尿の色が濃い・赤い・茶色い・泡立つのはなぜ?考えられる原因と受診の目安

トイレで見た尿が、いつもより濃い、赤い、茶色い、泡立っていると、病気ではないかと不安になる人は多い。
結論からいうと、尿の色が濃いだけなら水分不足であることも多いが、赤い・茶色い・暗い赤茶色の尿が続くときや、泡立ちが強いときは、血尿・肝臓や胆道の病気・蛋白尿などが隠れていることがある。色の変化は、食べ物や薬、運動後にも起こるため、色だけで病気を決めることはできない。体のほかの症状や、健診の尿検査の結果とあわせて考えることが大切である。
この記事では、尿の色が変わる主な原因(脱水・食べ物や薬・血尿・ビリルビン尿・筋肉の障害)、泡立つときの考え方、受診の目安を整理する。

最近、尿の色が濃い茶色っぽいんです。病気でしょうか?

まず、水分が足りていないだけのことも多いです。ただ、水分をとっても濃いままだったり、白目や皮膚が黄色い、便が白っぽいといった症状があるときは、肝臓や胆道の病気のことがあるので、早めに受診してくださいね。
この記事のポイント

  • 尿の色は、水分状態の目安になる。濃い黄色は、水分不足のことが多い。
  • 赤い尿は、血尿のほか、ビーツなどの食べ物、一部の薬、運動のあとにも起こる。
  • 褐色から黒っぽい尿は、肝臓や胆道の異常(ビリルビン尿)や、筋肉の障害のことがある。
  • 泡立ちは蛋白尿のサインとされるが、泡尿を訴えた人のうち蛋白尿だったのは約2割にとどまる。

尿の色が変わる主な原因

尿の色は、体の水分の量、食べ物や薬、血液や胆汁の成分などで変わる。見た目の色と、考えられる主な原因、受診の目安を次の表にまとめた。
尿の色の変化と考えられること・受診の目安
以下、それぞれの原因をくわしく見ていく。

水分をとる男性と尿の色

濃い色の尿:脱水とビリルビン尿

水分不足(脱水)のとき、尿は濃い黄色になる。尿の色は、尿比重や尿の浸透圧と関連しており、体の水分状態を知る簡単な目安として使われている(J Am Coll Nutr 2021)。ただし、60歳を超える人では、尿の色と水分状態の関連が弱くなる傾向があると報告されている(同)。
ビリルビン尿は、肝臓や胆道の病気で起こる。通常は便に混じって排泄される胆汁が、胆石などで流れをせき止められると、血液中に入って黄疸(白目や皮膚が黄色くなること)が起こり、そのとき皮膚がかゆくなったり、褐色から黒色の尿(ビリルビン尿)が出たりする(日本消化器病学会 胆石症ガイド 2023)。胆管が狭くなったり詰まったりする病気では、尿の色が濃い茶色になることや、十二指腸に出るビリルビンが減って便が白っぽくなることもある(国立がん研究センター がん情報サービス)。
尿ビリルビンの試験紙検査は、胆汁の排泄が障害されると陽性(+)になる項目で、基準は(−)である(日本赤十字社和歌山医療センター 検査部 2025)。くわしくは尿ビリルビンが陽性の場合考えられる病気は?基準値は?にまとめている。

赤い尿:血尿・食べ物・薬・運動

血尿は、腎臓から尿道までの尿の通り道のどこかで出血している状態である。肉眼で赤く見えるものと、顕微鏡でしかわからないものがあり、調べ方も異なる。成人では、子どもに比べて悪性の病気(がん)の割合が高いとされている(Nat Rev Urol 2010)。健診の尿潜血の区分は、日本人間ドック・予防医療学会の判定区分(2026年4月1日改定)では、(−)がA、(±)がB、(+)がC、(2+)以上がDで、尿蛋白と尿潜血がともに(+)のときは尿蛋白をD判定とする。血尿の考え方は、【図解】尿潜血の原因は?陽性ならどんな病気の可能性がある?と、ヘモグロビン尿とは?尿潜血・血尿との違い、原因、受診目安を解説もあわせて読んでほしい。
ただし、赤い尿のすべてが血尿ではない。次のような場合がある。

