胆石症の治療には、どのような種類のものがあるのでしょうか。
投薬治療で治るものなのか、手術が必要になるのか、気になりますよね。
特に、痛みがきつい胆石発作が起きた時の治療はどのように行われるのでしょうか。
NSAIDSや抗コリン薬といった薬名をよく耳にしますが、どんな効能を期待できるのか知りたいですよね。
また、胆石症の治療において、手術が行われるのはどんな症状を認める時なのでしょうか。
適切な処置を望みたいですが、手術の入院期間や合併症のことが気になります。
そこで今回は、胆石症の治療についてご説明しましょう。
胆石症の治療の種類は?手術以外の治療はあるの?
胆石症の治療には、以下のものが考えられます。
手術をして胆嚢・胆石を取り除く
胆嚢を取り除く手術をすることで、胆石ができる元を絶つことになります。
開腹ではなく腹腔鏡を使用した手術が取り入れられるようになっており、傷口があまり目立たず、入院日数も3日程度と患者の体に優しい方法ですね。
薬を服用して胆石を溶かす
完全に胆石を溶かしてしまうまでには、およそ1年の薬服用が必要になります。
ただし、効果が上がる人と上がらない人がいるため、胆石がうまく溶けた割合は20%弱ということで高くありません。
また、効果があった後に薬の服用をやめる人の中には、治療後1~数年間で40%くらいの人が再発するという数字も出ていますね。
衝撃波を患部にあてて胆石を細かく粉砕する
衝撃波をあてることで胆石を細かく粉砕する方法になります。
場合によっては、その後、薬の服用で細かくなった胆石を溶かしていくのです。
ただし、例えば、コレステロール結石、結石の大きさや数、胆嚢内で結石がまだ移動できる状態である等の条件があるのです。
いずれの方法を選択するにせよ、主治医とよく相談して治療を進めましょう。
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胆石発作時の治療は?
胆石発作が起こると、のたうちまわるほどの激しい痛みが生じます。
そんな胆石発作時の治療として使われる薬には、以下のようなものがあるのです。
NSAIDS
非ステロイド性の抗炎症薬で、痛みや炎症を抑える効果が期待できます。
これは、痛みや炎症の原因とされるプロスタグランディンが体内で作られるのを抑制する働きが、NSAIDSにあるからですね。
そのため、胆石発作時に投薬されることが多いのです。尚、NSAIDSには、急性胆嚢炎の発症を予防する効果もあるとされています。
抗コリン薬
胆石によって胆管が詰まっていると、刺激を受けて胆嚢平滑筋が痙攣して収縮を引き起こすことがあります。
それによって、更に胆石が移動できずに詰まってしまう状態が強まり、激しい痛みとなるのですね。
副交感神経遮断薬とも呼ばれる抗コリン薬は痙攣状態を抑える働きがあるため、投薬されることが多いのです。
胆石症の手術はどのようなもの?
胆石症の手術についてまとめてみましょう。
1 手術が適応される場合とは?
以下のような症状がある場合には、手術を行うことをすすめられることがあります。
- 腹痛や発熱の症状がある
- 胆石の数が多く、大きさが1~2cmを超えている
- 胆嚢がんの疑いがある
2 入院期間は?
腹腔鏡手術だった場合には、
- 前日~当日に入院
- 術後3日程度で退院
ということが多いようです。これが開腹手術になると、どうしても傷口が大きくなるために入院期間も長くなる傾向ですね。
3 合併症についてはどう?
手術中における合併症としては、以下のものが考えられます。
出血
動脈等の血管損傷や胆管損傷、小腸や大腸の損傷によるものですね。
手術中に止血等の処置を行いますが、腹腔鏡手術中で処置が難しい場合には開腹手術に切り替えることもあります。
手術後における合併症としては、以下のものが挙げられます。
創感染
傷口への細菌感染によって膿んでしまうことがあります。
出血
自然に止まることが多いですが、量が多かったり続くようならば、再手術を行うこともあります。
胆汁漏れ
量が少ない場合は絶食することで治癒することもありますが、量が多い場合は再手術を行うこともあります。
いずれにしても、病院で適切な処置を早めに受けることが大切ですね。
最後に
胆石症の治療についてご説明しましたが、いかがですか。
投薬で胆石を溶かす方法、衝撃波で胆石を細かく砕く方法、そして、手術によって胆嚢や胆石を取り除く方法がありますね。
いずれにしても、医師とよく相談した上で、自分の症状に合わせてより良い治療方法を選びたいものです。