健康診断で心電図検査を行い、検査結果が出ますが・・・見ても何の事を書いてあるかさっぱりということってありますよね。
しかし、心電図のところに「D2…要精密検査」と記載があれば・・・
- 自分は病気なのか?
- 心電図というと、心臓に問題が?
色々な悪い想像をしてしまいますよね・・・
そこで今回は、健康診断や人間ドックの心電図の結果について
- 心電図の結果の見方
- 心電図でわかること
- 心電図の再検査の意味
など、基本的なことを簡単に説明しましたので、参考にされてください。
心電図の検査結果!見方は?
心電図の検査結果は検診会社によって異なり、統一した表現ではありません。
そのため、健康診断や人間ドックの結果通知を見て、欄外の付属情報(説明)をきちんと読む必要があります。
- A:異常なし
- B:軽度の異常あり、日常生活に支障なし
- C:異常あり、再検査or経過観察が必要
- D1:要治療
- D2:要精密検査
- E:治療中(ペースメーカー使用など)
上記の区分でC~D2判定の場合は医師の指導にしっかり従い、再検査や治療が必要な場合はきちんと検査を受ける必要があります。
受診科は検診をうけた病院もしくは、お近くの
- 循環器内科
- 総合内科
などを受診してください。
その際に検査機器の整った病院がよりよいです。
心電図の異常、再検査を放っておくとどうなる?
心電図の判定が、D2でも危険性のない場合も多々あります。
しかし、逆にいうと怖い病気が隠れている可能性があるという事です。
自己判断して
「まあ大丈夫だろう」
と放置していると、気づいた事には取り返しのつかない事になってしまうことがあります!
再検査や要精密検査の指示があるのに、自己判断で放置した結果最悪の場合死に至るケースもあります。
アイドルの突然死でも話題になりましたが、致死的になりうる心室細動(「Vf」不整脈の一種)に発展してしまうのが最も怖いところです。
せっかく受けた人間ドックで異常が見つかったならとことん検査をして「安心」を手に入れましょう。
そもそも心電図で何がわかる?
- 不整脈(心臓のリズム)
- 心筋梗塞や狭心症などの心筋の異常
- 心臓の大きさや弁の形状などの形態異常
- 体内の電解質の異常
などが分かります。
- QS波
R波増高不良
異常Q派 - 高いR派
左室高電位
両室高電位 - ST接合部とST下降
軽度ST-T低下の疑い(上行傾斜型・U字型)
軽度ST-T低下(水平型・下降傾斜型)
軽度ST-T低下の疑い(下降傾斜型) - ST上昇
プルガダ型ST上昇(coved型)
プルガタ型ST上昇(saddle back型) - T派
陰性T派≧0.5mV - 房室伝導障害
Ⅱ度房室ブロック(wenckebach)
Ⅱ度房室ブロック(mobitz)
Ⅱ度房室ブロック(2:1)
WPW症候群 - 心室伝導障害
間欠性完全左脚ブロック
完全左脚ブロック
心室内ブロック
完全右脚ブロック+左脚前枝ブロック
完全右脚ブロック+左脚後枝ブロック
しかし、これらは病名ではありません。
あくまで心臓の動きを電気的な波形で表したものである為、これらの症状自体が病気なわけではないのです。
リスク低の心電図
上室性・心室性期外収縮など、これらの場合は健康的な人でも見られる場合があります。
体格や年齢などによりこのような波形がでる場合があるので、健康診断など定期的な観察が必要になります。
しかし、自覚症状や異常を感じている場合は病院を受診しましょう。
リスク中の心電図
心房細動・異常Q波・軽度ST降下など・・・
これらの場合は
などの可能性があります。
場合によってはすぐに治療が必要な場合があるので、受診する必要があります。
リスク高の心電図
高度ST降下・高度陰性Tなど・・・
これらの場合は、すぐに病院を受診する必要があります。
心疾患があるか、過去知らないうちに心筋梗塞になっていた可能性があります。
その場合、慢性の心不全になる可能性もあるので、早急に詳しい検査をしてもらいましょう。
参考文献:四訂版 病院で受ける検査がわかる本P78~83
参考文献:新 検査のすべてがわかる本P154~157
参考文献:検査のしくみ 検査値の読み方P116
参考文献:きょうの健康 検査でわかることP100~109
参考文献:病気がみえるvol.2循環器P356・357
最後に…
細かく心電図の結果を素人が判断するのは難しいものですが、この健康診断で再検査となったからといっても、必ずしも病気につながるわけではありません。
生活習慣に気を付け、睡眠や食生活も改善していくだけで問題ないこともあります。
しかし、せっかく体のために受けた検査です。
もしものことにつながらないためにも、検査結果の通りに、再検査が必要な場合はきちんと受け、安心を手に入れましょう。