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高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には、放置せずに治療を受けることが大変重要となります。

なぜなら、高脂血症を放置すると動脈硬化が進み、最終的に命にかかわる心筋梗塞脳梗塞の原因となるからです。

しかし、治療となると、病院は何科に行くべきなのでしょうか?

また、その治療法はどの様なものなのでしょうか?

そこで今回は、高脂血症について

  • 何科に行けばいいのか?
  • 治療法

以上についてまとめました。


高脂血症は何科に行けばいいの?

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人間ドックで高脂血症と言われたのですが、何科に行けばいいのでしょうか?
一般的に、まずは内科を受診してください。

内科は、内臓に関する病気を診るところですが、近年では専門化が進み、大きな病院では以下のように分かれます。

  • 循環器科(心臓や血管の病気を専門とし、高脂血症の治療に最も適している科
  • 消化器科
  • 呼吸器科
  • 神経内科
  • 腎臓内科など

そこで、高脂血症などの生活習慣病の様に何か調子が悪いとき、健診などで異常を言われたときは、まずは内科で相談して下さい。

高脂血症の治療にはどんなものがある?

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高脂血症の治療にはどんなものがありますか?
この病気の治療は、まず、食事療法と運動療法からスタートします。

それでも治療目標値に届かない場合には、薬物療法となります。

大切なのは最初から薬に頼らないことです。

高脂血症(脂質異常症)と診断されたら、放置しないでしっかり治療を受けることが大変重要となります。

食事療法

食事療法は、高脂血症の種類によって違いがありますが、ここでは基本的なポイントを紹介します。

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標準体重を目指す

適切なエネルギーを摂り、肥満を解消し、標準体重を目指しましょう。

中性脂肪を増やさない

過剰な糖質の摂取やアルコールの飲み過ぎを控えることが中性脂肪を増やさない事につながります。

休肝日を設ける

週2回以上、アルコールを摂らない日を設けることは大切です。

コレステロールの多い食品を控える

例として、卵黄やレバー、ベーコン、明太子、たらこなどは控えるようにしましょう。

コレステロールの吸収を抑える働きのある植物繊維の多い食品の摂取

例として、豆類や野菜、きのこ、海藻類、イモ類などを多く摂るようにしましょう。

コレステロールや中性脂肪を低下させる作用のある食品の摂取

例として、大豆製品(大豆、豆腐、納豆)や青魚(いわし、さんま、さばなど)を多く摂るようにしましょう。

酸化を防ぐ効果のあるビタミンA・C・Eの摂取

例として、緑黄食野菜や種実類、植物油 などを摂りましょう。

運動療法

運動療法は、食事療法と同じぐらいに治療には欠かせないものです。

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運動することにより血行が良くなると、悪玉コレステロールや中性脂肪の分解が活発となります。

その結果として、悪玉コレステロールが減り、善玉コレステロールが増えるとされます。

運動する際のポイント

運動を始める前に必ず医師に相談

特に、高血圧や糖尿病、心臓の悪い人などは自己判断せずに必ず医師に相談するようにして下さい。

有酸素運動

脂肪を燃焼させるために、有酸素運動が効果的です。

代表的な有酸素運動には、ウォーキングや速歩、水泳、サイクリングなどがあります。

継続

1回30分、週3回以上を3ヶ月ほど継続することから目標として下さい。

特に、継続的な運動習慣を身につけると太りにくい体質になるとされています。

運動が苦痛にならない為にも、 自分の生活環境と趣味にあったものを選ぶようにして下さいね。

 

高脂血症の薬は?副作用は?

食事療法と運動療法を3ヶ月~6ヶ月続けても治療の目標値に達しなかった場合には、薬物療法を用います。

ただし、家族性高脂血症は早くから薬物療法を行う必要があります。

Tablets

治療薬は、以下の2つに分類されます。

  • LDLコレステロールを減らす薬剤
  • 中性脂肪を減らす薬剤
以下にその種類を記載します。

LDLコレステロールを減らす薬剤

HMG-CoA還元酵素阻害薬(コレステロール合成阻害薬

コレステロールが肝臓で合成される際に使用される酵素の働きを阻害し、肝臓でのコレステロールの生成を抑える薬です。

副作用

腹痛や発疹、倦怠感など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)、末梢神経障害などがある。

陰イオン交換樹脂

腸で胆汁酸を吸着し、腸から再吸収されるのを抑える薬です。

そのため、血液中のコレステロールが効率よく働くようになり、血液中のコレステロール値を下げます。

副作用

便秘や腹痛、吐き気、食欲不振、下痢、発疹など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、腸閉塞がある。

プロブコール

血液中のコレステロールの排泄を促進し、肝臓でのコレステロールの生成を抑制する働きがある薬です。

副作用

軟便や下痢、腹痛、吐き気、食欲不振、発疹など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、不整脈や動悸、胸の痛み、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)など。

中性脂肪を減らす薬剤

フィブラート系薬

この薬剤は、肝臓内での中性脂肪産生を抑制し、末梢組織にて中性脂肪を遊離脂肪酸に分解させる反応を促進します。

そのため、血液中を流れる中性脂肪を減らすことにつながります。

副作用

頻度は稀だが、重篤なものとして、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)や肝機能障害など。

イコサペント酸エチル(EPA製剤)

この成分は青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸で、中性脂肪を減らす効果があります。

また、血液の凝固を防ぐ働きもあり、動脈硬化の予防にもつながります。

副作用

悪心や吐き気、腹部不快感、便秘、下痢など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、肝機能障害や黄疸。

ニコチン酸製剤

ビタミンの一種であり、肝臓で中性脂肪が作られるのを抑えます。

また、LDLコレステロールが減る一方で、HDLコレステロール値を上げる効果もあります。

副作用

稀に、皮膚や顔の紅潮やほてり、痒み・吐き気や食欲不振など。

最後に

今回のポイントのまとめ!
  • 高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には内科に行く。
  • 食事療法と運動療法を3ヶ月から6ヶ月続けても治療の目標値に届かなかった場合には、薬物療法を用いる。
  • 高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には、放置しないでしっかり治療を受けることが大変重要となる。

 

高脂血症(脂質異常症)の治療法は、上記でお伝えしたように、まずは食生活の改善と適度な運動を実行していく事が大切です。

長年の生活習慣をすぐに変えるのは簡単な事ではありませんが、日々の生活習慣を変えていくことで治療効果は目に見えて現れてくるようです。

また、生活習慣を改善する事で、糖尿病や高血圧の予防にもつながります。

 




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