高血圧の薬を服用中に、グレープフルーツを摂ってはいけない、ということをご存じでしょうか?
実は毎朝食べてる!
という人もいらっしゃるかもしれないですね。
グレープフルーツは美味しい果物ですが、相性の悪い降圧剤があるので注意が必要なんです。
他の柑橘系の果物は大丈夫なんでしょうか?
グレープフルーツがダメなら他もダメなんじゃないか……気になるところですよね。
今回は、
- 降圧剤服用中にグレープフルーツがNGである理由
- 実を食べなければいい?ジュースはOK?
- グレープフルーツ以外の柑橘系は大丈夫なの?
など、高血圧の薬とグレープフルーツの関係についてまとめました。
高血圧の薬を服用中にグレープフルーツを摂ってはいけないの?
高血圧の薬を服用中の場合、グレープフルーツの同時服用はNGとされています。
高血圧の薬は、種類もたくさんありますが、その中でもNGなのはカルシウム拮抗剤。
カルシウム拮抗薬に限ったことではありませんが、飲み薬は小腸で主な成分が吸収されたあと、肝臓を通って全身に送られます。
この小腸と肝臓を通過するときに、薬剤は代謝分解されて薬効成分がないものに変わる分と、薬剤として吸収されるものとに分かれます1)。
ところがグレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分が、小腸での代謝の働きを抑えてしまい、たくさんの薬を吸収してしまうことになります2)。
その結果、降圧剤が本来の目的よりも効きすぎて、逆に血圧が下がりすぎる、ということになってしまうのです。
すべての人にこの相互作用が起こるわけではありません。
カルシウム拮抗剤の種類によっても、相互作用が起こりやすい・起こりにくいものもあります3)。
血圧が下がりすぎることによって、ふらつきやめまい、頭痛などが起こることがあります。
ジュースだと200ml以上、果肉だと1/2以上は同時服用しないようにしてください。
ただし、一緒に食べなければいいというわけではありません。
3〜4日は影響があるとされているカルシウム拮抗剤もありますので注意が必要です。
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みかんやレモンなど、その他の柑橘系は大丈夫なの?
グレープフルーツは柑橘系の果物ですから、他の柑橘系は大丈夫なのかと心配にもなりますよね。
先ほども挙げましたが、フラノクマリンが含まれているか含まれていないかが問題となります。
- 温州みかん、レモン、かぼす、バレンシアオレンジなど
→フラノクマリンをほとんど含んでいないので摂取しても影響が及ぶことはない - 夏みかん、スウィーティー、はっさく、ブンタン、ダイダイ、サワーオレンジなど
→摂取するとグレープフルーツ同様に影響がある4)
こうしてみてみると、柑橘類でひとくくりにはできないようですね。
ここに名前の挙がっていない柑橘類(ゆず、ライム、デコポンなど)も、影響を受ける可能性は十分にありますので注意が必要です。
マーマレードジャムや、アロマで使用する精油にも気をつけましょう。
参考:1)・3)カルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュース 一緒に飲んでもだいじょうぶ? 2)・4)グレープフルーツ と 薬の相互作用
最後に
- 高血圧の薬(カルシウム拮抗剤)とグレープフルーツを同時服用すると、薬の効き目が強く出すぎて血圧が下がりすぎてしまうことがある
- グレープフルーツ摂取の影響は3〜4日続くことがある
- ジュースやマーマレード、アロマテラピーで使用するオイル(精油)にも注意
- 柑橘類でも影響を受ける種類と受けない種類がある
カリウムやビタミンCを豊富に含むグレープフルーツは、高血圧の予防や改善、脂肪や血管の老化防止に効果が期待できる果物です。
ですから、逆にいえば薬を服用していなければ、摂取した方が高血圧にはよい食べ物かもしれません。
しかし、カルシウム拮抗薬との関係で、グレープフルーツを摂ると効き過ぎたり副作用が強く出たりする恐れがありますので、薬を服用中の方は医師なり薬剤師にしっかりと確認するようにしましょう。