  • 食べ物:ビーツを食べたあとに、尿がピンクから濃い赤になることがある(ビートゥリア)。人口の10〜14%にみられ、鉄が足りない人や、吸収の悪い病気のある人で多いとされる(StatPearls 2023)
  • 一部の薬や色素:染料や一部の薬が尿に出て、血尿と見まちがえることがある(Clin Chem Lab Med 2023)
  • 激しい運動のあと:運動後の血尿はよくみられ、多くは問題のないものとされるが、原因を調べるには問診と尿の顕微鏡検査が必要である(Am Fam Physician 1996)
  • 筋肉の障害:筋肉がこわれて、筋肉の成分(ミオグロビン)が尿に出ると、暗い赤茶色の尿になる。筋肉の痛み、脱力、腫れを伴うことがあり、腎臓の障害につながるため、医療機関での確認が必要である(StatPearls 2025)
ビーツを食べたら尿が赤くなりました。血尿でしょうか?
ビーツを食べたあとなら、色素が尿に出ているだけのことがあります。ただ、食べていないのに赤い、痛みや熱がある、何日も続くときは、血尿の可能性があるので受診してくださいね。

泡立つ尿:蛋白尿のサイン?

泡立つ尿は、蛋白尿のサインとして広く知られているが、「泡立ち」には客観的な定義がない。泡立つ尿を訴えて受診した72人を調べた研究では、顕性の蛋白尿があったのは16人(22.2%)で、糖尿病や腎機能の低下がある人で多かった(Chonnam Med J 2012)。つまり、泡立ちだけで蛋白尿と決めることも、否定することもできない。勢いよく排尿したときや、尿が濃いときにも泡は立つため、泡立ちが続く場合は、尿蛋白の検査で確かめるとよい。
試験紙の尿蛋白は、腎臓や尿の通り道に障害があると陽性(+)になる項目で、健康な人でも陽性になることがある(日本赤十字社和歌山医療センター 検査部 2025)。尿蛋白の見方は、健康診断で尿蛋白が陽性と言われたら?(±)(+)の意味・原因・再検査と受診の目安にまとめている。

数値や見た目が一時的に変わる場合

尿の色は、1日の中でも変わる。次のような場合は、一時的な変化のことが多い。

  • 朝いちばんの尿は、水分をとっていない時間が長いため濃くなりやすい
  • 汗をたくさんかいたとき、発熱や下痢のときは、水分が失われて濃くなる
  • ビーツなどの食べ物や、飲んだ薬で色がつくことがある
  • 水分をたくさんとったあとは、薄い色になる

色が変わったときは、前日からの食事・薬・運動・水分のとり方をふり返り、水分をとって様子を見る。それでも色が戻らないときや、ほかの症状があるときは、医療機関で尿検査を受けるとよい。

受診の目安(何科か)

  • 食べ物などの心当たりがないのに、尿が赤い・暗い赤茶色である(痛みがなくても受診する)
  • 白目や皮膚が黄色い、皮膚がかゆい、便が白っぽい(肝臓・胆道の病気の可能性)
  • 激しい運動のあとに筋肉が痛む・力が入らず、尿が暗い赤茶色になった
  • 排尿のときの痛み・頻尿に加えて、発熱や背中・腰の痛みがある(腎盂腎炎の可能性があり、早めに受診する)
  • 泡立ちが続き、健診で尿蛋白が陽性だった

受診する科は、赤い尿・排尿の症状は泌尿器科、黄疸や白い便は内科か消化器科、泡立ちや尿蛋白は内科か腎臓内科が目安になる(日本泌尿器科学会、国立がん研究センター)。どこへ行けばよいか迷うときは、まず内科(かかりつけ医)でよい。

自分でできること

  • 水分をこまめにとる(尿の色が薄い黄色になるのが目安)
  • 尿の色が変わったら、日付・色・食べたもの・飲んだ薬をメモする(受診のときに役立つ)
  • 激しい運動のあとは、水分と休養をとる
  • 色の変化が続くときは、様子見を長引かせず、尿検査を受ける
  • 心臓や腎臓の病気で水分を制限されている人は、主治医の指示に従う

よくある疑問(Q&A)

Q1. 朝の尿が濃いのは異常ですか?
A. 寝ている間は水分をとらないため、朝の尿は濃くなりやすい。日中に水分をとって薄くなれば、心配はいらないことが多い。
Q2. 尿が泡立つのは、いつも腎臓が悪いのですか?
A. そうとは限らない。泡立ちを訴える人のうち、蛋白尿があったのは約2割とされる(Chonnam Med J 2012)。泡立ちが続くときは、尿蛋白の検査で確かめる。
Q3. 薬を飲んでから尿の色が変わりました。
A. 薬で尿に色がつくことがある(Clin Chem Lab Med 2023)。自己判断で飲むのをやめず、処方した医師や薬剤師に相談する。
気になる症状や結果があれば、医療機関に相談してください。

参考文献