昔は日本人には少ないとされてきた逆流性食道炎ですが、最近の食生活の変化で日本人にも増え、若い患者も増えてきています。
私も長年、胃炎やムカムカ、食後の不快感に悩み、当時は今ほどメジャーな病気ではなく、「胃が悪いってストレスなんじゃない?」と言われ、ストレスをなくせば治るのかな?と軽く思い、逆流性食道炎と分かるまで時間がかかりました。
今回は逆流性食道炎の原因とは、ストレスが関係するってホント?受診する病院や検査方法などをご説明したいと思います。
逆流性食道炎の原因にストレスが関係するってホント?他には?
通常胃の入り口(下部食道括約筋)は閉じているものですが、下記のようなことが原因で、この胃の入り口の下部食道括約筋の閉まる圧力が弱くなることで、胃酸や胃内容物が逆流しやすくなり、それによって食道が炎症することで起こります。
ストレス
逆流性食道炎の原因となるのは本当です。ストレスにより、胃酸過多の状態になり、更に下部食道括約筋の力が弱まり、能力が低下することによって胃酸の逆流につながります。
加齢・姿勢(背中の曲がった人)・食後すぐ横になる
加齢により姿勢が悪くなり腰が曲がると、必然的に胃酸が上がってきやすくなり、胃酸過多の状態になり、逆流性につながりますが、食後すぐ横になる人も同じ状況がいえます。
お酒の飲みすぎ煙草の吸い過ぎ
お酒や煙草はたしなむ分にはかまいませんが、飲みすぎや吸い過ぎは刺激になり、胃粘膜が炎症を起こしたりし、それが頻繁化することによって逆流性にもつながります。
甘いものを食べ過ぎ・脂もの(揚げ物)を食べ過ぎ
甘いものの取りすぎや、脂もの、揚げ物を取りすぎると胃に負担がきて、下部食道括約筋がゆるみ、胃酸があがってきて逆流性に大きく影響します。
カフェインの取り過ぎ・辛いものの食べ過ぎ
カフェインや辛い物は胃に刺激が強く、大きな負担となり、胃粘膜だけでなく、取りすぎると下部食道括約筋をゆるませてしまうことにもつながります。
運動不足・肥満
運動不足によって筋力が低下すると胃の筋力が弱まり、下部食道括約筋の力が弱まり胃酸が逆流します。また、肥満になると腹圧が胃を圧迫し、同じように胃酸の逆流につながります
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌を除菌したことで逆流性食道炎になってしまったら、ピロリ菌を除去する意味がなくなるんじゃないかと思いがちですが、たまたまピロリ菌のお陰で逆流性食道炎にならなかっただけで、ピロリ菌を放置すると、更に恐ろしいガンなどにつながる可能性もあるので、ピロリ菌の除去は大切なことです。
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病院は何科を受診すればいいの?
- 胃腸科
- 内科
- 消化器科
胃酸を抑える薬を飲めば治るんじゃない?と安易に考えがちですが、それは一時的な効果しかなく、一度括約筋が弱まってしまっている以上、いつどこで逆流するかは予測ができず、同じ症状を繰り返すことになってしまいます。
そのまま放置し、逆流性食道炎が進むと食道ガンや大腸ガンのリスクも高くなりますので、早目の受診をおすすめします。
胃腸科・内科・消化器科を受診し、症状について相談し、適正な治療を受けましょう。
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どんな検査をしたら分かるの?
- 問診
- 触診
- 内視鏡検査
- (まれに)PHモニター
逆流性食道炎の診断は、主に問診と内視鏡検査で行われます。内視鏡検査は、胃カメラで鼻から行う場合と口から行う場合があり、他の悪性疾患はないか、炎症の程度、を確認します。
しかし、内視鏡検査で異常がない場合でも、症状として逆流性食道炎の症状がある機能性胃腸症の患者さんも中にはいますので、問診+内視鏡+触診でもなかなか判断がつかない場合は、逆流性食道炎と同じ薬を試してみるという方法をとることもあります。
医師による診察で、実際にどこに痛みや違和感があるのか、押して確認もします。
また、PHモニターといって、食道のPH度を胃酸が逆流しているか調べることのできる検査で、鼻から管を通し、24時間PH度を調べることによって正確な数値を知ることができるものですが、最近では内視鏡検査が一般化され、あまり用いられることは少なくなっています。
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最後に
- ストレスや加齢、偏った食生活や肥満などが原因となる
- 胃腸科か内科か消化器科を受診
- 問診、触診、内視鏡検査が一般的
いかがでしたでしょうか?私は長年症状が出た時だけ市販の胃薬を飲んでいたんですが、一向に症状がおさまることなく、症状も頻繁になり、内科で整腸剤や胃薬や痛み止めを出してもらってしのいでいたのですが、それでも症状は続き、最終的に胃腸科で胃カメラ検査をして判明し、症状に合った薬を飲み、現在落ち着いています。
症状があるのにそのままにしておくと、自分が苦しいだけでなく、更なる悪化やガンのリスクも高くなるため、早目の受診をおすすめします。