糖尿病というと、合併症が怖いと聞いたことありませんか?
動脈硬化・網膜症・腎症・そして神経障害というのがあります。
生活に支障が出たり、命に関わったり、大変怖い合併症ですが、その中でも今回は神経障害に注目したいと思います。
え〜!!!
切断するまでに!?
そこで、そんな最悪な結果にならないために、糖尿病の合併症で起こる神経障害について
- 症状
- 原因
- 治療法
- 予防
などをまとめました。
参考にされてください。
糖尿病の合併症で起こる神経障害の症状とは?
どんな症状があるのでしょうか?
糖尿病の合併症の中で最も早期に出て、しかも頻度が高いのが神経障害です。
この神経障害は、
- 末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)
- 自律神経障害(じりつしんけいしょうがい)
があります。
末梢神経障害
末梢神経は体の隅々まで張り巡らされている神経で、痛みや冷たさを感じたり、手足を動かす指示を出すものですが、糖尿病で高血糖の状態が長く続くと以下のような症状が出ます。
- 足指の違和感
- しびれ
- 痛み
- 冷え
- ほてり
- こむら返り
- 感覚麻痺
など、糖尿病の足病変(diabetic foot)といわれる症状が出現するのです。
最初は、足指に何がが貼りついてるような違和感、正座し続けた時のようなしびれや痛み、そしてこむら返りなどの症状があります。
そして、それらの症状が進行すると、今まであったような感覚わ分からなくなる麻痺が起こります。
麻痺が起こると、怪我しても気付かない、熱い冷たいなどの感覚もなくなり、気付いた時には骨折してたなど症状が進行してることも・・・。
また、これらに気づくのが遅れると、潰瘍や壊疽まで進んでしまうこともあるため、早期に気づくことが大切です。
自律神経障害
自律神経は、自分の意思とは関係がなく、胃腸・血圧・排尿などを調節する働きのある神経ですが、障害されると
- 胃もたれ
- 便秘
- 下痢
- 立ちくらみ
- 尿障害(出が悪い)
- 勃起障害(ED)
などが起こります。
これ以外にも、心筋梗塞などが起こっても症状(胸痛や胸の締め付けなど)が出ずに気づけないこともあるのです。
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糖尿病で神経障害が起こる原因は?
糖尿病になると、血糖値が上がります。
この高血糖状態が神経にも影響を及ぼし、
- 神経がむくんでしまったり
- 蛋白がたまったり
- 本来なら神経に栄養を送るはずの血管が詰まり、神経が死滅したり
そうすると、感覚が分からなくなってしまうというわけです。
メカニズムとしては・・・
高血糖となる→糖尿病→高血糖状態が続く→合併症が起こる
糖尿病の治療で血糖値をコントロールできてたらいいのですが、先の長い糖尿病は薬との付き合いが非常に重要であり、それを怠ると高血糖となり、その高血糖が続くと合併症が起こるというわけです。
関連記事)糖尿病の合併症で怖い腎症。症状は?
糖尿病の神経障害が出てるかどうか、検査する方法は?
- 自覚症状はあるか
- 危険因子はあるか
などを確認します。
神経障害の初期症状として、足のしびれや疼痛、筋力低下があるため、それを早期に危険因子として見つけることが重要です。
そして、症状により、以下のような血流障害の症状分類(フォンティン分類)があります1)。
※間欠性跛行とは、歩行中下肢に疼痛や痺れが現れ、休息すると楽になるものの、再開するとまた症状も再発するものです。
糖尿病の神経障害の治療法は?
初期の場合には、血糖値コントロールで症状を抑えることが出来ます。
ですが症状が進むと、血糖値コントロールに加え、症状に応じた治療が必要になるのです。
- 局所治療・・・(壊死組織の除去・ドレッシング・陰圧閉鎖療法)
- 血流障害治療・・・(薬物療法・血行再建術)
- 免荷・・・(創部に負荷をかけない)
- 感染症治療・・・(抗菌薬投与)
- 全身の治療・・・(浮腫・心不全・腎不全・栄養状態などのコントロール)
などがあります。
しかし、症状が進んでしまうと、これをしたらすぐ改善されるという特効薬がありません。
なので、症状が進行しないようにするために予防が大切なんです。
関連記事)糖尿病の合併症で眼に出る網膜症とは?
糖尿病の神経障害を予防法することはできる?
- 検査を行い、今の状態を知る
- 適切な履物を用いる
- 爪を正しく切る
- 禁煙
- 自分の体をよく観察する
- 熱傷に注意
まずは、糖尿病の治療が第一ですが、こういうことになる可能性があることを知り、日頃からフットケアをすることも重要です。
ですが、既に感覚麻痺などの症状が進んでしまってる場合、運動に制限がかかることもあります。
そして、定期的に血糖値を測り、今の状態を知ることも大切で、血糖コントロールがカギです。
また、タバコは血流を悪くしたり、血糖値や血圧上昇につながることもあるので、禁煙をすることが勧められます。
詳しい足病変の予防については、こちらをご覧下さい。→糖尿病の足病変の症状は?予防はできる?
参考文献:
病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌P82〜85
糖尿病治療ガイド 2016ー2017 P86・87
患者さんとその家族のための 糖尿病 治療の手びき 改訂第56版P25
1)糖尿病・代謝・栄養疾患 ビジュアルブックP110 P106〜113
最後に
糖尿病の合併症である神経障害について、ポイントをまとめます。
- 神経障害には、末梢神経障害と自律神経障害がある
- 足などの末梢神経麻痺として、しびれや違和感、痛み、症状が進むと感覚が麻痺してくる
- 病気の前兆に気付かず、発作が起こり始めて気付くということも
- 、血糖コントロールが大切
- 症状が進んだら、血糖コントロールに加え薬を服用
- 悪化して手遅れになってしまう前に予防が大切
とにかく、何度もいいますが、糖尿病は合併症が怖いんです。
糖尿病と分かったその時から、いえ・・・予備軍の段階から、動脈硬化の危険性は常にあります。
まずは、糖尿病を甘く考えず、しっかり治療することが大切です。