脳ドックは、人間ドックの「脳だけ版」であり、主に脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)のリスクを知ることが目的で行われます。
現在の自分の脳の状態を知ることで、生活習慣を改善したり、場合によっては専門科の受診のきっかけとなります。
そんな脳ドックですが
- 費用(料金)はいくらくらいかかるものなのでしょうか?
- 施設によって費用(料金)に差があるのはなぜなのでしょうか?
- 安い脳ドックには何か理由があるのでしょうか?
今回はそんな脳ドックの費用(料金)に関する疑問を徹底解明します。
脳ドックの費用(料金)の相場はいくら?
脳ドックの費用(料金)は施設によっても異なりますが、3-6万円程度が相場で一般的とされます。
では、なぜ値段に差があるのでしょうか?
安い脳ドックではダメなのでしょうか?
脳ドックの費用(料金)に差があるのはなぜ?
同じ脳ドックであってもこのように値段に幅があるのは、
- 受ける検査の数
- 脳のMRIで撮影するシークエンスの数
- 検査の機器の新しさ
- 施設が決める値段
に幅があるからです。
受ける検査の数
脳ドックは、
- 脳のMRI
- 脳のMRA(脳の血管の検査)
が一般的です。
これに加えて、頸部のMRA、超音波検査をオプションで追加すると値段は上がってしまいます。
脳ドックの検査項目(内容)について詳しくはこちら→脳ドックの検査項目(内容)は?何がわかるの?
脳のMRIで撮影するシークエンスの数
脳のMRI検査は、CTなどと異なり撮像方法が複数あります。
- T1強調像
- T2強調像
- FLAIR像
- 拡散強調像
- T2✳︎強調像
などです。
これらの撮影方法(シークエンス数)が増えにつれ、検査の費用が高くなる傾向にあります。
そして、撮影方法が増えた方がより病気を発見しやすいというのは事実です。
例えばT2✳︎強調像は撮影されないこともありますが、実はこの撮影方法では小さな古い出血を見つけることができます。
脳のMRI検査でわかることはこちらにまとめました→脳のMRIでわかることは?
検査の機器の新しさ
もう一つ大事な点として、脳ドックを受ける施設のMRIを撮影する装置の新しさ、磁場数(T(テスラ)と呼ばれます)の多さが挙げられます。
脳ドックを受けるには、1.5T(テスラ)以上の装置(1.5Tもしくは3T)でMRI、MRAの検査を受けることが勧められます。
というのは、これ未満の装置の場合は、1.5Tでは発見できる動脈瘤を発見できないこともあるからです。
そして、この磁場数が多い装置ほど、検査の費用は一般的に高くなります。
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安い脳ドックではダメ?
安い脳ドックの場合、本当に簡易的に、
- MRIの1つの撮影方法のみ
- 脳の血管を見るMRA
の2つのみ撮影して、2万円前後という施設も中にはあります。
ただしこの場合、撮影する装置が古かったり、磁場数が低いため、病気の検出の精度が悪い場合もあるので注意が必要です。
また、撮影方法(シークエンス)が少ない場合、病気の鑑別が十分にできず、結局もう一度撮影方法を増やして受けなくてはならなくなることもあります。
つまり、最初から値段が高い検査を受けておけばよかったとなることもあるのです。
MRIの場合、人間ドックとして受けるのであれば、できるだけ1.5T(テスラ)以上の磁力を持った機械で受けることをおすすめします。
脳ドック施設を探してみる→脳ドックを行なっている施設
最後に
脳ドックの費用(料金)の相場と、なぜ値段に違いが生じるのかの理由についてまとめました。
できるだけ安く済ませようとするのではなく、機械の質および撮影方法の種類にはあまり妥協はしない方がよいということですね。
せっかく受けたのに、あるはずの病気が見つからなかった、二度手間になったということはよくある話です。
ちなみに3T(テスラ)のMRI装置で撮影して作った脳のMRIの正常解剖アプリはこちらです。
無料で使えますので、MRIで脳がどのように見えるのかご興味がある方はチェックしてみてください。
(ただし、PCもしくはタブレットにのみ対応しています。)