肝炎というと、その80%はウイルス性で、A型肝炎、B型肝炎やC型肝炎というのはよく耳にしたことがあるかとは思いますが、中には自己免疫性肝炎というものもあります。
「自己免疫性肝炎って何?」って分からないことも多いですよね。今回は、自己免疫性肝炎について・・・
- 症状は
- 診断は
- 治療法は
ということをご説明したいと思います。
自己免疫性肝炎の症状とは?
- 発熱
- 倦怠感
- 黄疸
- 食欲不振
- 関節痛
自己免疫性肝炎は、症状が出ない場合も多くありますが、倦怠感を訴える人が60%、黄疸症状が出る人が35%います。ですが、これらの症状は他の病気にも似ているため、たまたま健診で見つかることが多いんです。
男性に比べて女性に多く、特に40代以上の人に多いものです。ですが、発見が遅れると肝硬変にまで進行し、吐血を伴う場合もあります。
自己免疫性肝炎は、自己の抗体で肝臓に攻撃をして、肝臓の数値があがる疾患です。ですが、はっきりとした原因は分かっていません。
- ストレス
- 紫外線
- ウイルス感染
どれも定かではありませんが、ウイルス感染の中でも、A型肝炎ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス、麻疹ウイルス、などは原因になるのではないかと考えられています。
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自己免疫性肝炎の検査と診断方法とは?
検査方法
- 血液検査
- 腹部エコー
- 自己抗体(抗核抗体など)と免疫グロブリンの測定
- 肝生検
健診等で肝機能に異常が見つかり発見されることも多いものですが、上記でご説明したような症状が出て、検査をする場合は以上のような検査を行います。
自己抗体は100%陽性になると言われており
- 抗核抗体
- 抗平滑筋抗体
- LKM抗体
が陽性になります。
血液検査では、トランスアミラーゼなどの肝機能検査を行います。また、他の疾患との違いを見極めるために腹部エコーも行われます。
肝障害だと血清タンパクの異常を推測するZTTやγグロブリン、IgGといった数値が高くなり、なおかつ抗核抗体が陽性であると自己免疫性肝炎の可能性が高くなります。
ですが、自己免疫性肝炎を確実にする診断検査マーカーなどがないので、副腎皮質ステロイドを投与して効きが明確ならば、診断確定となったりします。
診断方法
- B型、C型肝炎が陰性
- トランスアミラーゼ優位の肝機能異常である
- 他の肝疾患に異常がない
- CRPや血沈などの炎症反応が上昇
- 副腎皮質ステロイドが効果的
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自己免疫性肝炎の治療法は?
検査の一貫としても効きを確認された副腎皮質ステロイドの投与が治療として最も効果的です。この薬で効きが良ければこの薬だけで治療を進めることができますが、長期間服用する必要があります。
基本的に、生涯服用を続ける必要があります。ですが、この薬には副作用もあるあるため、状態を見ながら量を減らしたりしながら調整していくことになるんです。
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最後に
- 自己免疫性肝炎は症状がない場合もあるが、倦怠感や黄疸が症状として多い
- 自己の抗体で肝臓に攻撃をして、肝臓の数値があがる疾患
- 原因は不明
- 40代以上の女性に多い
- 健診などで見つかることが多い
- 血液検査や腹部エコー、抗核抗体と免疫グロブリンの測定、肝生検などの検査が行われる
- 副腎皮質ステロイドが診断確定にも治療にも用いられる
- 薬物療法は生涯続ける必要がある
症状が出ていて、B型肝炎、C型肝炎などの異常がなければ肝生検を行った方が早いということも多いです。早期に治療をすれば薬の効きもそれだけ早いですし、病気の進行も防げます。
逆に、治療が遅くなればそれだけ病気も進行し、様々な症状が出てくるものです。迷ってるよりはまず検査をおすすめします。