Fulminant hepatitis Eye-catching image

 

肝臓の病気は自覚症状や特質な初期症状が無い為に、知らない間に病状が進行し、劇症肝炎にまで進行していることもあります。

劇症肝炎は、肝臓病の中でも死亡率が高い病気とされています。

今回はそんな恐ろしい劇症肝炎(読み方は「げきしょうかんえん」英語表記で「Fulminant hepatitis」)について

  • 定義
  • 原因
  • 症状
  • 検査
  • 治療
  • 予後
  • 合併症

などについてまとめました。

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劇症肝炎とは?定義は?

急性肝炎発症後に、様々な原因で肝臓に激しい炎症をきたし、肝細胞の破壊が急激で、肝機能不全に陥るものを劇症肝炎といいます。

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劇症肝炎の定義

医師
以下のような定義があります。
  • 肝炎のうち8週間以内昏睡度Ⅱ度以上の肝性脳症をきたす
  • プロトロンビン時間40%以下を示す

肝性脳症の昏睡度はこちら→肝性脳症の症状・原因・治療法・余命は?!私の看護体験記

その中でも、

  • 発病10日以内に脳症が発現する・・・急性型
  • それ以降に発現する・・・亜急性型

があります。

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劇症肝炎の原因は?

劇症肝炎の主な原因として、以下が挙げられます。

  • 肝炎ウイルスに感染
  • 薬物アレルギー
  • 自己免疫性肝炎

日本においては、B型肝炎ウイルスの感染が1番多いとされ、患者全体の約40%を占めています。

次に多いのが、原因不明とされるもので、これは全体の約30%、薬物アレルギーや自己免疫肝炎では、全体の約10%になります。

また、A型肝炎ウイルスでの感染の可能性もありますが、この発生率は、A型肝炎ウイルスが流行する年により違いがありますし、C型肝炎ウイルスが原因の場合もわずかにあります。

症例 20歳代女性

Fulminant hepatitis ct findings

ダイナミックCTで肝臓にまだらな造影効果あり。
急性肝炎と診断されました。

また
・昏睡度Ⅱ度以上の肝性脳症
・PT-%  <40%以下

を満たし、劇症肝炎と診断されました。

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劇症肝炎にはどんな症状がある?

初期の症状

初期の症状として、

  • 発熱
  • 筋肉痛
  • 全身の倦怠感
  • 食欲不振

などがあります。

進行すると出て来る症状

進行すると

  • 尿の色が濃くなる
  • 黄疸が出る
  • 高熱
  • 腹水
  • 浮腫
  • 意識障害(肝性脳症昏睡度Ⅱ以上)

などの症状が出現します。

急性肝炎でしたら、黄疸の後は症状は軽くなってきますが、劇症肝炎の場合には、その症状が持続するか、又は悪化してしまい肝性脳症が発症します。

また、細菌の感染や腎臓・肺・消化管・心臓などに異常、血液凝固の異常など、全身の臓器に高い頻度で障害が起こります。

劇症肝炎の検査は?

検査として行なわれる、血液生化学検査では、

  • 肝機能検査
  • 腎機能検査
  • 血液凝固検査 

があります。

特にプロトロンビン時間(肝機能をみる指標の一つで健康な人を100%としますが40%以下になると劇症肝炎と診断されます。)の測定は必須とされます。

また、肝臓で合成されるたんぱく質、脂質の状態を調べる項目として、アルブミン、コリンエステラーゼ、コレステロールがあり、加えてヒト肝細胞増殖因子も重要な検査項目です。

劇症肝炎の診断基準は?

診断基準

ウイルス感染・薬物アレルギー・自己免疫性肝炎などが原因で、肝炎所見が認められる急性肝不全は、発症から肝性脳症が発生するまでの期間によって、劇症肝炎と遅発性肝不全とに分けられます

劇症肝炎の治療は?

劇症肝炎の治療としては、

  • 全身管理:アミノ酸を含まないブドウ糖主体の輸液、肝性脳症対策、脳浮腫対策
  • 人工肝補助:血漿交換+持続的血液濾過透析
  • 肝再生促進:グルカゴンーインスリン療法(G-I療法)
  • 肝炎症進展抑制療法:B型肝炎には核酸アナログ製剤+インターフェロン、自己免疫性肝炎にはステロイド。
  • 肝細胞壊死抑制療法:抗凝固療法、ステロイドパルス療法

 

があります。

これらで、肝機能の回復が見込めない場合には、肝移植をおこなうことになります。

治療後の経過は急性型の方が良好です

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劇症肝炎の予後は?

肝移植はせずに内科的な治療のみをおこなった患者のうち、急性型の場合には約55%亜急性型の場合には約25%が救命されています。
また、肝移植を受けた患者はさらに救命率が上がります。

この様に救命率は上がってきていますが、それでも肝臓病の中では死亡率が高いもので、その原因として合併症が致命症になるともいわれています。

劇症肝炎の合併症は?

  • 脳浮腫
  • 肝腎症候群
  • 敗血症
  • 播種性血管内凝固(DIC)

などが合併症として起こる可能性があり、これらが出現すると、さらに治療が困難となり、致命的となることもあります。

参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P289〜292
参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P172〜175
参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P184・185
参考文献:内科診断学 第2版 P879

最後に

  • 急性肝炎発症後に、様々な原因で肝臓に激しい炎症をきたし、肝細胞の破壊が急激で、肝機能不全に陥るもの
  • 肝炎のうち8週間以内に昏睡度Ⅱ度以上の肝性脳症をきたす・プロトロンビン時間40%以下を示すという定義がある
  • 肝炎ウイルスに感染・薬物アレルギー・自己免疫性肝炎が原因となる
  • 発熱・筋肉痛・全身の倦怠感・食欲不振などの症状が持続または悪化する
  • 進行すると、尿の色が濃くなる・黄疸が出る・高熱・腹水・浮腫・意識障害などが出る
  • 肝機能検査・腎機能検査・血液凝固検査などをおこなう
  • 肝機能の回復が見込めない場合は、肝移植を考慮する
  • 合併症をともなえばさらに予後不良となる

 

急性肝炎を甘く見ず、こういう劇症肝炎に陥ることもあると考え、早期に治療をおこなうことが劇症肝炎を予防することにもなります。

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