
胆嚢ポリープが見つかった場合は、ほとんどの場合は経過観察となりますが、中には治療を必要とし、手術になることもあります。
ただ、手術と言われると不安に感じられる方も多いと思います。
そこで今回は胆嚢ポリープ手術について、
- 方法
- 入院期間
- 日帰り手術
などをご説明いたします。
胆嚢ポリープそのものの説明や、見つかったあとの経過観察の進め方は、胆嚢ポリープは消える?原因・食事との関係・大きさ別の対応で解説しています。この記事では、手術になる目安、手術の方法、入院について絞って説明します。
- 胆嚢ポリープの多くは良性で、手術せずに経過観察になることがほとんどです。
- 手術を考えるのは、ポリープが大きい(目安は1cm前後以上)、年齢が高い、胆石をともなう、1個だけある、症状があるなど、がんの可能性が気になる場合です。
- 手術は、胆嚢ごと取る「胆嚢摘出術」で、腹腔鏡手術が第一選択です。炎症や癒着が強い場合などは開腹になります。
- 入院期間や日帰りの可否は、施設や手術の方法、回復の状況で異なります。
胆嚢ポリープの手術適応基準とは?
胆嚢ポリープが見つかっても、全てが治療が必要となるわけではありません。

経過観察となる基準
ポリープの大きさや症状の有無で異なりますが、経過観察になるのは、
- ポリープの大きさが10mm以下(1cm以下)
- 症状がない
- 癌の可能性がない
場合です。
つまり、胆嚢ポリープだと治療は必要とせず、経過観察のみで済むことがほとんどです。
手術の適応基準
では、どんな時に手術が必要になるのかというと、がんの可能性や症状の有無が判断のポイントになります。胆嚢ポリープの総説(Lee 2004)では、悪性を予測する要因として、次の点があげられています。
- ポリープの大きさが1cm(10mm)を超える
- 年齢が50歳を超える
- 胆石を合併している
- ポリープが1個だけ(孤立性)
- 症状がある
(Lee KF, et al. Am J Surg 188:186-190, 2004 PubMed)
こうした要素に当てはまる場合に、手術が検討されます。このほか、経過観察中にポリープが大きくなる場合や、超音波検査での形・内部の様子から、がんが疑われる場合も、医師が総合的に判断します。
手術の目安は、大きさだけでなく、年齢・胆石・症状などを組み合わせて決まります。基準は施設や学会のガイドラインによって多少異なるため、担当医に確認しましょう。

ポリープの大きさと癌の可能性については、胆嚢ポリープは大きくなると危険?腹部エコーで見つかったときの大きさの目安と経過観察でくわしく解説しています。
胆嚢ポリープの手術方法とは?
- 開腹手術
名前の通りお腹を開けて手術をする方法です。 - 腹腔鏡手術
臍の下と右の腹部に3~4か所の穴をあけ、カメラや機器を差し込みモニターなどの画面を見ながら手術をします。
炎症や癒着状態、ポリープの大きさなどによってどちらの手術をするのか医師が判断します。
ですが、胆嚢ポリープは経過観察といって、手術をせずに定期的に経過を見る場合も多くあります。総説では、がんが強く疑われる場合を除き、腹腔鏡下胆嚢摘出術が選ばれる方法とされています(Lee 2004)。
手術方法のちがいを表で比べると
| 項目 | 開腹手術 | 腹腔鏡手術 |
| 傷 | 大きめ | 小さな傷が数か所で目立ちにくい |
| 術後の痛み | 強め | 比較的軽い |
| 入院・回復 | 長めになりやすい | 短めになりやすい |
| 向いている場合 | 癒着や炎症が強い、がんが強く疑われるなど | 多くの胆嚢ポリープ |
※手術時間・入院期間・社会復帰までの日数は、施設や病状、回復の経過で異なります。
開腹手術
- 手術時間:施設や状況で異なる
- 食事開始:腹腔鏡より遅めになりやすい
- 入院期間:腹腔鏡より長めになりやすい(施設で異なる)
- 術後の痛み:痛みあり
- 傷跡:目立つ
- 日常生活復帰:腹腔鏡より時間がかかる(個人差あり)
腹腔鏡手術
- 手術時間:施設や状況で異なる
- 食事開始:術後早めに始まることが多い
- 入院期間:数日程度が多いが、施設で異なる(日帰りで行う施設もある)
- 術後の痛み:軽度
- 傷跡:少しあるが、目立たない
- 日常生活復帰:開腹より早い(個人差あり)
同じ胆嚢を取り除く手術でも、方法によってこれだけ違いがあります。
また、腹腔鏡で手術をする事になっていても、癒着や炎症がひどい場合には急遽開腹手術をするケースもあります。
関連記事)
胆嚢を取ったあとに続く症状については、胆嚢摘出後症候群とは?症状・原因・治療を解説で解説しています。
日帰り手術のメリット、デメリットとは?
医療機関やポリープの重症度によっても異なりますが、中には日帰り手術で済む場合もあります。
メリット
- 拘束時間が短い
- 入院期間中の費用がかからない
- 入院準備なども必要ない
- 自宅でゆっくり過ごせる
仕事で忙しい人やなかなか時間が取れない人には良いかもしれない・・・と感じますよね。
ただ、この日帰り手術にはデメリットもあります。
デメリット
- 急な処置に対応ができない
- 帰宅後に痛みや発熱などがあったとき、すぐに対応できない
日帰り手術を行うかどうかは施設によって異なり、手術当日に帰宅できる場合もあれば、1泊以上の入院をすすめられる場合もあります。
日帰りでも、退院したらすぐ日常生活に戻れるというわけではなく、自宅で療養することが前提となります。帰宅後の連絡先や、受診のタイミングを手術前に確認しておきましょう。
入院期間は、術後の回復を待つという意味もあり、手術をしたら、回復までに療養が必要というのには日帰りであろうと変わりはありません。
- 参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P393〜398
- 参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P230・231
- 参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P264
- 参考文献:パッと引けてしっかり使える 消化器看護ポケット事典[第2版] P154・155

胆嚢ポリープの手術についてよくある疑問
Q. 小さなポリープでも手術をした方がよいですか?
A. 1cm以下で症状がなければ、多くは定期的な超音波検査での経過観察です。経過観察の進め方はこちらの記事をご覧ください。
Q. 手術はいつまでに受けるべきですか?
A. がんが疑われる場合は早めの手術が検討されますが、時期は大きさや所見で異なります。担当医の説明を確認しましょう。
Q. 何科を受診すればいいですか?
A. 消化器内科や消化器外科です。健診で指摘された場合は、まず結果表を持って受診しましょう。気になる症状や結果があれば、医療機関へご相談ください。
胆嚢ポリープの原因や受診する科は、胆嚢ポリープとは?原因・何科を受診・検査・手術の目安と癌化の可能性でまとめています。
最後に…
- 手術は胆嚢摘出術で、腹腔鏡手術か開腹手術で行う
- 手術を考える目安は、1cmを超える大きさ、年齢、胆石、症状など
- 腹腔鏡手術が多くなってきているが、癒着や炎症がひどい場合は開腹手術になる。
- 日帰り手術をしている病院もあるが、入院期間は施設で異なる
いかがでしたでしょうか?
不安な場合は、手術前に担当医から説明を受け、不安を少しでも取り除いた上で行うことをオススメします。





