高プロラクチン血症とは下垂体前葉からのプロラクチンが過剰に分泌されてしまう症状のことです。この症状になると乳汁漏出無月経症候群を引き起こします。
高プロラクチン血症とは、どんな症状なのでしょうか?今回調べてみました。詳しい内容はこちらです。
- 高プロラクチン血症の原因は?
- 高プロラクチン血症の症状は?
- 高プロラクチン血症の検査法、治療法は?
以上です。それでは始めます。
高プロラクチン血症の原因は?ストレスでもなる?
高プロラクチン血症の原因は様々なものがあり、大きく分けるとこのようになります。
- PRL産生下垂体腺腫
- 視床下部機能障害
- 薬剤性
- 原発性甲状腺機能低下症
- ストレス
PRL産生下垂体腺腫
PRL産生下垂体腺腫には様々な種類がありますが高プロラクチン血症を引き起こす腺腫はプロラクチノーマと言います。この腺腫が1センチ未満のものをミクロアデノーマ、1センチ以上のものをマクロアデノーマと言い、この腺腫がプラクチンの過剰分泌を引き起こします。これが最も多い原因の一つです。
視床下部機能障害
下垂体腺腫の中でもプロラクチン産生細胞から生じたものをプロラクチノーマと呼んでいますが、プロラクチン産生細胞以外の場所から生じる下垂体腺腫(非プロラクチノーマ)は視床下部からのドーパミンに輸送を阻害してしまい、これが結果的にプロラクチン血症を引き起こします。
薬剤性高プロラクチン血症
高プロラクチン血症を引き起こしやすい薬剤は次の通りです。
- レセルビン
- メチルドパ
- ベラパミル
- クロルプロマジン
- ハロペリドール
- イミプラミン
- スルピリド
- メトクロプラミド
- ドンペリドン
- エストロゲン薬剤
などです。
原発性甲状腺機能低下症
こちらの症状は甲状腺機能低下症の中でも最も多く見られるタイプのもので、「橋本病」が原因で起こることも多い疾患です。これが起こることにより、視床下部からのTRHというホルモンの分泌が増加し、その刺激でプロラクチンの分泌が増加します。
ストレスが原因でも起こる?
上記に記した現象が無い場合、ストレスで起こっている可能性もあります。ストレスはあらゆるホルモンバランスを崩すため、ストレスも症状を引き起こす原因の一つと見て間違いないでしょう。
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高プロラクチン血症はどんな症状が現れる?
高プロラクチン血症の主な症状はこちらです。
- 乳汁分泌
- 月経異常
- 性欲低下
- 不妊
- 頭痛
- 両耳側半盲
- 視野障害
- 視力低下
高プロラクチン血症の検査法や治療法は?
検査方法
まずは検査方法から見ていきます。
- 診察(月経歴、服薬歴)
- 血中プロラクチン濃度測定
- 頭部MRI、CT
- 甲状腺機能検査
診察
診察では症状の確認、月経の状態、服用している薬の確認を行います。
血中プロラクチン濃度測定
血液検査からプロラクチンの濃度を測定します。これでPRL(プロラクチン)が増加していたら高プロラクチン血症となります。もしここで増加が確認できなかったとしても次のTRH試験でTRHの増加が見られれば潜在性高プロラクチン血症です。薬剤性のものならここでわかります。
潜在性高プロラクチン血症とは
高プロラクチンの状態が夜だけ現れるなど、限定的に表れる血症のことです。日中に症状が現れないので気づきにくいことが特徴です。ストレスや脳の障害が原因ではないかと言われています。
頭部MRI、CT
さらに画像診断により原因を絞っていきます。下垂体腺腫なのか、視床下部機能障害なのか、ここで診断します。
治療法は?
- 下垂体腺腫→薬物療法(ドーパミン作動薬)手術療法、放射線療法
- 視床下部機能低下→ドーパミン作動薬
- 薬剤性→原因になった薬を変更または休薬
- 原発性甲状腺機能低下→甲状腺ホルモン補充
下垂体腺腫は手術で摘出する場合もあります。またこれ以外には卵巣ホルモン補充療法などがあります。
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まとめ
- 高プロラクチン血症とはプロラクチンが過剰に分泌される症状のこと
- 原因は下垂体腺腫、視床下部機能低下、薬剤、甲状腺機能低下などがある
- 症状は乳汁漏出、月経異常、不妊、性欲減退、頭痛、視力低下などがある
- 治療は原因によって異なる
いかがでしたか?今回は高プロラクチン血症についてお話ししました。もし気になることがありましたら早めに病院に行って検査をしてください。