髄膜腫(読み方は「ずいまくしゅ」)は英語表記でmeningiomaとも言いますが、たまたま人間ドック等で見つかり驚いて「髄膜腫って何なんだ?」と不安になって調べる方も多いと思います。

実はこの髄膜腫は脳腫瘍の中では多いもので27%程度を占めます。

基本的には良性腫瘍のものがほとんどなんですが、場所が脳だけに「大丈夫なの?」と気になりますよね。

そこで今回は、髄膜腫とはどういった病気なのか?

  • 好発部位
  • 好発年齢
  • 症状
  • 画像診断
  • 治療法

について詳しくお話ししたいと思います。

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髄膜腫の好発部位は?女性に多い?

髄膜腫ってどんなところに出来ることが多いのでしょうか?
好発部位や好発年齢をご説明します。

好発部位

実はこの髄膜腫、色々なところに発生します。

  • 大脳半球円蓋部
  • 大脳鎌
  • 傍矢状洞部
  • 鞍結節部
  • 嗅窩部
  • 蝶形骨部
  • 鞍結節部
  • 海綿静脈洞部
  • 小脳橋角部
  • 小脳テント
  • 錐体斜台部
  • 大孔
  • 側脳室

 

などです。最初からボン!と現れるのではなく、徐々に時間をかけて腫瘍が大きくなっていき、たまたま人間ドック等でCTやMRIなどを撮って発見されることが多いものです。man-teiketsuatsu doc1

好発年齢

女性に多いというのは本当です。女性ホルモンの影響が原因の1つとしても考えられていますが、男性でもなります。その中でも40代〜70代、中年から高齢者に多いと言われています。

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髄膜腫の症状は?

どんな症状が出るものなのでしょうか?
基本的に腫瘍が小さければ症状もありません。ですが、大きくなってくると症状も出てきます。

症状は、発生した場所によっても異なるんですが、腫瘍が神経を圧迫したり、圧が高まってしまうことによって以下のような症状が出ることがあります。

  • 視力視野障害
  • 顔面神経麻痺
  • 聴力障害
  • 運動障害
  • 頭痛
  • めまいやふらつき
  • 嘔吐
  • 意識障害
  • てんかん発作

物が二重に見える複視や、顔面の神経障害による麻痺、頭蓋内圧亢進症状局部的な症状が出たりします。

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髄膜腫のCT,MRI画像診断は?

髄膜腫は文字通り髄膜を構成する細胞からなる腫瘍であり、この髄膜というのは脳を囲む膜の事です。つまり、この髄膜腫というのは脳腫瘍ではありますが、脳内ではなく脳の外にできる腫瘍です。

画像診断ではこのことを示唆する

  • 硬膜に広く接するdural tail sign

という形態を示すことがあり、脳実質外腫瘍の特徴とされます。

医師
つまり、髄膜腫の画像診断では、まず脳実質外腫瘍である!と判断することが重要です。

その上で、

  • CTではやや高吸収
  • MRIでは、T1強調像で等信号、T2強調像で等〜やや高信号を示し、造影剤により均一な造影効果

を示します。もちろん典型的な髄膜腫ばかりではなく、石灰化や嚢胞変性、壊死などを伴うこともあります。

【症例】90歳代男性

meningioma006

 

【CT所見】右前頭部に一部でdural tail signを呈する脳実質外の高吸収腫瘤あり。髄膜腫を疑う所見。

この症例の実際のCT画像を見てみる→髄膜腫のCT画像所見

 

【症例】70歳代女性

meningioma004

【MRI所見】大脳鎌と接する腫瘤あり、dural tail signを呈している。

【症例】60歳代女性

meningioma002

 

【MRI画像所見】 左の髄膜腫小脳橋角部に脳実質外腫瘤あり。髄膜腫を疑う所見。

この症例のMRI画像を見てみる→髄膜腫のMRI画像所見

【症例】70歳代男性

meningioma005

 

