急にお腹が痛くなった。
病院に行こうと思うけど、行くのも大変!
とりあえず、痛みを抑えるために何かおすすめの市販薬の痛み止めはない?

そんなことありますよね。

ということで、市販薬で買える腹痛に効く痛み止めの薬についてまとめました。

ただし、内服しても、痛みが治まらない時は、必ずすぐに病院を受診しましょう。


腹痛に効く市販薬は?

腹痛のときに、使っていい市販薬って何ですか?
医療の現場で、腹痛に対して最初に使われることが多い薬は・・・

 

ブスコパン®(抗コリン薬)

です。
(※ただし、後述するように尿管結石、胆嚢結石とすでに診断されている場合はロキソニンを使うことがあります。)

ちょっと難しい話になりますが・・・

内臓の平滑筋という筋肉が攣縮することによる腹痛は、この筋肉を支配する神経である副交感神経の働きを止めることで解消します。

ですので鎮痛薬ではなく、鎮痙薬と呼ばれます。

この副交感神経の働きを止めるのが、抗コリン薬ということです。

つまり、内臓の筋肉の攣縮や、消化管の過度の運動を抑えることにより、痛みが治まります

さらに、この薬には吐き気を抑える作用もあります。

この薬は検査の時にも腸の動きを抑える目的でも使われます。
胃カメラや大腸カメラ、バリウム検査などですね。

そしてこのブスコパンは、市販薬としても発売されており、ブスコパンA錠と、ブスコパンMカプセルがそれに該当します。

参考文献)思考過程と根拠がわかる腹痛初期診療マニュアル

ブスコパンを使ってはいけない人は?

ただし、このブスコパンですが、注意点があります。

それは、このブスコパンを使ってはいけない人がいるということです。

使ってはいけないのは、

  • 緑内障→眼圧が高まり、症状が増悪することがある。
  • 前立腺肥大→排尿障害が増悪することがある。
  • 心疾患(不整脈など)→心拍数が上がり、症状が増悪することがある。

 

といった病気を持っている人です。
この場合は、使用禁忌(絶対に使用してはいけない)と製薬会社も記載していますので、こう言った病気を指摘されたことがないかを内服前にはチェックしましょう。

腹痛時に第一に使われるのがブスコパンです。
ただし、使ってはいけない禁忌の人がいるので要注意です。

ブスコパンも腹痛が治まらないときは?

医療の現場で、腹痛に対して、ブスコパンを使用しても症状が治まらない重症な場合は、採血や画像検査をしたのちにペンタジン(ソセゴン®)という薬が使われることがあります。

この薬、実は、オピオイド系鎮痛薬、麻薬性鎮痛薬に分類されます。

つまり、市販されているブスコパンで効かない重症の腹痛には、次の手としては、麻薬を使わないといけないことがあるのです。

麻薬ですので、当然市販されていません。

ブスコパンを飲んでも痛みが治まらない場合は、必ず病院に行きましょう

そしてブスコパンを内服したけれども、痛みが治まらないということを医師に伝えるようにしましょう。

このペンタジンの使用の適応となる病気は以下の通りです。

  • 絞扼性イレウス
  • 重症膵炎
  • 重症虫垂炎
  • 重症腸炎
  • 重症尿路結石
  • 腹部大動脈瘤破裂
  • 急性大動脈解離 など

です。

命に関わる重症な病気が多いです。

ロキソニンって痛み止めでよく使われますが、お腹が痛い時にロキソニンはどうでしょうか?
いえいえ!
腹痛時には、基本的にはロキソニンはやめておきましょう。

腹痛の時、ロキソニンは原則飲んではいけない!

痛み止めといえば、ロキソニン!ということで、2011年に薬局で薬剤師と相談した上で購入することができるようになりました。

ロキソニンSという名前はテレビのCMでも聞いたことがあると思います。

しかし、このロキソニンは原則として腹痛の際には飲んではいけません

ロキソニンの副作用

というのは、ロキソニンの副作用に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった消化管潰瘍があります。

ですので、もし、腹痛の原因が、これらの潰瘍だったとしたら、症状を増悪させてしまう可能性があるからです。

そのほか、ロキソニンは腎臓に負担をかけますし、喘息の一部を増悪させる副作用もあります。

つまり、腎臓の機能が落ちている人や、アスピリン喘息と言われている人は使ってはいけないのです。

ロキソニンにより痛みがマスクされて正しく診断できないことがある

また、ロキソニンには抗炎症作用があり、ロキソニンを飲んで、病院に行き、医師が診察するころには、すっかり痛みが消えており、正しく診断ができないということになってしまうことがあります。

痛み止めというのは、あくまで痛いという症状を一時的に抑えるのみであり、根本的な治療ではありません。

根本的な治療をするには痛みの原因を突き止める必要がありますが、医師が診察するときに症状が消えていては、根本的な解決にはならないのは当たり前ですよね。

なんでも痛み止め=ロキソニンと考えると恐ろしいですね。

ロキソニンを飲んでもいいときは?

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じゃあ腹痛のときはロキソニンは飲んではいけないということですか?
例外はないのですか?
例外はあります!

「腹痛のときには、ロキソニンは「原則」飲んではいけない。ということは、例外もあるの?」

例外として使ってもよい場合は、主に2つで、

  • 尿路結石
  • 胆嚢結石  

と診断されている場合です。

つまり、

腹痛に対してロキソニンを使ってもいい時は・・・

自分は尿路結石あるいは胆嚢結石があると診断されており、過去に腹痛でそれらが原因だと診断された。

そして、痛みが出た時に頓服として、ロキソニンを処方されている

 

この場合には、ロキソニンを使っても構わないと考えられます。

ただし、この場合でも内服後も痛みが取れない場合や、発熱などを伴っている場合は、感染などを合併している可能性がありますので、病院を受診するようにしましょう。

最後に

腹痛時の痛み止めの使い方について、まとめました。
  • 腹痛には ブスコパンが使われることが多い。ただし、使用してはいけない人もいる
  • 安易にロキソニンを飲んではいけない
  • 内服しても痛みが治まらない場合は、早急に病院へ行く

ということがポイントです。

ぜひ参考にしてください。




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