左の主に下腹部痛に加えて、便に血液が混じる下血が起こった場合、それは虚血性腸炎という病気の可能性があります。
虚血性腸炎ってどんな病気なの?!
そこで今回は虚血性腸炎(読み方は「きょけつせいちょうえん」英語表記で「ischemic colitis 」)について
- 原因
- 症状
- 治療法
など、実体験を踏まえお話しさせていただきたいと思います。
虚血性腸炎の原因はストレスが関係する?
ストレスが要因とはなりますが、直接の原因ではありません。
ストレスの他に、
- 便秘
- 排便時のいきみ
- 食生活(消化の悪い脂っこい食事内容)
- 生活習慣(運動不足・不規則な生活)
などが、同じように直接的な原因ではないものの、誘発要因となっています。
虚血性大腸炎は、粘膜下層や粘膜固有層にある細い血管の閉塞が原因となります。
それにより、炎症・潰瘍・壊死などが起こる病気です。
またこの症状は高齢者に多い傾向にありますが、ひどい便秘に悩まされる若い女性などにも稀にみられます。
虚血性腸炎の症状は?
- 激しい腹痛
- 下血
- 下痢
この3つが主な症状になります。
突然の左下腹部痛に襲われ、それに続くように下痢→下血という経過をたどります。
他にも、嘔吐や発熱がみられる場合もあります。
またポイントとして、症状が現れる前には便秘になる人が多い傾向にあります。
ただ、症状だけで虚血性腸炎と診断するのは難しく、血液検査・内視鏡検査・CT検査・(注腸造影検査)などをおこない、特徴的な所見を元に診断されます。
虚血性腸炎の治療法は?
一過性の虚血性大腸炎の場合、安静・絶食・点滴で完治が望めます。
患者の半数の人はこの一過性なので、短期間で治療が終わり、後遺症なども残る心配はありません。
- 一過性型:一過性のもので、安静にしていると回復するもの
- 狭窄型:病変部が狭まり、腸の動きに弊害がでるもの
- 壊死型:腸が壊死してしまう状態、敗血症などの合併症で死亡するケースも!
狭窄型や壊死型だと診断された場合には、手術が必要になります。
- 参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P176〜179
- 参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P108,109
- 参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P870
最後に…
- ストレスは、直接の原因ではないものの、誘発要因となる
- 突然の腹痛や下血には要注意
- 一過性のものは安静・絶食・点滴で回復可能
- 狭窄型や壊死型は手術が必要
私の父の場合は幸い一過性の虚血性大腸炎だったため、安静治療と数日の入院で事なきを得ました。
しかし、トイレから出てきて、腹痛と下血のショックで真っ青になった父の姿は今でも忘れられません。
死に至るケースは稀ではあるものの、怖い病気であることには変わりありません。
毎日の食生活や、健康管理に十分気を付けて、未然に防ぐことが必要があります。
ぜひ参考になさってください。