全妊娠の中でも7人に1人が経験するという流産。妊娠できず不妊に悩む方もいますが、妊娠しても出産までたどり着けない、繰り返す流産に悩む不育症の人もいます。
私も、3度の流産を経験し、不育症と診断され、色々な検査をし、治療をし、現在2人の子供の母となれました。
不育症は、原因を突き止め、治療をすることで克服し、出産までたどり着けることも多くあります。
- 不育症とは?
- 不育症は治療すると流産率が低下する?
- 不育症の検査
- 不育症の治療
以上についてご説明し、私の体験談も合わせてお話しし、お役に立てればと思います。
不育症とは?
2回以上の流産、死産、早期新生児死亡(生後1週間以内)など、妊娠はするのに出産までたどり着けない症状をいいます。
この不育症は、1人子供を出産したのに、2人目がなかなか出産までたどり着けない、2人目不妊の不育症というのもあります。
妊娠10週以降の染色体異常や形態異常のない流産や早産、胎児の発育遅延の場合には1回でも不育症を疑い検査することもあります。
不育症は病院に行くべき?無治療の場合の流産率
流産の頻度は、全妊娠の15%ですが、2回以上連続する反復流産や、3回以上連続する習慣流産は頻度と無治療の場合の流産率が違いますので、それぞれご説明します。
反復流産
- 流産の頻度:4.2%
- 無治療の場合繰り返す頻度:20~30%
習慣流産
- 流産の頻度:0.88%
- 無治療の場合繰り返す流産率:40~60%
私は、2回目の流産後も「どうして?何で?」と思いましたが、「次こそは」という気持ちもありました。ですが、3回目の流産後は、絶望に近い気持ちに陥ってしまうほど。無治療の場合は40~60%もの確率で流産するなんて、精神的にも耐えられませんよね。詳しい検査をし、原因を突き止めることをおすすめします。
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不育症の検査ってどういうことをするの?
- 子宮形態
- 内分泌・代謝
- 自己抗体
- 凝固因子
- 夫婦染色体
以上の事について詳しく調べる検査を行います。私も色々な検査をしましたので、それぞれについて詳しくご説明します。
子宮形態
経膣超音波や子宮卵管造影、子宮鏡、MRIなどを用いて検査をします。
私は経膣超音波検査や子宮卵管造影検査を行いました。卵管造影は、詰まりがあると痛みが生じる場合もありますが、造影剤を入れ、卵管を検査するので、「検査後3カ月は妊娠しやすくなるよ」とも説明されました。
内分泌・代謝
向上性機能、糖尿病検査、月経周期に応じた内分泌検査などを行います。
月経周期に応じた検査は、卵胞期、排卵期、黄体期と、基礎体温や月経リズムを見ながら来院し、検査を行いました。
自己抗体
抗核抗体、抗リン脂質抗体検査などを行います。
凝固因子
第Ⅻ因子活性、プロテインS抗原、プロテインc抗原、APTT ATⅢ活性などを調べます。
夫婦染色体
人間1人としては問題がなくても、それが子供に出てしまった場合、その染色体が原因で流産を繰り返す場合もあります。夫婦それぞれの血液を採取し、それぞれ4万円ほど検査費用としてかかりますが、この染色体異常は離婚原因ともなり得るため、検査には慎重に話し合いをして臨む必要があります。
また、染色体異常の場合、異常が分かってもなかなか治療法はありません。
着床前診断(着床前に赤ちゃんの染色体に異常がないか調べる検査)という方法もありますが、人間を選んで作りだすなんて!と反対している国も多くあります。また費用も高く、この着床前診断をしても着床し妊娠するとは限らないため、なかなか難しい現状です。
関連記事)初期流産の原因とは?年齢も関係ある?
不育症の治療はどういうことをするの?
子宮形態異常の場合
手術が一般的で、子宮鏡下手術や腹腔鏡下手術で形成手術を行います。
甲状腺機能異常・糖尿病の場合
内科専門医にコンサルタントし、正常機能および、十分にコントロールしたのちに、妊娠許可が出ます。
子宮筋腫の場合
子宮筋腫核出術が一般的です。
抗リン脂質抗体症候群
低用量アスピリン療法+ヘパリンカルシウム注射が一般的で、血流をよくし、血液が固まらないようにします。
凝固因子の場合
低用量アスピリン療法で、血流をよくし、血栓を作らないようにします。
排卵障害や黄体機能不全の場合
排卵誘発剤や性ホルモン療法を行います。
原因不明の場合
現在の医学では解明されていない何らかの原因も考えられますが、原因がないのに精神的なストレスだったり、全く原因がないのに不育症となる場合も中にはあります。
そのような場合には、カウンセリングや十分な説明を行い、特別な治療を行わない場合もあります。
最後に
- 2回以上の連続する流産を不育症という
- 不育症は2回以上の流産の反復流産と、3回以上の習慣流産とがある
- 無治療の場合、次の妊娠時の流産率は高い
- 検査をすることで、原因に応じて治療ができる
我が家は、とにかく色々な検査をし、不妊病院も2軒行きましたが、完全にコレ!という原因は言われず、「夫婦血液型不一致が考えられる」と言われた程度でした。
ですが、治療もせずにまた妊娠を望むのも怖く、絶対大丈夫という確証はないけど、できることをしてみようか?という感じで、リンパ移植を妊娠前に行い、人工授精をし、高温期に黄体ホルモンの注射をし、妊娠してからは30週まで低用量アスピリンを服用し、無事出産できました。
また、2人目は自然妊娠ですが、1人目同様に30週まで低用量アスピリンを服用し、出産しました。