バリウム検査が終わった後、「まだ白い便が出ない…」「ずっと残っている感じがする」そんな不安を抱えていませんか?
バリウムは体内に長時間残ってしまうと、便秘や腹痛の原因になり、場合によっては腸閉塞や穿孔などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります日本放射線技術学会誌(2019)。
この記事では、バリウム検査後の排便の目安、出ないときの危険サイン、対処法、病院に相談すべきタイミングをわかりやすくまとめました。
バリウム検査後、いつまでに出ればいいの?
- 目安: 検査当日〜翌日までに排便が理想(できれば12〜24時間以内)
- 遅くとも48時間以内に排出が必要とされています
厚労省が推進するがん検診のガイドラインでも、バリウム排出が不十分だと合併症のリスクがあると明記されています厚生労働省・がん検診ガイドライン。
バリウムが出ないままだとどうなる?
バリウム(硫酸バリウム)は吸収されず、腸内で水分を吸収して硬化する性質があり、固結(バリウムコンクリーション)や腸閉塞を引き起こすことがあります放射線技術学雑誌(2017)。
バリウムが出ないときの対処法
1. 水をたくさん飲む
1日2〜2.5Lを目安に、こまめに水分を摂取してください(※腎疾患がある方は主治医に要相談)。
2. 軽い食事をとる
水溶性食物繊維を含む食品(野菜、バナナ、オートミールなど)や、適度な油分を含むメニューが推奨されます。
3. 軽く体を動かす
腸の動きを促すため、無理のない範囲でウォーキングやストレッチを行いましょう。
4. 下剤を追加で飲んでもよい?
基本的に検査当日に支給された下剤以上は医師・薬剤師と相談の上使用してください。
病院に相談すべき症状・タイミング
- 48時間以上経過しても排便がない
- 強い腹痛・吐き気・発熱がある
- 膨満感が続き、ガスも出ない
これらは腸閉塞の初期症状の可能性があります。速やかに医療機関へ。
→ 参考論文:「バリウムによる腸閉塞・腸穿孔」症例報告
まとめ
- バリウムはできれば24時間以内、遅くとも48時間以内に排出を
- 水分・食事・軽い運動が基本的な対処法
- 危険症状がある場合は受診を
参考文献
- 厚生労働省|がん検診ガイドライン(PDF)
- 日本放射線技術学会誌|バリウムによる腸閉塞の報告
- 放射線技術学雑誌|バリウムの固結と対策