Cronkhite-Canada症候群という病名をご存知でしょうか?
難病指定されている病気の1つです。
このCronkhite-Canada症候群は、全身に症状を来す病気で患者数は少ないものの、その割合的に日本人に多い傾向にあるのです。
今回はCronkhite-Canada症候群(クロンカイト・カナダ)について・・・
- 症状
- 診断方法
- 治療方法
をまとめました。
では、ご説明していきます。
Cronkhite-Canada症候群とは?
胃や小腸、大腸などに消化管ポリポーシスをともなう病気で、難病指定されています。
詳しい原因は分かっていないものの、非遺伝性で、中年以降の男性に多い傾向があります。
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Cronkhite-Canada症候群はどのような症状が出る?
- 脱毛
- 味覚異常
- 下痢
- 腹痛
- 色素沈着
- 浮腫
- 体重減少
- 消化管ポリープ
- 定蛋白血症
Cronkhite-Canada症候群は、胃や大腸などの消化管に無数に発生するポリープ(ポリポーシス)が特徴でもあります。
下痢や腹痛といった症状を来すものもありますし、蛋白漏出をともなう低蛋白血症などもあらわれます。
また、胃癌や大腸癌などを合併することもあるため、早期発見早期治療が重要になってきます。
身体的な症状として、
- 頭髪や眉毛が抜けてくるといった脱毛症状
- 爪の萎縮
- 皮膚が黒ずむ色素沈着
などがあらわれます。
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Cronkhite-Canada症候群の診断方法は?
診断としては、内視鏡カメラによってポリポーシスを確認したり、消化器症状、皮膚症状、定蛋白血症などの症状から生検を行い、診断します。
また原因としましては、家族歴や遺伝による報告も数例はあるものの、直接な因果関係は認められていないため非遺伝性とされ、飲酒喫煙等の環境的要因もなく、はっきりとした原因は分かっていない現状です。
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Cronkhite-Canada症候群の治療法は?
基本的には薬物療法として、内服もしくは点滴という方法で副腎皮質ステロイド剤が使用されます。
また、それと同時に食事療法も行われます。
また、薬による副作用も少なからずあるため、そこの調整が難しく、薬の投与が不十分となれば、再発やそもそもの治療の効果も期待できなくなります。
なので、治療を始めるにあたり、その部分を患者と医師とよく話し合う必要があります。
中には症状がひどく、腸重積や癌などになってる場合には手術でポリープを切除する治療が行われます。
食事療法の必要性
栄養成分により病態が悪化するわけではないんですが、慢性的な蛋白漏出が起こることにより栄養障害を合併したりするのです。
なので、医師の指導のもと食事療法も合わせて行う必要があるんです。
また、治療を行っても完治するまでには時間もかかり、再発の可能性もあるため、医師の指示のもと長く経過を見守っていく必要があり、勝手な自己判断による薬の中断等は危険です。
参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P217
参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P124
参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P150
最後に
- Cronkhite-Canada症候群は消化器ポリポーシスなどの症状の他、皮膚や全身に症状が出る
- 原因は分かっていない
- 内視鏡カメラによるポリポーシスの確認や症状から診断を行う
- 基本は副腎皮質ステロイド剤を用いた治療が主
- 合併症等を伴う場合には手術を行う
- 再発の可能性もあるため自己判断は厳禁
Peutz-Jeghers症候群に似てるようにも感じるんですが、大きな違いは好発年齢にあります。
Peutz-Jeghers症候群の場合、小児や青年期に多いんですが、Cronkhite-Canada症候群の場合、60前後の特に男性の多いとされています。