「私は、毎年会社の健康診断を受けているから、人間ドックは受けなくてよいのでしょうか?」
このようにおっしゃる方がおられますが、健康診断と人間ドックは同じものではないのです。
と申しますか、全く別物と考えたほうが良いでしょう。
今回は、健康診断・人間ドック、それぞれについてご説明し、
- 健康診断と人間ドックの違い
- 詳しい健康診断
- 人間ドックの必要性
などについてお話しします。
参考にされて下さい。
[adsense]
健康診断とは?
自覚症状などはない人が、
- 隠れた病気を見つけるため
- 自分の健康状態を知るため
- 生活習慣病を予防するため
に行うのが、健康診断です。
ただし、がんの特定まではできず、がんを含む、何かしらの疾患や問題がある疑いがある・・・ということが健康診断では分かります。
つまり、病気の特定ではなく、疑いが分かるというわけです。
健康診断=一般健診(定期健診)のことで、1年に1回行われことが多いです。
- 身長
- 体重
- 血圧
- 尿検査
- 血液検査
- 視力検査
- 聴力検査
- 胸部レントゲン検査
- 心電図
などの検査が行われます。
日本ではすべての人が、その年齢に応じた健康診断を受けられるようになっています。
健康保険組合によって異なりますが、多くは無料で受けられますし、有料の場合でも、数百円〜数千円と比較的手頃な料金で受けることができるものです。
- 乳幼児健康診査:生後〜小学生
- 学校健診:小学生〜大学生
- 職場健診:会社
- 住民健診:主婦や自営業者
人間ドックとは?
健康診断とは異なり、保険が適用されません。
金額は、受ける検査機関や内容(検査項目)によっても異なりますが、全額自己負担となるので高額になります。
人間ドックでは、重篤な疾患などを発見することができるものとなっています。
- 身長
- 体重
- 血圧
- 尿検査
- 血液検査
- 視力検査
- 聴力検査
- 胸部レントゲン検査
- 心電図
という基本的な健康診断の項目ももちろん人間ドックには入っていますが、血液検査や尿検査の検査項目は健康診断よりもさらに詳しい部分まで分かりますし、上記以外にも
- 胃カメラ検査
- バリウム検査
- 超音波検査
- 便検査
なども加わり、心臓・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・食道・胃・十二指腸・脂質・感染症・糖尿病など、体の疾患を調べることができますし、オプションで
など、さらに詳しく体の状態・疾患を調べることができます。
つまり・・・健康診断が、費用対効果を考えたなるべくコストのかからない検査が選択されるのに対して、人間ドックの場合はより病気を発見しやすい検査を選択することができます。
関連記事)
人間ドックと健康診断の違いは?
- 国が医療費を削減する目的で行っているのが健康診断
- 健康診断は、保険負担なため、無料〜比較的手頃な価格で受けることができる
- 人間ドックは、保険適用外なため、費用が高い
- 人間ドックは、受診者が検査方法を選べる
- 人間ドックは、健康診断で分かる項目よりも、さらに詳しく体の状態・疾患が分かる
人間ドックで異常がないからといって、重大疾患や癌がないとは言い切れませんが、健康診断で異常がないからといって、これらの疾患がないとはますます言えないということです。
- 健康診断は、自分の健康状態を知ることができる検査
- 人間ドックは、自分の健康状態から、隠れた疾患を発見できる検査
という考え方が良いでしょう。
どちらも、この検査で問題があれば=疾患がある・・・ではなく、再検査・要注意などとして、さらなる詳しい検査をして病気の特定を行う必要があります。
では、健康診断では病気の特定は無理なの?
と思いがちですが、健康診断でも人間ドック同様オプションで自分で選択して受けられる検査があります。
[adsense]
オプションで受けられる健康診断
健康診断でも自分でセレクトしてさらなる詳しい項目が分かる健診があります。
それが、特定健康診査や対策型がん検診です。
特定健康診査(メタボ健診)
子供と同じ項目だけでは、予防できないということで始まったのがこのいわゆるメタボ健診です。
40歳から74歳の方が対象で、生活習慣病にフォーカスを当てた健診です。
高齢化により生活習慣病患者は増大の一途で、当然それに伴い、医療費は年々増大しています。
病気になるとその治療にお金がかかりますが、それなら予防にお金をかけたほうが経済的というわけです。
そこで、生活習慣病になる前に予防しようというのが、この健診も目的で、いわゆるメタボ健診と言われるものです。
生活習慣病というと、言葉が曖昧でわかりにくいですが、
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
を早期発見して、
- 心筋梗塞
- 脳卒中
の死亡率を下げるのがこのメタボ健診の目的です。
対策型がん検診
市区町村によっては、「がん」を発見しにいく目的で、一般健診、メタボ健診以外にも、がん検診を行っているところもあります。
これは、5大がん(胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん)を早期発見することを目的とした検診です。
ただし、同じガンを見つける検査にも種類が複数あるうちで、国としては費用対効果を考えた安価でできる検査が選択されます。
また骨粗鬆症なの検査などを受診できる制度もあります。
ここまで健康診断で分かるなら、人間ドックは必要ないのか?
と思ってしまいがちですが、そうではありません。
人間ドックの必要性
人間ドックの必要性・・・そこは年齢やリスク因子にもよります。
年齢が高くなれば、それだけ様々な病気の心配が出てきますし、病気には遺伝も関係するため、リスクがある人は健康診断よりもさらなる詳しいことが分かる人間ドックが必要というわけです。
例えば、リスク因子のない20歳代の健康な人が毎年人間ドックをフルコースで受けたりするのは、被曝などの面で正しい選択とはいえないこともあります。
詳しくはこちらをご覧ください→人間ドックの年齢別おすすめ頻度教えます!これで安心♪
ただし、健康診断ではなかなか発見されないものの一つが実はがんであり、胃がんや大腸がんの中には、簡易的なピロリ菌検査や便に血が混じっていないかを調べる便潜血検査では、発見できないものもあります。
健康診断に加えて、人間ドックで内視鏡などを追加する必要があるのです。
- 健康診断は基礎検診
- 人間ドックは基礎検診+任意検診
と呼ばれます。
つまり、人間ドックは健康診断の代用ではなく、両方を受けることが重要です。
そこを考えると、人間ドックの必要性もお分かりいただけるかと思います。
参考文献:本当は怖い!健康診断&人間ドック
参考文献:プレミアム人間ドック
参考文献:ひと目でわかる!健康診断 検査項目と結果の見方 万全ブック
まとめ
健康診断と人間ドックの違い、健康診断の種類や、それぞれどういったことを調べる検査なのかについてまとめました。
健康診断は最低限の検査であるという認識を持ちましょう。
健康診断を受けているから、安心だとは思わず、がん検診や生活習慣のリスクをチェックするためには、個々のリスクに応じた人間ドックを受診することも考えましょう。
[adsense]