • 悪玉コレステロール値を下げる働きのある大豆製品(例:血栓溶解酵素とも呼ばれるナットウキナーゼを含む納豆
  • 血液サラサラの効果が期待できるアリシンを含む玉ねぎ
  • 善玉コレステロールを増やす働きを持つDHAが豊富な青魚
  • 血栓予防になるといわれる海草きのこ類

参考文献:
高血圧治療ガイドライン2014 P10
ガイドライン+αの高血圧診療Q&A P10

まとめ

下の血圧について、今回の記事をまとめます。
  • 下の血圧が高い場合にあらわれる症状には頭痛・頭が重い・めまいなどがあるが、無症状のことも多い
  • 下の血圧が高いからといって、すぐに薬を処方されるわけではない
  • 軽い運動を取り入れる、食事を見直す、ストレスをためないなど普段の生活の見直しから始める

 

血圧の下が高くなっている場合、高血圧の予備軍か初期の段階であることがあります。

尚、血圧の下が高い場合は、動脈硬化が起こり始めていることも考えられるので、塩分を控えるなど食事のメニューにも気を遣いたいものです。

また、良質なタンパク質を摂って血管の弾力性を高めたり、悪玉コレステロール値を下げたり血栓予防したりと血液サラサラ効果が期待できる大豆製品やきのこ類などを使った料理がよいですね。参考になれば幸いです( ^ω^ )




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