胃カメラは「辛い」「苦しい」などのイメージをお持ちの方も多いと思います。
検査を受けるにあたり、
「少しでも楽に受けたい。」
と、考えますよね。
最近では、眠っている間に終わるなど、麻酔を使った胃カメラも主流になってきています。
今回は、胃カメラにおける麻酔についてまとめました。
胃カメラの麻酔の種類は?
現在、胃カメラを受ける際に使用されている麻酔は、大きく分けて以下の2つになります。
- 咽頭麻酔
- 静脈麻酔
咽頭麻酔
胃カメラが苦しいのは、喉をカメラが通る時に咽頭反射が起こるから、というのが理由の1つに挙げられます。
(咽頭反射というのは、喉に異物が触れると「オエッ」と嘔吐反応を起こしてしまうこと)
その咽頭反射を抑えてくれるのが咽頭麻酔。
一般的に咽頭麻酔には、リドカイン塩酸塩(キシロカイン)が使用されます。
手順としては、胃カメラを受ける当日の前処置としておこなわれます。
- ゼリー状のキシロカインを注入し、3分ほど口に含む
- その後飲み込む
- 効きが悪い場合はキシロカインを2〜3回スプレーする
口に含むといっても一番麻酔が効いてほしい喉にためておくのがコツです。
が、これがなかなか難しいのです。
病院によっては3分どころか10分ほどそのままで待たなければいけない場合もあります。
水を少量飲むか、うがいをしてむせないことを確認してからにしてください。
静脈麻酔
胃カメラで使用する静脈麻酔というのは鎮静剤のことになります。
「全身麻酔」という言い方をされることもありますが、胃カメラ検査で全身麻酔をおこなうことはまずないと考えてよいでしょう。
詳しくはこちら→胃カメラは全身麻酔でできる?費用はどれくらいかかるの?
この静脈麻酔(以下鎮静剤)は、希望する患者さんに対しておこないます。
実際に眠ってしまうわけではなく、意識を低下させ胃カメラによる苦痛を軽減させよう、という麻酔になるのですが、鎮静剤を使用して胃カメラ検査を受けると、
「寝ている間に終わった」
「何の苦痛もなく終わった」
といわれる方がほとんどです。
手順としては、血管を確保し、カメラを挿入する直前に投与します。
- 前処置をおこない検査室に入室
- 体位をとり、モニタリングをセッティング
- 血管を確保
- マウスピースを装着
- 鎮痙薬を投与
- 鎮静剤を投与
- 胃カメラを挿入
という流れになります。
使用される主な鎮静剤は、ジアゼパム(セルシン®︎、ホリゾン®︎)、ミダゾラム(ドルミカム®︎)。
咽頭麻酔だけでも胃カメラ検査はおこなえますが、鎮静剤をプラスすることで、検査時の圧迫感や苦痛を軽減できるメリットにも繋がります。
また、当日車の運転はできません。
高齢者の場合は、家族の付き添いが要る場合があります。
鎮静剤の副作用についてはこちら→胃カメラの鎮静剤に副作用はある?
疑問に思うことがあれば医師に納得いくまで質問しましょう!
また鎮静剤を使用した胃カメラ検査は、実施しているところとしていないとことがあります。
事前に確認してくださいね。
参考文献:ナースのための優しくわかる内視鏡検査・治療・ケア P35.48.50.61.64〜66.71
まとめ
- 胃カメラに使用される麻酔は、咽頭麻酔と静脈麻酔の2つ
- 静脈麻酔は鎮静剤のこと
- 麻酔には副作用もあるので、事前に説明を十分に理解しておくこと
胃カメラ検査を受ける約70%の人が鎮静剤を使用した検査を希望している、というデータもあります。
- 胃カメラ検査を受けるのに強い不安感がある
- 検査が長引きそうな場合
- 太めの器具(スコープ)を用いた検査
上記のような場合には、鎮静剤を使用した検査が有効だといえます。
ですが、鎮静剤を使用する検査にはメリットもありますが、副作用や偶発症も起こることがあります。
十分に検査内容を理解した上で、使用するようにしてください。