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頭蓋骨の形は人それぞれ異なりますが、それが極端に違う、特徴的な頭蓋変形を生じている場合、頭蓋縫合早期癒合症のこともあります。今回は、この頭蓋縫合早期癒合症(ずがいほうごうそうきゆごうしょう)について

  • 症状
  • 原因
  • 診断
  • 治療法

をお話ししていきたいと思います。

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頭蓋縫合早期癒合症とは?

頭蓋融合が正常よりも早期に癒合するために、頭蓋の変形や狭小化、頭蓋内亢進を生じる疾患の総称を頭蓋縫合早期癒合症と言います。

顔面や四股の形態異常を伴い、遺伝子の変異を認めるものは症候群性の融合症として区別されます。

頭蓋縫合早期癒合症の症状は?

早期に癒合する部位により、それぞれ違った特徴的な頭蓋変形が生じます。

単一縫合癒合症である

  • 舟状頭蓋
  • 短頭蓋
  • 三角頭蓋

多縫癒合症である

  • 尖頭蓋
  • クローバー葉頭蓋

とに形が分けられます。

医師
それぞれについてご説明します。

舟状頭蓋

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  • 矢状縫合
  • 最も高頻度に発生
  • 前後に拡張する

短頭蓋

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  • 冠状縫合
  • 垂直方向へ著しく拡大したものを塔状頭蓋とも言う
  • 前後は短い
  • 左右に拡張

三角頭蓋

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  • 前頭縫合
  • 前頭部が三角形に突出

尖頭蓋

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  • 複数または全縫合
  • 頭蓋の狭小化により頭蓋内圧亢進が起こる
  • 前後左右は短い
  • 大泉門の方向に拡大し尖った形になる

クローバー葉頭蓋

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  • 冠状+人字+前頭縫合または矢状+鱗状縫合
  • 水頭症を合併
  • 稀な疾患
  • 耳介低位
  • 顔面変形(眼球突出・上顎骨低形成等)
  • 大泉門・側頭泉門に向かって拡大
  • 3つの葉状頭蓋変形

多縫合癒合症に顔面骨の早期癒合症を伴う場合は、症候群性頭蓋縫合癒合症と呼ばれます。Crouzon病(クルーゾン)Apert症候群(アペール)が代表的です。

Crouzon病

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  • 冠状縫合(両側)・・・矢状・人字縫合にも及ぶ
  • 塔状頭蓋が多い
  • 顔面変形(著名な眼球突出・眼間離開・上顎骨の低形成・下顎の突出)

Apert症候群

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  • 冠状縫合(両側)または全縫合
  • 塔状または尖頭蓋
  • 顔面変形(眼球突出・眼間離開・上顎骨の低形成)
  • 左右対称性の合指症
  • 精神発達遅延

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頭蓋縫合早期癒合症の原因は?

胎児期から少しずつ癒合が始まり、生後半年くらいまで進行します。しかし、早期癒合の原因は不明です。また、遺伝子変異も考えられていて、症候群性の頭蓋縫合早期癒合症の場合、FGFR2遺伝子の変異が原因です。

頭蓋縫合早期癒合症の診断は?

X線、3D−CT、MRI検査で特徴的な所見を確認します。

医師
それぞれについてご説明します。

X線検査

指で押し押したような指圧痕が見られる場合は、頭蓋内圧亢進となっていることを示します。また、骨の変形や縫合線の消失も確認できます。

3D-CT検査

縫合線の消失に加え、癒合部の骨の肥厚、骨性隆起などを立体的に捉えることが出来ます。

MRI検査

水頭症などの合併症やその他の脳奇形を確認出来ます。

しかし、新生児の頭蓋骨は山道通過時の圧迫に対応出来るよう変形しやすいようになっています。通常この時期の外圧による変形は自然に改善するため、頭蓋縫合早期癒合症との鑑別が大切です。

頭蓋が小さい小頭症では、頭蓋だけでなく脳容積も小さく、頭蓋縫合は正常です。また、脳のはっいくが不良で脳容積が増大しないために頭蓋縫合が早期癒合してしまう場合は、脳萎縮に伴う狭頭症として鑑別する必要があります。

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頭蓋縫合早期癒合症の治療法は?

外科的治療が中心となります。変形した頭蓋の矯正や頭蓋内圧亢進の改善、顔貌の改善を行います。

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医師
手術方法についてご説明します。

頭蓋骨延長法

頭蓋骨に数カ所の切れ目を入れてその切れ目に延長器を装着します。そして、徐々に切れ目を広げ、変形を矯正する術式です。徐々に延長するため、骨と骨の隙間に柔らかい骨が再生され、いずれ固まるのを期待する方法です。

頭蓋形成術

変形している頭蓋骨を切り出し、吸収性プレートなどを使い、整形して元に戻す方法です。頭蓋骨延長法に比べ、手術による侵襲は大きくなります。

これらの手術は基本、脳の発達障害や頭蓋変形などを予防する目的で、通常1歳以下に対して行われます。それ以上の年齢にしましては、病型や変形の程度などを考慮し、検討されます。

最後に

  • 頭蓋の変形や狭小化、頭蓋内亢進を生じる疾患の総称を頭蓋縫合早期癒合症と言う
  • 単一縫合癒合症である、舟状頭蓋・短頭蓋・三角頭蓋が多縫癒合症である、尖頭蓋・クローバー葉頭蓋がある
  • 症候群性頭蓋縫合癒合症ではCrouzon病やApert症候群が代表的
  • 早期癒合の原因は不明、遺伝子変異が原因のこともある
  • X線、3D−CT、MRI検査で特徴的な所見を確認し診断する
  • 外科的治療が一般的

 

全てに対して外科的治療が行われるのではなく、程度が軽い脳圧が高くなければ経過観察で様子を見ることも多くあります。

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