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胃がんの治療には、手術抗がん剤の2種類が基本となります。

さらに手術には、開腹手術内視鏡手術があり、内視鏡手術の方が切除部分が小さくて済み、その分出血や痛みも少なくて済みます。

すると、術後の回復も早いため、できることなら内視鏡手術で済ませたいと思いますよね。

そこで今回は、胃がんの内視鏡手術について

  • 適応
  • 利点
  • 費用
  • 入院期間
  • 看護

などをお話ししたいと思います。

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胃がんの内視鏡手術の適応は?

基本的に内視鏡的治療がされるのは、ごく早期の胃がんのみとなります。

Gastric cancer

ごく早期の胃がんとは、上のステージ分類の一番左上の、T1aでN0のⅠAの時のみです。

  • 分化型腺がん
  • 2cm以下
  • 潰瘍がない

この条件を満たす場合に、内視鏡的治療がされることがあります。

もちろん全身状態などを考慮して、外科的な手術がおこなわれることもあります。

医師
胃がん治療ガイドラインによると、以下のような適応基準があります。

胃がんの内視鏡手術の適応の原則

  1. リンパ節転移の可能性が極めて低いがんであること
  2. がんを内視鏡で一括で取りきれること(場所、大きさ)

絶対適応病変

  • 2cm以下
  • 潰瘍がない
  • 分化型
  • 粘膜がん

適応拡大病変

  1. 2cmを超える、潰瘍のない、分化型、粘膜がん
  2. 3cm以下、潰瘍のある、分化型、粘膜がん
  3. 2cm以下、潰瘍のない、未分化型、粘膜がん

とされており、2cmを超えるものであっても、分化型でなくても条件付きで内視鏡手術の適応となることがあります。

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内視鏡手術の種類は?利点欠点は?

内視鏡手術の利点として、粘膜切除のみで胃は全体的に残せるため、治療後でも食生活を含め生活に変化をともなわない点です。

内視鏡的治療には、

  • 内視鏡的粘膜切除術 EMR(Endoscopic Mucosal Resection)
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術 ESD(Endocscopic Submucosal Dissection)

の2種類があります。

医師
それぞれについてご説明します。

EMRとは?

胃の粘膜病変を挙上して銅線のスネアをかけて、高周波により焼灼切除する方法です。

Endoscopic Mucosal Resection

利点は?
  • 短時間でできることが多い(早ければ5-10分程度で終わる)
  • 出血や穿孔などの合併症が少ない
欠点は?
  • 小さな病変しかできない
  • がんの取り残しの可能性が出る

ESDとは?

高周波ナイフを用いてがん周囲の粘膜を切開して、さらに粘膜下層を剥離して切除する方法です。

Endocscopic Submucosal Dissection

こちらの方がより広い範囲で組織を切除することができます。

利点は?
  • 比較的大きな病変でも可能
欠点は?
  • 時間がかかる。長い場合だと数時間
  • 出血や穿孔などの合併症の確率が上がる

関連記事)胃がんの治療方法はどうやって決まる?ステージ分類とは?

胃がんの内視鏡手術の費用や入院期間は?

内視鏡手術の平均入院期間は5日前後で、患者の状態や医療機関によっても異なります。

費用は、入院費を含め、内視鏡手術の費用は26万前後で、3割負担で8万円ほどになります。

ですが、これはあくまでも5日ほど入院した場合の例で、それより入院期間が短くなれば安く済みますが、長くなれば高くなります。

ただ胃がんを切除できても、その後の定期検診も必要となりますので、そのぶんも考えると、治療費としてはもう少しかかりそうです。

関連記事)胃がん検診の胃バリウム検査とは?検査を受ける際の注意点は?

胃がんの内視鏡手術後の看護は?

胃がんという告知だけでも精神的なショックは大きなものです。

また、中にはがんを取りきれず再手術となる場合もあるため、この治療がおこなわれる胃がんには制約があり、患者の意向に添えないこともあります。

そのため患者の理解や説明といった、精神的ケアも重要になります。

参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P116〜127
参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P64〜77
参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P76〜85
参考文献:内科診断学 第2版 P850〜854
参考文献:パッと引けてしっかり使える 消化器看護ポケット事典[第2版]  P71〜74
参考文献:見てわかる消化器ケア―看護手順と疾患ガイド P184〜188

まとめ

  • 胃がんの内視鏡手術は、ごく早期の胃がんのみ
  • 内視鏡手術の適応には制約がある
  • 内視鏡手術には、内視鏡的粘膜切除術 EMRと内視鏡的粘膜下層剥離術 ESDがある
  • 粘膜切除のみで胃は全体的に残せるため、治療後でも食生活を含め生活に変化をともなわない
  • 平均入院期間は5日前後
  • 内視鏡手術は入院費用を含め3割負担で8万円ほど
  • 患者の精神的ケアも重要

 

「できることなら内視鏡手術で済ませたい。」

皆さんそう願うものですが、そのためには早期発見が重要です。

どうしても内視鏡手術をと望んでも、進行したがんの場合、開腹手術の方が安全・安心な場合も多々あります。

医師とよく相談し、納得のいく治療法を検討するのが良いでしょう。

 

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