脳ドックで脳動脈瘤が見つかり、かつ破裂の危険が高い動脈瘤の場合、治療検討の対象になります。

治療法には、大きくコイルによる動脈瘤の塞栓術と、動脈瘤をクリップで止めるクリッピング術があります。治療成績を中心に違いを合わせて見ていきましょう。

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まず脳動脈瘤で治療するべき動脈瘤は?

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動脈瘤が見つかった場合、放置しても一生破裂しないかもしれません。
また治療を行ったばかりに合併症が起こりそれで亡くなるかもしれません。

あるいは、危険な動脈瘤が見つかり、治療することにより、結果的に破裂を未然に防ぐことができ、その人の寿命が大きく伸びるかもしれません。

動脈瘤が見つかった場合、それを放置するか、リスクを取りながら治療するか、どちらがいいのかという点については実は答えはありません。

ただ、言えること破裂しやすい動脈瘤があり、それは治療すべきだということです。

では、治療すべき動脈瘤とはどのようなものでしょうか?

  • 7mm以上あるいは後方循環系にできた動脈瘤
  • 45-65歳である。

場合は、治療することにより生命の延長が得られるとされています。(J Neurol.Neurosurg.Psychiatry 76:234-239,2005)

 

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塞栓術とクリッピング術、合併症が起こる率は?

まず、クリッピング術は従来から行われていた治療に対して、塞栓術は比較的新しい治療法です。

塞栓術における合併症の起こる確率は低下傾向にあり、まだ破裂していない動脈瘤に対して

  • 塞栓術による合併症のリスク8.8%
  • クリッピング術による合併症のリスク17.8%

という報告があります。(AJNR 26:1902-1908,2005)

いずれにせよ結構高いですよね^^;

ということは、破裂していない動脈瘤(未破裂動脈瘤)の治療方針を決定するにあたっては、手術ではなく、血圧のコントロールやさまざまな画像検査による「経過観察」を行う保存的治療を選ぶ重要性が増しているとも言えます。

また、治療法を選択するにあたり、比較的新しい塞栓術の選択なしで、クリッピング術しか選択できないというのも問題ですね。MRA

破裂した後の動脈瘤に対する治療法は塞栓術?クリッピング術?

脳動脈瘤が破裂をして、一命をとりとめた場合、その動脈瘤がもう一度破裂しないように治療することが必要になります。その場合、コイル塞栓術かクリッピング術どちらがよいのでしょうか?

どちらの治療法も可能な患者さんに治療を行った報告によると、

術後1年の死亡・重度障害が起こった確率は、

  • コイル塞栓術で23.5%
  • クリッピング術で30.9%

とのことです。つまり破裂した動脈瘤に対する治療もコイル塞栓術の方が治療成績はよいということです。またこの優位性は術後少なくとも7年までは保たれていると報告されています。(Lancet 360:1267-1274,2002,Lancet 366:809-817,2005)

ただし、もちろん一概にコイル塞栓術がいいとも言えません。
その人の年齢や背景にあるリスク因子をしっかり考慮した上で治療法を選択することになります。

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