【MRI所見】大脳鎌右側に髄膜腫あり。また右半卵円中心に静脈奇形の所見あり。

この症例のMRI画像を見てみる→髄膜腫・静脈奇形のMRI画像所見

 

【症例】70歳代男性

meningioma001

 

【MRI所見】頭蓋底の左蝶形骨縁に造影効果を有する脳実質外腫瘍あり。髄膜腫と診断。手術となった。

この症例のMRI画像を見てみる→左蝶形骨縁髄膜腫のMRI画像所見

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髄膜腫が見つかった後のフォローは?

基本的に脳外科受診となり、その後のフォローについては、脳ドックのガイドライン2014によると、髄膜腫らしき腫瘍が見つかった場合

  • 蝶形骨縁内側型の髄膜腫
  • それ以外の髄膜腫

に分けます。

なぜ分けるかというと、蝶形骨縁内側型の髄膜腫は、視力障害を生じやすく予防的に手術が勧められるためです。

一方で、それ以外の髄膜腫の場合は、MRIで経過観察していきます。最初2回は半年毎、その後変化なければ1年毎の経過観察を行います。

髄膜腫が見つかった後のフォロー
  • 蝶形骨縁内側型の髄膜腫:予防的に手術
  • それ以外の髄膜腫:MRIでフォロー(6か月、6か月、以後1年毎)

髄膜腫の治療方法は?

どういった治療方法があるのでしょうか?
治療方法をご説明します。

基本的に腫瘍が小さく症状がなければ、そのまま放置しても腫瘍が小さくなることも考えられるため治療を必要とはしません。

ですが、腫瘍が大きくなり症状が出てくると治療が必要になりますし、部位によって今後の重篤な症状が出てくる可能性のあるものは治療の対象になります。

治療方法は以下のようなものがあります。
  • 手術療法
  • 放射線療法
  • 保存療法

手術療法

腫瘍を摘出する目的で行われます。基本的には腫瘍を全摘出します。

放射線療法

大きくはないが場所により重篤な症状が出てくる可能性のあるものに対し行われますし、術後取りきれなかった腫瘍に対して行われます。

保存療法

腫瘍が小さかったり、患者の年齢が高齢、もしくは体力が持たない場合等に手術は行わずに経過観察をして様子を見る場合もあります。

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手術をしても術後しばらくは症状が残る場合もありますが、徐々に症状は改善されていきます。しかし、中には部位によって後遺症が残ったり、腫瘍を取りきれなかったということもあり得ます。

ほとんどの髄膜腫は良性ですが、術後腫瘍の病理検査で悪性と判明するものも中にはあります。そうなると話はまた別で、再発の可能性もありますし、5年生存率は63%と高くなってきます。

髄膜腫の手術適応はどうやって決める?

蝶形骨縁内側型以外の髄膜腫はMRIによる画像検査でフォローしていくことは上に述べましたが、その後どういうタイミングで手術をすることがあるのでしょうか?

手術適応は、

  • 腫瘍による神経圧迫などで症状がある場合
  • 腫瘍の増大速度が早い場合
  • 腫瘍のサイズが大きい場合
  • 年齢

などを考慮して決められます。

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最後に

  • 髄膜腫は脳のあらゆる場所に出来る
  • 中年〜高齢、特に女性に多い
  • 腫瘍が大きくなると神経を圧迫したり、圧が高まって症状が出る
  • 腫瘍のある部位によって症状が異なる
  • 手術療法・放射線療法・保存療法という治療法がある
  • 基本的には良性のものが多いが、中には悪性のものも
  • 悪性だと再発率は高く、5年生存率は63%

 

こういう病気もあるからこそ、定期的な人間ドックは必要なんですよね。若い方でも色々な病気の可能性はありますが、中高年になると特に色々な病気の発生が考えられます。

まずは、自分の体に日頃から注意し、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

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