人間ドックを受ける当日に生理が当たるかも…とハッとする女性の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に、それが検便となると、血液が混入してしまうのではないかと心配になります。
そこで今回は、人間ドックを受ける際に引っかかるかもしれない生理中の検便について
- 可能か否か
- 痔の場合
- 下痢の場合
などをお話しします。
人間ドックの前に参考して頂ければと思います。
生理中の検便は可能?
検便では、
- 便潜血反応
- ヘモグロビン・トランスフェリン
- キモトリプシン
- 虫卵・虫体検査
- ビリルビン・ウロビリノゲン
などを調べます。
基本的に人間ドックや健康診断の検便では、大腸ガン検査のため、便潜血も調べることになります。
そのため、生理による血液が混入すると、正確な診断ができなくなるため、基本NGです。
人間ドックを受ける検査機関の中には、渡される書類の中に生理中の対処方法が書かれている場合がありますので、目を通してみましょう。
できる限り、次の生理日を計算して人間ドックの予約を入れるのが良いですが、生理日がズレ、重なってしまった場合は、検査前に申告しましょう。
生理の時に検便が出来ない場合には、生理が終わってから採取をして提出となる場合もありますし、検便自体を断られることもあります。
ほとんどの場合は、受診して検便を行うという方法ではなく、事前採取ということが多く、その場合は、専用の検体容器を渡されます。
それに、1回分もしくは2回分(2日分)の便を採って持っていくものなのですが、基本的に検査当日を含めた3日前のものまでを対象としていますが、冷蔵保存ならば5日前のものまでをOKとしています。
そのため、生理日を計算して予めとっておくという方法もありそうですが、その他の検査でも生理中行えないものがありますので、ご注意ください。
採取方法や保存可能期間など不明な点は、検査機関問い合わせ、確認しておくと良いでしょう。
生理中の検便だと潜血反応が出る?
出る可能性はあります。
出血量によっても異なりますが、便をする際に混入する可能性はあり、もし潜血反応が出たら、当然ですが後日再検査になります。
不安を抱えて再検査をする事を考えると、生理中には検便を控えるのが得策ですし、血液が混入するかもしれず正確な診断ができないと分かっている生理中は、検査機関側から断られることもあります。
また、生理終わりかけはどうなの?
ということも気になると思いますが、便に血液がつかなければ問題はありません。
生理が終わりかけで出血量も少ない場合には、排便前にしっかり拭いてから臨むことで血液混入は防げます。
痔の場合の検便はどうする?
痔の場合は検便を採取しても大丈夫なのかしら?
痔を持っている方は、生理と同じように、痔の方は切れてしまうと出血をしますのでやはり検査で潜血反応が出ます。
そうなると、正確な診断にならず、再検査となることが多くあります。
また、当日までに日数がある場合、薬を投与してみたり専門の病院で痔の治療をしてみるのも良いですね。
痔の方は事前に人間ドックを受ける医療機関に相談をしておき、あくまでも検便は補助的な検査として考え、特に気になる症状(消化器疾患等)がある場合には、便に関係のないオプション検査をつけておくのもいいでしょう。
ちなみに…下痢の場合は?
もし、検便の時に下痢になってしまったら焦りますよね。
検便の時に下痢になってしまっても、検便は可能です。
下痢は水分の多い便ですから、基本的には問題ありませんが、下痢の原因が細菌性の場合は、反応は出てしまうかもしれませんが、その時に下痢症状があったことを伝えておくと良いでしょう。
参考文献:新 検査のすべてがわかる本P140・141
参考文献:検査のしくみ 検査値の読み方P28
参考文献:今日の臨床検査 2011ー2012 P38〜42
参考文献:よくわかる検査数値の基本としくみP18・19
最後に
- 人間ドックの検便は生理の時は潜血反応が出てしまうため、基本NG
- 生理中に検査をしても再検査となるため、後日もしくは事前に提出
- 痔の場合は、再検査となる場合が多い
- 下痢の時は検便可能
基本的に健康診断では、大腸ガン検査を40歳以上としています。
それ以外で受ける場合は、何か疑いや気になる症状があってのことも多いため、特に正確さを追求する必要があります。
検便は補助的な検査であり、この検便で引っかかったために、この病気だと確定診断となることはなく、必ず再検査をおこないます。
また、基本的に生理の場合は、検便だけでなく、婦人科系の検診にも差し支えることがあるため、ズラして臨むのが良いでしょう。