Acute hepatitis Eye-catching image

 

肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、何らかの問題が起こっていても、初期にはその症状に気付きにくくあります。

その為、肝炎などの肝臓の病気の発見が遅れると、肝硬変肝がんと症状が進んでしまう可能性も・・・。

その様な事態を避ける為にも、肝臓に現れる症状や原因への知識を持たれる事は大切になります。

その中でも今回は、患者数の多い肝臓の病気である急性肝炎(英語表記で「Acute hepatitis」)について、

  • 症状
  • 原因
  • 感染

などを分かりやすく説明したいと思います。


急性肝炎とは?

急性肝炎は、主に肝炎ウイルスへの感染が原因として発症する、急性の肝臓機能障害を起こす炎症の事です。

Acute hepatitis 1

慢性肝炎が半年以上の肝機能異常がとウイルス感染が続いた状態ですが、急性肝炎はそれより短いものをいいます。

詳しくはこちら→慢性肝炎の症状と原因は?

急性肝炎にはどんな症状がある?

急性肝炎の前駆期の症状は、風邪やインフルエンザの症状に似ていたり、または症状が見られない事もあります。

症状の重症度や回復に掛かるまでの時間は、感染したウイルスの種類や個人としての感染への反応により大きく違いがあるとされています。

以下が、急性肝炎が疑われる主な症状となります。

 風邪の様な症状として

  • 全身倦怠感
  • 発熱
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 関節痛
  • 右脇腹の痛み
  • 食欲不振

などがあります。

また、以下のような症状が見られることもあります。
  • 黄疸
  • 褐色尿

急性肝炎の特色的な症状として黄疸があります。

黄疸は、白目の部分の黄色く染まったように見え、皮膚の色も黄色くなりあらわれます。

又、褐色尿とは、尿の色が濃くなり、さらに進行すると真っ黒に変化する症状です。

 

急性肝炎の原因は?

急性肝炎を引き起こす原因としては、

  • ウイルス性(最多)
  • 薬剤性
  • アルコール性
  • 自己免疫性

などがあります。

1つひとつ見ていきます。

 ウイルス性肝炎

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A型・B型・C型・D型・E型の5種類が現在確認されていますが、この中で日本人に多いのは、A型、B型、C型の3種類です。

その中でも、A型B型C型、が特に多いですので、以下にそれらに感染する原因をまとめました。

  • A型肝炎―汚染された水や生鮮海産物、生の貝類などを食べる事で起こる経口感染です。海外渡航時などに生水や生ものの摂取で肝炎になるのはこのA型肝炎です。
  • B型肝炎―B型肝炎ウイルスに汚染された血液が傷口や注射の針事故などで体内に入り込む事で感染する、血液による感染です。
    感染経路は主に、出産時の母子感染性交渉による感染、などが多いとされますが、医療現場での針刺し事故も有名です。
  • C型肝炎―B型肝炎と同じく血液によって起こる感染です。
    感染力は弱く、血液に触れたぐらいで感染することは無いとされています。
    日常の生活においてうつる心配は無く、ほとんどの場合は輸血によるものですが、他にもB型肝炎同様に医療現場での針刺し事故でも起こることもあります。
ウイルスが最多ではありますが、それ以外にも薬剤・アルコール・自己免疫が原因で起こる肝炎もあります。

薬剤性肝炎

服用した薬剤が原因で起こるものです。

アルコール性肝炎

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常習的にアルコールを多量摂取し続ける事で起こるものです。

 自己免疫性肝炎

免疫機構に何らかの障害が起こり、肝障害を起こしてしまうものです。

急性肝炎は命に関わる?合併症は?

急性肝炎は、ほとんどの場合において数ヶ月ほどで症状は治まるとされています。

しかし、中には劇症肝炎になる可能性もあり、症状が悪化してしまい、肝性脳症という意識障害が起こることがあります。

劇症肝炎

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  • 感染症
  • 脳浮腫
  • 消化管出血
  • 腎障害

などの重い合併症状を発生させて、多臓器不全を起こす可能性もあります。

その為、劇症肝炎は肝臓病の中でも死亡率が高いものです。

急性肝炎は感染する?

A型肝炎への感染は日本国内では減少傾向にありますが、海外の衛生状態の良くない地を訪れた旅行者などが感染して、帰国後に発生してしまうケースがあります。

B型肝炎には、一時的な感染の一過性感染と、一生涯持続する持続感染とがあります。

持続感染の多くは、出産時にB型肝炎ウイルス持続感染者の母親から感染します。

他の感染経路としては、歯ブラシやかみそりの共有刺青ピアス薬物での針の使いまわし性交渉により感染する可能性が高いとされています。

  • 参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P276〜280
  • 参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P181〜192
  • 参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P168〜190
  • 参考文献:内科診断学 第2版 P877〜883

まとめ

  • 急性肝炎の前駆期の症状は、インフルエンザの症状に似ていたり、または、症状が見られない事もある
  • 症状の重症度や回復に掛かるまでの時間は、感染したウイルスの種類や個人としての感染への反応により大きく違いがある
  • 急性肝炎は、ほとんどの場合において数ヶ月ほどで症状は治まる
  • 劇症肝炎は肝臓病の中でも死亡率が高い
  • 急性肝炎は、主に肝炎ウイルスへの感染が原因として発症する急性の肝臓機能障害を起こす炎症の事
  • 日本人の肝炎の原因のほとんどは、ウイルス性肝炎

 

肝炎に似た症状が現れる病気は他にもありますが、悪化しないうちに、気になる症状がある際には医療機関を受診し、適切な検査をおこないましょう。




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