授乳中の方にとって、レントゲンを受けることで授乳に影響がないか不安になる事もあると思います。
また、人間ドックにおいては、胃カメラ検査やバリウム検査など、検査を受ける事で赤ちゃんへの授乳に影響がないかと考えるのは自然なことですね。
そこで今回は、
- 授乳中にレントゲンを受けたら母乳に影響があるのか。
- 授乳中の人間ドックの各検査は受けられるのか。
について徹底的にまとめました。
授乳中にレントゲンを受けたら母乳に影響がある?
レントゲンには、
- 胸部X線検査
- マンモグラフィー
- 歯科X線検査など
がありますが、これらのX 線検査を受けたからといってその後に体から放射線を出すことはありません。
レントゲンに使われるX線という放射線は比較的エネルギーが低い(胸部X線の場合、胸部CTの被ばく量の100分の1程度と言われます)ものです。
そのため直接検査を受けた本人にも影響はほとんどないとされています。
もちろんだからといって何度でもレントゲンを受けて良いと言うのではありません。
一般的に、「放射線を浴びる→放射能を帯びる」という考え方をされがちですが、これは基本的には間違いです。
授乳中のマンモグラフィーの注意点
マンモフラフィーも X 線撮影の一種であり、授乳に与える影響はないといえますが、正しい検査結果が得られない場合があります。
その理由としては、以下のことが挙げられます。
- 授乳中は画像上で乳腺が厚みを増し、乳腺が白っぽく写ってしまうことがある。
そのため、検査の精度が通常より落ちてしまい、病変を発見することが難しくなるためです。
ですので、現在しこり等の病変を疑うような事がなければ、断乳後6ヶ月~1年経過してから検査を受けたほうがよいでしょう。
また、マンモグラフィーは痛みを伴う検査であり、特に乳腺が張っているこの時期は痛みも強くなりがちですので、そういった面からも時期をずらすのがおすすめです。
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授乳中の人間ドックは?検査別に解説!
その理由は、産後の母体の回復期間を考慮しての事です。
それでは、人間ドックの検査項目の中から以下についてそれぞれ説明します。
- 胃カメラ
- バリウム
- MRI
- 核医学検査
胃カメラ
胃カメラを受ける事は可能ですが、検査に伴い鎮静剤を使用する場合は、医師の判断を仰ぐようにして下さい。
詳しい記事はこちら→胃カメラは妊娠中や授乳中に受けられる?鎮静剤の副作用は大丈夫?
バリウム
バリウムは体内に吸収されずにそのまま体外へ排出されますので、授乳への影響はありません。
ただ、バリウムが長時間腸内に残って排泄されずにいると、水分が吸収され便が固くなり排泄が困難になることがあります。
そのためバリウムをきちんと出す事は重要となり、下剤を服用することがすすめられています。
しかし、この下剤の成分によっては母乳に移り、赤ちゃんが下痢を起こしてしまう可能性があります。
ですから、授乳中の方はその旨を事前に医師に伝え、母乳に混ざらない種類の下剤を処方してもらうか、バリウム検査自体を検討し直すことをおすすめします。
詳しい記事はこちら→バリウム検査は授乳中でもできる?下剤は飲める?
MRI
MRI検査は、造影剤を使用しない検査であれば母乳への影響はありません。
造影剤については、薬剤添付文書に、「造影剤投与後最低でも24時間は授乳を控えるようにして下さい。」と記載されています。
詳しい記事はこちら→授乳中の人が造影MRIを受けた場合の影響は?
核医学検査
使用する放射性薬品の種類にもよりますが、半日~数週間の間は授乳を控えて下さい。
核医学検査を実施した際の授乳を控える期間
- 4時間授乳を控える:出血シンチ、レノグラムなど
- 12時間授乳を控える:骨シンチ、アシアロシンチなど
- 3週間は授乳を控える: ガリウムシンチ、心筋血流シンチなど
上記の期間はあくまで目安ですので、検査を行なった医療スタッフに確認するようにして下さい。
まとめ
- 授乳中にレントゲンを受けても問題ない。
- マンモグラフィーは正しい検査結果が得られない場合があるため、断乳後6ヶ月~1年経ってから検査を受けたほうがよい。
- 授乳中でも人間ドックは受けられるが産後6ヶ月以降の受診がすすめられる。
- 造影剤や下剤、検査の前後に使用する薬などが授乳に影響するか不明な場合は検査前に必ず確認する。
- 核医学検査では、使用する放射性薬品の種類にもよるが、半日~数週間の間は授乳を控える。
- 授乳中にバリウム検査は受けられるが注意が必要。
授乳中でもレントゲンを受けても問題ないことがお分かりいただけたと思います。
親になると自分の健康を差し置いてでも子供を優先してしまいがちです。
しかし、自分が健康でなければ子供のお世話も出来なくなりますので、まずはしっかり検査するようにして下さい。