人間ドックのオプションとしてもある、脳ドックはその名の通り脳を調べるドックです。

人間ドックは受けていても、この脳ドックを定期的に受けているという人は、意外と少ないですよね?

その中でも、30代などの若い世代で受けているという人は・・・より一層少ない現状です。

しかし、

「自分は受けた方がいいのではないか?」
「何歳から受けた方がいいのか?」

と感じている方も多いのではないでしょうか?

では実際、脳ドックでは何歳から必要なのでしょう?

今回は、脳ドックの必要性について

  • わかること
  • 受けるべき年齢
  • 受けるべき人
  • 若い人が受ける場合

などをお話ししたいと思います。


脳ドックとは?必要性を考えよう!

人間ドックでは、首から下の病気を見つけることができますが、脳の病気を見つけることはできません。

脳ドックは脳の病気を発見できるだけでなく、将来起こるりうる脳血管障害のほか、認知症を起こす原因となる異常を見つけることができ、予防や治療にも役立つのです。

hp

医師
脳ドックでわかるのは、以下のようなものがあります。
  • 脳梗塞(新しいもの・古いものともに)
  • 脳出血(新しいもの・古いものともに)
  • 脳腫瘍
  • 脳の加齢性変化
  • 脳の萎縮の程度
  • 未破裂脳動脈瘤
  • 動脈硬化症

などがあります。

詳しくはこちらをご覧ください。→【画像あり】脳ドックの検査項目(内容)とは?わかることは?

実際、ある医療機関では、年間約4千人が脳ドックを受けた中

  • 脳動脈瘤→1.2%
  • 高度の動脈硬化症→1%以下
  • 脳腫瘍(悪性良性合わせ)→0.51%

に認められています。1)

このことから、確率は少なくても、実際に脳の病気を早期に見つけることができ、助かっている人がいるというのがわかります。

脳ドックは何歳から必要?

結論からいうと、何歳から受けるべきかということに対する明確な答えはありません。

ただし、脳梗塞や認知症の危険性が高まる60代以降は、どちらかというと受けるべきと言われています。

では、30代などの若い世代は受けなくても大丈夫なのか?

というと・・・そうではありません。

芸能人でいうと、globeのKEIKOさんが39歳の時に、くも膜下出血で救急搬送されたように、若くして脳の病気になることもあるのです。

そのため、何歳から受けるという年齢を気にするよりも、脳の病気になりやすい人(なる可能性が高い人)が受けるべき検査でもあります。

何歳からという問題に実は答えはありません。

と言われても・・・・・という人のためにあえて何歳からというならば、40歳代に一度受けてみることをオススメします。

ここで何も問題なければ、その次受けるのは毎年でも構いませんが、基本的に数年に一度でいいでしょう。

[adsense]

脳ドックを受けるべき人とは?

  • 高血圧
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • 家族歴がある

hp

血縁関係に、動脈瘤の既往歴ある人がいる場合、脳動脈瘤のできる確率が上がりますので、人間ドックで動脈瘤をチェックする価値はあるのです。

詳しくはこちら。→ 脳ドックを受けるべき人はどんな人?

若くして脳ドックを受けてチェックするべきことは?

若くして脳ドックを受けてチェックすべきことには、

  • 脳動脈瘤・動脈の狭窄(動脈硬化)
  • 慢性虚血性変化
  • その他

などが挙げられます。

脳動脈瘤・動脈の狭窄(動脈硬化)

1つは脳動脈瘤・動脈の狭窄です。

これはMRAという脳の動脈を観察する検査を受ければわかります。

MRAとは下の動画のような画像が得られます。

ここにいわゆる「こぶ」の形をした脳動脈瘤がないかを、くまなくチェックします。

また、動脈硬化が強くなっていないか、動脈に狭窄がないかなどをチェックします。

脳ドックで見つかる動脈瘤の発見率などはこちらにまとめました。→脳ドックで脳動脈瘤の発見率は?破裂率は?

慢性虚血性変化

他には、慢性虚血性変化といって、脳にある深部白質変性の程度をチェックします。

若いのにこの変化が強い場合、将来脳梗塞になりやすい・くも膜下出血のになりやすいや、他の脱髄疾患の可能性もありますので、それらの病気を除外することもできます。

慢性虚血性変化についてはこちらに詳しくまとめました。→脳MRIの慢性虚血性変化とは?イラストと画像でわかりやすく解説!

その他

他には、たまたま見つかる脳腫瘍や動静脈奇形やモヤモヤ病などの血管奇形などもありますが、頻度は低いです。

 

しかし、これらで以上が見つかれば、予後に直結するというわけではなく、将来の予防にもつながります。

そのため、受けることに大きな意味はあります。

1)参考文献:増補新版「人間ドック」健康百科P262
参考文献:増補新版「人間ドック」健康百科P260〜266
参考文献:プレジデントムックPRESIDENTαプレミアム人間ドックP90
参考文献:本当は怖い!健康診断&人間ドックP6

→脳ドック特集 脳ドックを受けられる施設を探してみる!

最後に

いかがでしたでしょうか?

脳ドックは保険がききませんので、高額な検査になります。

何歳から受けるべきかということには一般的には答えがないのですが、受けて何もなければ心配も晴れると思いますので、除外目的で受けられる方が多いです。

まずは、ご自分の体質・家族歴・病歴から見つめ直し、検討してみてください。




関連