腫瘍(しゅよう)マーカーにはいくつか種類がありますが、総じて言えることは、がんがあれば必ず腫瘍マーカーが上昇するわけではないということです。今回は、腫瘍マーカーとはどういうものなのか、がんの診断にどの程度関与するのか、腫瘍マーカーの見方、考え方を中心に解説します。
腫瘍マーカーってそもそも何?
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腫瘍マーカーはがんの早期発見に使える?
腫瘍マーカーは、がんがあっても早期の場合は数値が異常値にならないことが多いので、早期発見には向きません。逆に異常値に到達しているころには、腫瘍のサイズが大きくなったり、他の部位に転移している可能性もあります。
早期発見には、
- X線検査
- CT検査
- エコー検査(超音波検査)
- 内視鏡検査
- 便潜血検査
- 細胞診検査
などが行われ、それらと総合的に評価することがポイントです。
- がんの進行状況の予測
- がんの治療効果判定
- がんの再発の予測
などに使うことができます。
腫瘍マーカーってどうやって検査する?
採血はしますが、侵襲性は極めて低い検査の一つと言えます。
腫瘍マーカーが高い場合はどうする?
腫瘍マーカーが高値の場合、その原因となるがんはないかを探すために、精密検査をします。
一般的にCTなどを用いて全身的に検索されることが多いです。
ただし、良性病変でも高い数値が出たり、精密検査をしても何も見つからないこともあります。
この場合は、再検査をしたり、経過観察をするのが一般です。
関連記事)CA19-9、CEAが陽性のとき、どんな精密検査をすればいい?
腫瘍マーカーの種類とその原因は?10選!
- 腫瘍マーカーAFP:肝臓がん、肝硬変、慢性肝炎、急性肝炎など
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腫瘍マーカーCEA:大腸がん、肺がん、膵臓がん、胆道がん、転移性肝がん、甲状腺機能低下症など。
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腫瘍マーカーPIVKAⅡ:肝臓がん、転移性肝臓がん、ビタミンK欠乏症など。
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腫瘍マーカーCA19-9:膵臓がん、胆嚢がん、胆管がん、胃がん、大腸がんなど
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腫瘍マーカーCA125:卵巣がん、子宮がん、子宮内膜症など
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腫瘍マーカーSCC:子宮頸がん、肺がん(扁平上皮がん)、食道がん、皮膚がんなど。
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腫瘍マーカーPSA:前立腺がん、前立腺炎、前立腺肥大など。
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腫瘍マーカーCA15-3、BCA225:乳がん、卵巣がんなど。
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腫瘍マーカーNSE:肺小細胞がん、神経芽細胞腫、褐色細胞腫など。
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腫瘍マーカーProGRP:肺小細胞がん、甲状腺髄様がんなど。
最後に
腫瘍マーカーは早期発見には基本的に使えないため、これが陰性だから「がん」がないということではありません。がんの発見には他の検査と総合的に判断していく必要があるということです。
また、良性病変でも腫瘍マーカーが異常値になることがあり、注意が必要です。