ピルは避妊用だけでなく、子宮内膜症の治療やPMSの改善などにも用いられることがあります。
どんな薬にも副作用はありますが、ピルを服用していて高血圧になってしまった!
なんてこともあるのでしょうか?
ピルが原因で高血圧になってしまったなら、服用は中止しなければならないのでしょうか?
今回は、
- ピルで高血圧になることがあるってホント?
- もともと高血圧の人はピルを服用できない?
- 降圧剤とピルの併用は可能?
など、ピルと高血圧についてまとめてみました。
下の血圧(拡張期血圧)との関係も気になるところです。
ぜひ参考にしてください。
ピルの副作用で高血圧になることがある?
ズバリ・・・
高血圧になってしまうことがあります。
ピルを使用している人は、ピル以外の避妊方法をおこなっている人、または避妊をしていない人とくらべると下の血圧が上昇する、ということが確認されています1)。
また8年以上ピルを長期使用している人は、短期で使用している人とくらべて血圧が高くなる傾向にあります2)。
ピルを服用しているすべての人が高血圧になるというわけではありませんが、服用の際には処方された病院で、副作用での異常が出ていないかなどのチェックもあります。
家庭での血圧測定の方法はこちら→家庭での正しい血圧の測り方は?左右差・姿勢・血圧計のタイプも解説
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血圧が高い場合ピルは処方されないの?
上の血圧(収縮期血圧 )160mmHg 以上、下の血圧(拡張期血圧 )100mmHg 以上の人は、ピルの使用を控えるように、とされています3)。
いいえ。
上の血圧(収縮期血圧)140~159mmHg、下の血圧(拡張期血圧)90~99mmHgの場合にであっても、慎重投与するということになっています。
診察した医師の判断にもよりますが、軽度の場合の高血圧であっても処方されることもあればされないこともある、ということになります。
降圧剤を使用して高血圧をコントロールしている人も慎重投与の対象にはなりますが、ピルとの併用は可能です。
血栓症などの心血管系の疾患が起こりやすくなるからです。
また、症状が進んで悪くなったという例も。
だからもともと高血圧の人へのピルの処方は慎重におこなわれる、ということなんですね。
また妊娠中に妊娠高血圧の診断を受けている方も、ピルを服用することで血圧が上がってしまうことがありますので、医師に申し出るようにしてください。
参考)1)-3) 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)平成27年3月
そもそもピルって?
経口避妊薬といって望まない妊娠を防ぐ避妊薬として使うことが多い薬です。
避妊以外にも以下のような症状改善に使用されます。
- 生理不順
- 月経前症候群の改善
- ひどい生理痛
- 子宮内膜症の治療
- 子宮内のガンのリスク軽減
一部内科でも取り扱いのある病院もあるようですが、ピルは主に婦人科で処方されます。
もともとアメリカで開発された薬で、日本では中用量のピルが使用されていましたが、最近では低用量ピル、さらに超低用量ピルが主流となっています。
しかし血圧が上がる原因はピルだけではありません。
血圧が上がる原因はこちら→下の血圧(拡張期血圧)が高い場合の原因は?徹底解説しました!
最後に…
- ピルの副作用で高血圧になることもある
- もともと高血圧気味、降圧剤を服用している、妊娠高血圧の既往歴がある人はとくに注意!
- もともと高血圧の人にピルは処方されないこともある
- 降圧剤とピルの併用は可能
私の母も子宮内膜症を発症し、長年ピルを服用していますがかなりの高血圧です。
現在はあまりに血圧が高すぎるため、ピルの服用はできない状況になってしまっていますが、高血圧が副作用だということは初めて聞きました。
しかし長期間服用したのが原因なのか、ピルを服用しなくなった今も高血圧のままです。
薬なのでなにか副作用があるのはしかたのないことですが、きちんと知ったうえで服用することが望ましいですね。